ギャングから華麗な転身 地球と地域社会を大切にするエコビジネスマンへ

私腹を肥やすことにしか興味がなく、国の舵取りをする能力ゼロ、国民をないがしろにして権力にしがみつく大統領。大統領を頂点とした権力者とのコネにすがって、やはり私腹を肥やすことにしか関心がない、政治家、公務員、企業人、私人。。。政治、経済、教育、基本的公共サービス、社会制度のどれをとっても、悪化の一途。ついに南アフリカの信用格付けが「ジャンク」(junk)、つまり「ゴミ」「ガラクタ」並みに落とされてしまった。

このところ情けないニュースばかりで、なかなかブログを書く気になれなかったが、久しぶりに元気になる話を耳にした。

麻薬中毒のギャングが立ち直り、環境に優しい洗剤などの製造販売会社を設立したという。

クルレカニ・ニョボレ(Khululekani Nyobole)さんが生まれ育ったのは、ケープタウン近郊のカエリーチャ(Khayelitsha)。貧しいコミュニティだった。憧れの存在はギャングメンバー。「勝者になることしか頭になかった。」

元々、喧嘩っ早い子供だった。10歳くらいで酒とタバコを始め、2003年(今27歳だから13歳くらいの時)ギャング団のメンバーになる。銃を渡され、強盗を働き始めた。

「僕にとって、ギャングは単なるギャングじゃなかった。友だちだったんだ。今では何のコンタクトもないけれど、当時は友だちだったんだ。彼らのほとんどはもう生きていない。刑務所に入っている者や、まだギャングとしてやっている者もいる。」

高校入学後、麻薬と飲酒に溺れる。「ありとあらゆる麻薬を試した。コカイン、ヘロイン、ティック、マンドラックス、エクスタシー・・・。」

それでも、ドロップアウトせず、ギャングをしながら学校に通っていたのだから偉い。

「制服を着るのは恥ずかしかった。だから、制服っぽい私服でごまかし、ギャング団の仲間に学校へ行っていることを悟られないようにした。」

だが、生活は荒んでいく。麻薬、飲酒、暴力・・・。遂には家族の安全が心配になり、家にいられなくなった。

「クルレカニは麻薬中毒者だった」というキャプションがついていますが、これ本人?(Tuko

10年生(日本の高校1年生)の最終試験に2年連続で落第。しかし、「心の底で『この負け犬は本当の僕じゃない』と確信していた。そして、努力して犯罪活動から身を遠ざけた。僕には頭脳があると知っていたから、頑張ったんだ」。3度目の正直で10年生の試験にパス。11年生、12年生の試験、そして高校資格試験にも合格した。

高校卒業後、ヘルシーファーストフードチェーン「カウアイ」(Kauai)のレジで働き始める。頑張った甲斐があり主任に昇進。「大学へ行きたい」と思うようになった。

2014年に西ケープ大学で学士号取得。転機となったのは、環境倫理のクラスだった。

「地球を大切にして、地球温暖化を防がなければいけないと言うが、貧しい人には手が届かない。エコフレンドリーな製品は、環境を破壊する製品よりずっと高いからだ。貧しい人々が有害だが安い商品を買うのを非難することはできない。」

そこで思いついたのが、貧しい人々にも買える値段で環境に優しい洗剤などを製造販売すること。

若者の起業活動を様々な角度から支援する団体「ニュー・ベンチャー・スタジオ」(New Venture Studio)と環境にやさしい商品を作っている企業の協力を得て、「ナーチュラ」(Nurturer)を立ち上げたのは2016年。2017年2月には、念願の販売開始!

製品と共に(GoodThingsGuy.com

環境保護だけでなく、公式失業率26.6%(2016年)の南アフリカにおける雇用創出と、環境問題に対する意識向上も目指す。

ビジネスモデルは戸別訪問。失業者をエージェントとして訓練し、エージェントが一軒一軒の家庭を訪問して、エコフレンドリーな製品を使うことの意義を説明するという。

すべてのものには目的と深い意味があるという目的論を学んだ時、環境に対する考え方が変わった。それまで直感的に真実だと知っていたことを、この理論のおかげで確信したんだ。つまり、地球を尊重することは、私たち自身を尊重することに他ならない。」

成功して欲しいものだ。いや、劣悪な環境に生まれ育ち、ギャングとして暴力や犯罪の真っただ中に身を置き、麻薬に溺れる生活から毅然と足を洗い、大学を出て起業した強い意志の持ち主だ。たとえナーチュラー社がうまくいかなくても、きっと大成するだろう。地獄を見たのが10代。今、まだ20代なのだから。

今の姿(Narturer

【参考記事】
"Ex-gangster cleans up act" (The Times 2017年4月10日)
"From teenage gangster to successful businessman, meet the man who changed his own fate"(GoodThingsGuy.com 2017年4月10日)
"From school of hard knocks: Meet ex-gangster who changed his life to become ROLE MODEL" (Tuko)
"Former gangster now makes econ-friendly cleaning products" (News24 2017年2月14日)
"Former Cape Flats gangster turns his life around and gives back"(The South African 2017年2月9日)

【関連ウェブサイト】
Nurturer
New Venture Studio

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