2015/04/22

ゼノフォビア襲撃 モザンビーク作家ミア・コウトがズマ大統領に公開書簡

一連のアフリカ諸国民襲撃事件で7人目の犠牲となったモザンビーク人の露店行商人、エマニュエル・シトレ(Emmanuel Sithole)さん(35歳)の殺害容疑者4人が逮捕された。

大勢の通行人や全国紙『サンデー・タイムズ』紙ジャーナリストの目の前で、白昼行われた殺しである。犯人の顔がはっきり映った写真が、4月19日付『サンデー・タイムズ』紙の一面に大きく掲載された。捕まらない方が不思議だろう。殺人の一部始終がカメラに証拠として残されたこと、目撃者が多いこと、更に、世界中で報道され、多くの注目を浴びてしまったことから、4人にはスピーディに有罪判決が下ると見られる。

The Citizen
ENCA
Incwajana

新聞社のカメラマンは通常大きなカメラを抱えているし、『サンデー・タイムズ』紙のジャーナリストはふたりとも白人。住民の殆どが黒人の地域では目立つ存在である。それでも躊躇しなかった犯人たちは「どうせ捕まらない」とタカをくくっていたのか。(ところで、先日、テレビカメラの前でレポーターを襲った強盗は捕まったのだろうか?)

エマニュエルさんを病院に運ぶジャーナリスト(IOL News

現場に居合わせた被害者の姉(妹)ジョーディナ・マシア(Jordina Masia)さんによると、料金を払わず売り物のタバコを持ち去ろうとしたので、エマニュエルさんが咎めたところ、襲ってきたという。警察では「通常の強盗殺人事件か、ゼノフォビア動機か不明」と言っているが、ゼノフォビア襲撃の多く、特に商店襲撃は「外国人」を口実にした略奪と見られるケースが多い。少なくとも、武器を携行して路上を歩いていたこの4人は、時流に乗って「外国人」を襲おう、あわよくば懐を潤わせよう、と考えていたのではないか。また、最初から「外国人」を狙っていなかったとしても、タバコ数本のために殺してしまったのは、外国人襲撃風潮の最中、エマニュエルさんがたまたま「外国人」だったことが関係しているのではないか。(「ゼノフォビア」(xenophobia)については「収拾のめどがつかない外国人襲撃にアフリカ諸国が立ち上がる」参照のこと。)

2015/04/19

収拾のめどがつかない外国人襲撃にアフリカ諸国が立ち上がる

ゼノフォビア」(xenophobia)という言葉をご存知だろうか。

「ゼノ」(xeno)は「外来の、 異質の、 異種の」、「フォビア」(phobia)は「恐怖症、 病的恐怖、 病的嫌悪」を意味する。つまり、「ゼノフォビア」(xenophobia)とは「外来者・外国人恐怖症、外国(人)嫌い」。リーダーズ英和辞典には「外国[未知]の人[もの]に対する嫌悪・憎しみ・恐怖」とある。

ゼノフォビアという言葉は、南アフリカではかなり特定した使い方をされている。「アフリカ諸国からやってきた黒人に対する、南アフリカ黒人による差別・偏見・暴力」を表す婉曲表現なのだ。ここ数年よく耳にする言葉である。日常的に小さい事件が都市部で起こり、数年に一度、大きな襲撃事件が連発する。大抵の場合、理由にもならないようなちょっとしたことがきっかけだ。きっかけがはっきりしないこともしばしばである。

最初に「ゼノフォビア」が大きく取り上げられたのは、10年くらい前だったと記憶している。モザンビーク人やジンバブエ人が襲撃され、各地に難民キャンプが設立された。

2015/04/09

個人による刑事訴訟で初めて有罪判決 娘の「自殺」を信じなかった両親の執念実る

2005年6月28日、ロシェル・ナイドゥー(Rochelle Naidoo)さんの死体がケープタウンのアパートで見つかった。

ロシェルさん(News24
同居していたボーイフレンドのファイゼル・ヘンドリクス(Faizel Hendricks)は「自殺」と主張。ロシェルさんが38口径のリボルバーを口に突っ込み、引き金をひくのを目撃したというのだ。リボルバーはヘンドリクスの持ち物だが所持許可なし。警察はヘンドリクスを殺人容疑で一旦逮捕したものの、証拠不十分で釈放。

ロシェルさんの両親は娘の「自殺」を信じなかった。そして行動を起こした。私財を投じて弾道学や科学捜査の専門家を雇い、個人的に捜査を続けたのだ。なにしろ警察が当てにならないのだから。更に、国が起訴してくれないため、2010年には検察官の役割を果たす弁護士を雇い、個人でヘンドリクスを起訴した。

えっ? 個人が刑事訴追できるの?

2015/04/06

大統領府までジョーク 今年のエイプリルフール

先週の水曜日のことだ。いつものように、朝7時から始まる太極拳のクラスに出かけたところ、医療健康関係のジャーナリスト、マリカが近寄って来た。

「お早う」もそこそこに、「あなた、ロニー・カスリルズ、知ってる?」

ロニー・カスリルズ(Wikipedia
ロニー・カスリルズ(Ronnie Kasrils)といえば、有名な反アパルトヘイト活動家。1938年11月15日生まれ。19世紀末、曽祖父母がラトビアとリトアニアから南アフリカに移民してきたユダヤ系だ。1960年に解放運動組織ANC(アフリカ民族会議)のメンバーになり、1962年マンデラと共にANCの軍事部門MK(ウムコントウェシズエ)を設立。1994年の第1回民主総選挙でANCが大勝した後、副国防相、水資源森林相、諜報相を歴任。

そのカスリルズが一体・・・?

彼ほど反ユダヤ的なユダヤ人はいないわ。

確かにロニー・カスリルズはイスラエル政府に批判的、パレスチナに同情的な態度を表明している。

ユダヤ系といっても色々だが、マリカはイスラエル政府信奉者。宗教的には温厚なのに、政治的には狂信的。イスラエル政府が彼女の宗教みたいなもの。パレスチナ問題に関しては「イスラエルが100%正しく、パレスチナが100%悪い」という、議論の余地のない意見を持つ。

「太極拳に来る途中、イスラエルのニュースを仕入れるため、毎朝カイFMを聞いてるんだけど・・・」

カイFMChai FM)はユダヤ系のコミュニティーラジオだ。

「今朝のトップニュースで、ロニー・カスリルズのカバー(カムフラージュ)がバレタ、って言うじゃない。」

???

本当はモサドのエージェントなんだって!