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2017/12/14

トランプ大統領誕生までを振り返る(3)トルドーの気配り組閣 トランプの「ワニで沼地を満たす」組閣

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の第3弾は、『トルドーの気配り組閣 トランプの「ワニで沼地を満たす」組閣』(2016年12月21日)。

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カナダの首相がかっこいい。ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)。フランス語読みではジュスタン・トリュドー。1971年クリスマス生まれの、もうすぐ45歳。去年第29代首相に就任したときは弱冠43歳だった。父親は第20・22代首相のピエール・トルドー。父親が首相だったときに生まれ、一旦は教鞭を取るものの、父の死後政界入りした。

見た目は「いいとこのお坊ちゃん」風キュート。これまで何度かインタビューを聞いた限りでは、頭脳明晰で進歩的、ユーモアがあり温かみに溢れる。「私はフェミニスト」と公言し、女性の地位向上に理解がある。堕胎に関しては「プロチョイス」(pro-choice)、つまり当事者である女性に選択の権利があるという立場。

大麻の合法化に賛成。大麻の普及を促進したいわけではなく、合法化することによって、子供たちを公に守り、違法麻薬販売で儲けている犯罪者を一掃することが目的という。また、これまでないがしろにされてきた、先住民の保護・援助にも力を入れている。更に、先進国の間で反難民感情が高まる中、人道的な立場から難民の受け入れに熱心である。

トルドー首相の理念は、組閣にはっきり表れている。適材適所、半数以上が女性(首相を除く閣僚29名のうち15名)、国の多様性を反映(シーク教徒4名、先住民2名など)、障害者2名、地域バランスへも配慮(全州から閣僚を選出)・・・。気配りの細かいこと!

トルドー首相(最前列中央)と閣僚たち

2016/07/05

カナダの森林火災救助に駆けつけた南アの消防士 ほとんど働かないままスト

2016年5月1日、カナダのフォートマクマレー(Fort McMurray)で森林火災が発生した。5月3日には住宅街に広がり、約2400軒の家屋やビルが焼失。住民は安全を求めて逃げ出し、アルバータ州史上最大の避難民が生まれた。火災はその後も広がる一方。収まったのは6月中旬に雨が降ってのことだ。カナダ史上、最も被害総額が大きい自然火災となった。

避難する住民(Wikipedia


南アフリカの消防士301名が2週間の救助に駆けつけたのは6月上旬。エドモントン国際空港で歌い踊る雄姿が報道され、なかなか頼もしかった。



ところが、救援活動5日目の6月8日、南アの消防士たちはストに突入してしまう。民間企業の労働者はもとより、人命を預かる看護婦や、教育を司る教師や、囚人の警備に当たる看守や、市民の生活を守る警察官まで平気で違法ストをするお国柄とはいえ、異国の苦境を救うために派遣されていながら、仕事をそっちのけでストライキとはよほどの事情があったのだろうか。

・・・と思ったら・・・

2013/09/24

ヘクター・ピーターソンを抱えた少年がカナダの刑務所に!?!

南アフリカを物語る写真で一番有名なのは、サム・ンジマ(Sam Nzima)による「ソウェト蜂起」(Soweto Uprising)時のものではないか。死にかけたヘクター・ピーターソン(Hector Pieterson)を別の少年が腕に抱えて走る。少年の顔は苦悩に歪んでいる。隣で泣き叫びながら走るのは、ヘクターの姉アントワネット(Antoinette)。

South African History Archive
 1976年6月16日のことだ。「中学校の授業をアフリカーンス語と英語1対1で教える」という政府の新方針に反対して、子供たちがデモを行った。場所はジョハネスバーグに隣接する黒人居住区「ソウェト」。

人種の格付けがはっきりしていたアパルトヘイト時代、白人の言葉であるアフリカーンス語と英語の2言語が公用語だったが、誰もがそのふたつをバイリンガルに話していたわけではない。白人でも、英系は英語を、アフリカーナはアフリカーンス語を第一言語とした。

国民の大多数を占める黒人にとって、アフリカーンス語も英語も第一言語ではないが、住んでいる地域の白人の言葉を話す傾向にあった。首都プレトリアはアフリカーナが多いので、その近辺に住む黒人は英語よりアフリカーンス語が得意だったが、経済の中心ジョハネスバーグは英語が中心。従って、ジョハネスバーグに隣接するソウェトでは、英語の方がよく話される。

それを突然、現地で使われる言語とは関係なしに、授業をアフリカーンス語と英語で行い、アフリカーンス語での試験もあるというのだ。「国語」の授業ではない。理科とか算数とか地理とか歴史とかの授業を、よく理解できないアフリカーンス語で行うというのである。授業を行う先生だって、アフリカーンス語が話せない人が多いのに。。。大体、アフリカーンス語はアパルトヘイトを推進する「抑圧者」アフリカーナの言語である。

2012/03/04

マンデラ カナダでは未だ「テロリスト」扱い

「私はこういう人間だ」という「自分像」と、他人から見た「私」が違うのはよくあること。一般に「義賊」と形容されるロビン・フッドでも、金品を奪われた被害者にしてみれば、とんでもない「悪党」に違いない。

南アフリカの現与党「アフリカ民族会議」(ANC)は、人種差別撤廃を求める「解放運動」(liberation movement)だった。運動に身を投じた人々は「解放運動家」であり、「自由の闘士」(freedom fighter)を自認した。

国民が自国政府に対し、基本的人権を求めるのは当然、と私たちは思う。破壊工作を行ったこともあったが、それもアパルトヘイト政権の厳しい弾圧に遭ってのこと。

右の頬をぶたれて、左の頬を差し出すのは美しい行為かもしれないが、相手が同じ土俵に立っているのでない限り通用しない手だ。ずっと強大で、妥協の余地のない相手だと、頬が赤く腫れるどころでは済まない。半殺し、いや、下手をすると殺されてしまう。

世界中から非難されたアパルトヘイト。国際連合は「人類に対する犯罪」(crime against humanity)と呼んだ。「アパルトヘイト政権」=「悪」、「解放運動」=「善」という、単純な色分けが「常識」となっているように当時は思えた。

ところが、「アパルトヘイト」を非難する多くの先進国政府にとって、それは「常識」でも何でもなかったのである。