「私の節水努力よ。洗濯機の水を水洗トイレに再利用!」との説明付き。
南アフリカは全国的に水不足。特に、冬が雨期のケープタウンでは、去年も一昨年も冬に殆ど雨が降っていない。ノムヴラ・モコニャネ(Nomvula Mokokyane)水資源大臣によると、「400年振りの大旱魃」。(400年も統計を取っているはずはないと思うけど。。。)
各州のダムの貯水状況を見てみよう。
(出典:2018年1月28日付Sunday Times) |
首都プレトリアや南ア経済の中心地ジョハネスバーグが位置するハウテン(Gauteng)州は昨年86.5%、今週は94.1%。全国一の貯水状況だ。
しかし、それでも手放しで喜べるレベルではないらしい。ジョハネスバーグでは現在、午前6時から午後6時まで、庭に水をまいてはいけないという制限がある。冬の間雨が降らないので、夏にダムの貯水率が94%だからといって、安心してはいけないのだろう。(南半球は現在夏。)
ケープタウンが位置する西ケープ州は全国最低。昨年39.7%、今週はなんと25.3%にまで落ちている。
ケープタンでは夏に雨が降らないため、このままでいくと、4月12日に「デイ・ゼロ」(Day Zero)を迎える計算という。蛇口から水が出なくなる日だ。
現在、ケープタウン市民が使ってよい水の量は、1人1日87リットル。といっても、強制は不可能なので、市民の良心に任せるしかない。実際、87リットル以下の水を使っているのは、ケープタウン市民の半数以下、41%にすぎない。オリンピックサイズプール35個がいっぱいになるくらいの水を、毎日使いすぎている計算になるという。危機感がない市民が多いのだろうか。
2月1日から、1日の使用許容量は1人50リットルに減る。
50リットルといわれても、ピンとこない。どのように使えばよいのだろう?
目安はこちら。
(出典:2018年1月28日付Sunday Times) |
飲み水2リットル、料理に2リットル、歯磨きなどの衛生に2リットル、シャワーは90秒15リットル、皿洗いと洗濯に11リットル、水洗トイレに18リットル。
シャワー90秒というのは、お湯を流しっぱなしにせず、体を濡らした後お湯を止めて頭や体を洗い、石鹸やシャンプーを流すためにまたお湯を出す、という方法だろう。道理で冒頭の友人が年末泊まりに来たとき、「ちゃんとシャワーが浴びれて嬉しい!」と感激していたわけだ。
ケープタウンでは海水を脱塩して真水化する工場を建設予定とのことで(えっ、今までなかったの?)、それに加えて市民が節水に努めれば、デイ・ゼロを延期できる可能性はある。それどころか、うまくいけばデイ・ゼロの到来を避けることができるかもしれないと専門家は言っている。
ケープタウンの皆さん、大変でしょうが、節水に努めてくださいね。
【参考資料】
"Urgent plans to avoid Day Zero", "You're using way too much water, Cape Town", Sunday Times(2018年1月28日付)など
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