2014/08/31

南アフリカの良心、ツリ・マドンセラ マイリー・サイラスのパロディ

南アフリカの与党ANC(アフリカ民族会議)は、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領を頂点として腐敗しきっている。総選挙が完全比例代表制であるため、政治家は「有権者」や「地元」を考える必要がない。党内の力関係が全てなのだ。能力も必要な資格もないのにコネだけで職を得た官僚が、国政だけでなく州政府や市にも溢れている。地方・中央政府の仕事は、与党にコネのある人々が経営する会社にばらまかれる。その会社に能力や実績がなくても関係ない。政治の腐敗が波紋のように広がり、教育、医療、福祉、インフラなど国民の生活の隅々まで悪影響を与えている。

2002年に設立された、捜査・検察の両方の権限を持つ「スコーピオンズ」(Scorpions)は、大規模の組織犯罪や汚職を次々と暴き、有罪判決率が90%という超有能な特別捜査班だったが、あまりに優秀なため、有力政治家やその友達たちや腐敗した警察に憎まれ、2008年に解体されてしまった。

良心的な裁判官や官僚がいないことはないが、ANC政権にインパクトを与えるほどではない。政治に関しては明るいニュースがなく、「南アフリカに正義はないのか!」と暗い気持ちになることが多い中、唯一、光を放っているのがツリ・マドンセラ(Thuli Madonsela)。

iol news
1962年9月28日、ジョハネスバーグ生まれの法廷弁護士。スワジランド大学で文学士号(法律専攻)取得、ヴィットヴァータースランンド大学で法学士号取得。アパルトヘイト時代は当時解放運動団体だったANCやUDF(統一民主前線)に参加。民主国家南アフリカの憲法最終草案を作成したメンバーのひとり。

2009年、「Public Protector」に任命される。南アの「パブリックプロテクター」は英国やスカンジナビア諸国のオンブズマン(ombudsman)に相当し、政府・国家機関・国家公務員などの違法行為・横暴に対する国民の訴えを受理・調査するのが仕事。

ツリは目を見張るほど有能である。公正・公平である。権力に屈しない。マンデラ亡き後の南アフリカの「良心」「正義」を体現している。

だから、与党ANCに憎まれている。ツリを任命したズマ大統領は、さぞかし後悔していることだろう。

2014/08/22

エボラがギニアの外に広がる必要はなかった! シエラレオネの伝統的治療師が拡大の原因

西アフリカは現在、史上最大のエボラ大流行に悩まされている。

ギニアで最初に被害者が出たのは昨年の12月。エボラだと特定されたのが2014年3月。その後、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアへ被害が拡大した。WHO(世界保健機関)によると、8月18日現在で2473名が感染し、1350名が死亡(死亡率55%)。ギニアでの死亡率推定は64%。だが、WHO発表の死亡率はあてにならないといわれる。「もしかしたらエボラが原因かもしれない」という感染疑い例まで数に入れてあるためだ。実際の死亡率はずっと高いと見た方がよさそうだ。

8月14日現在の感染状況(Centers for Disease Control and Prevention

ところが、シエラレオネで特に被害が大きいケネマ(Kenema)地方の医療高官モハメッド・ヴァンディ(Mohamed Vandi)さんによると、今回のエボラ伝染はギニアの外に広がる必要はなかった。局地的な小流行にとどまった可能性が高いというのだ。

すべては、ひとりの伝統的治療師から始まったという。

2014/08/10

嘘の代償 政治家の学歴詐称とデザイナーの盗作

嘘をつくにはエネルギーがいると思う。ひとつ嘘をつけば、辻褄をあわせるために嘘が嘘を呼ぶ。そのひとつひとつを覚えて取り繕うなんて器用なこと、とても私にはできない。面倒だし疲れ果ててしまいそうだ。正直が一番、気楽で良い。

勿論、「嘘も方便」ということもある。更に、友人の心を傷つけないために、必ずしも本当のことを言わないこともあるだろう。「最近太ったね~」とか「その服、全然似合わない」とか、よっぽど親しい友人でも普通言わない。皆が皆、本音しか口にしない社会はぎくしゃくして大変そうだ。

日常的な罪のない可愛いプチ嘘ではなく、法律に触れる大きな嘘を平気でつく人もいる。詐欺、脱税、政治家・・・。

政務調査費で妻と一緒に熊本県の「天草キリシタン館」を訪れた兵庫県の加茂忍県会議員(自民党)が偶然にも400万人目の来場者となり、記念品をもらったりする姿が報道されたために、税金の悪用が発覚したそうだが、まさかバレるとは思わなかったんだろうな。本人にしては、ほんの「デキゴゴロ」かもしれない。他の県議も日常的にやっていることかもしれない。加茂県議の政治生命はこれで絶たれるのだろうか。刑務所に送られる可能性はあるのだろうか。それとも「ゴメンナサイ」で済んでしまうことなのだろうか。

真実を探すブログ

ともあれ、デキゴコロであろうとなかろうと、嘘をつく時はバレた時の代償を十分考える必要がある。

2014/08/03

ヴィッツ大学が世界大学ランキングで115位。アフリカ大陸で最高。

ヴィットヴァーターランド大学(University of the Witwatersrand)、略してヴィッツ大学(Wits University)。かつて、南アフリカはもとよりアフリカ大陸で最高、世界でも有数の大学といわれていた。ところがここ暫く、人気の面でもレベルの面でもケープタウン大学に太刀打ちできず、プレトリア大学やステレンボッシュ大学などにも押され気味で勢いがない。卒業生として寂しく思っていたところ、「世界大学格付けセンター」(CWUR: Center for World University Rankings)による2014年度ランキングで、アフリカ大陸最高の115位となっていた。「ランキングなんてどうでもいい」と思いつつも、元気のなかった母校が健闘しているのを目にするのは嬉しい。

ヴィッツ大学(BusinessTech

評価の基準は以下の8点。100%満点である。

教育の質(Quality of Education)25%
国際的な賞や勲章を得た卒業生の数(大学の大きさに応じて計算)

卒業生の雇用状況(Alumni Employment)25%
世界のトップ企業でCEOの職にある卒業生の数(大学の大きさに応じて計算)

教官の質(Quality of Faculty)25%
国際的な賞や勲章を得た教官の数

出版物(Publications)5%
評価の高い学術誌に掲載されたリサーチ論文の数

影響力(Influence)5%
非常に影響力の大きい学術誌に掲載されたリサーチ論文の数

引用数(Citations)5%
数多く引用されたリサーチ論文の数

幅広い貢献度(Broad Impact)5%
大学の「h指数」(h-Index)。h指数とは研究者の科学的貢献度を示す指数で、論文数と被引用数を使って計算される。

特許(Patents)5%
国際的な特許の申請数

100%の評価を受けたのは世界でだた一校。ハーバード大学である。