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2014/09/09

「エージェント・マドンセラ」!?! 政府の汚職・不正を指摘するのは「CIAのスパイ」 副国防相が糾弾

南アフリカの副国防相ケビー・マパツォセ(Kebby Maphatsoe)によると、現在の南アフリカで最も尊敬されているツリ・マドンセラ(Tsuli Madonsela)は「CIAのスパイ」だという。その任務は「与党ANCと政府を弱体化させ、アメリカ合衆国の傀儡政権を南アフリカに樹立すること」。(一体、何のために・・・?)

ケビー・マパツォセ(IOL News
マパツォセは9月6日(土)、ソウェトのイベントでこう語った。

「ANCをハイジャックさせてはならない。我々はANCを守るために闘う。ツリは誰が自分のハンドラーなのか、告白すべきだ。」

2014/08/31

南アフリカの良心、ツリ・マドンセラ マイリー・サイラスのパロディ

南アフリカの与党ANC(アフリカ民族会議)は、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領を頂点として腐敗しきっている。総選挙が完全比例代表制であるため、政治家は「有権者」や「地元」を考える必要がない。党内の力関係が全てなのだ。能力も必要な資格もないのにコネだけで職を得た官僚が、国政だけでなく州政府や市にも溢れている。地方・中央政府の仕事は、与党にコネのある人々が経営する会社にばらまかれる。その会社に能力や実績がなくても関係ない。政治の腐敗が波紋のように広がり、教育、医療、福祉、インフラなど国民の生活の隅々まで悪影響を与えている。

2002年に設立された、捜査・検察の両方の権限を持つ「スコーピオンズ」(Scorpions)は、大規模の組織犯罪や汚職を次々と暴き、有罪判決率が90%という超有能な特別捜査班だったが、あまりに優秀なため、有力政治家やその友達たちや腐敗した警察に憎まれ、2008年に解体されてしまった。

良心的な裁判官や官僚がいないことはないが、ANC政権にインパクトを与えるほどではない。政治に関しては明るいニュースがなく、「南アフリカに正義はないのか!」と暗い気持ちになることが多い中、唯一、光を放っているのがツリ・マドンセラ(Thuli Madonsela)。

iol news
1962年9月28日、ジョハネスバーグ生まれの法廷弁護士。スワジランド大学で文学士号(法律専攻)取得、ヴィットヴァータースランンド大学で法学士号取得。アパルトヘイト時代は当時解放運動団体だったANCやUDF(統一民主前線)に参加。民主国家南アフリカの憲法最終草案を作成したメンバーのひとり。

2009年、「Public Protector」に任命される。南アの「パブリックプロテクター」は英国やスカンジナビア諸国のオンブズマン(ombudsman)に相当し、政府・国家機関・国家公務員などの違法行為・横暴に対する国民の訴えを受理・調査するのが仕事。

ツリは目を見張るほど有能である。公正・公平である。権力に屈しない。マンデラ亡き後の南アフリカの「良心」「正義」を体現している。

だから、与党ANCに憎まれている。ツリを任命したズマ大統領は、さぞかし後悔していることだろう。

2014/04/28

「ANCには投票しない」「マディバが死んでいて良かった」 マンデラの盟友、ツツ大主教がきっぱり

1994年4月27日、南アフリカで初めての、全人種参加総選挙が行なわれた。4月27日は「フリーダムデー」(Freedom Day)、「自由の日」として国の祝日になっている。

総選挙は5年に一度行われる。20年目の今年は、5月7日(水)が投票日。

第一回総選挙後生まれた若者は、「ボーンフリー」(born free)世代と呼ばれる。民主国家に生を受けた、生まれつき自由な世代である。南アフリカでは18歳で投票権を得るため、今回初めて、ボーンフリー世代が総選挙で投票することになる。投票するには事前登録が必要になるが、期限までに登録したのはボーンフリー世代の有権者約190万人中64万6313人。僅か3割。

因みに、20歳代の登録率は6割。ボーンフリー世代の倍だ。30歳以上の登録率はなんと9割!

アパルトヘイトが終わり、新政権への期待が高かった頃は殆どの人が登録したが、一党独裁体制で汚職にまみれたANC(アフリカ民族会議)に対する失望や、一部の有力者に富が集中し、多くの庶民の生活が一向に向上しないことへの怒りと諦めから、「投票しても無駄」感が次第に広まったのだろう。更に、登録しているものの、投票には行かない人が多いと懸念されている。

2013/01/29

国の現状を憂うのは「国家反逆罪」? 「民主主義」政権の不思議な言い分

2013年1月17日、南アフリカの大手銀行「FNB」(ファーストナショナルバンク First National Bank)が大キャンペーン「You Can Help」(君も力になれる)を開始した。南アフリカの将来を担う子供たちに、この国の未来に関する夢や希望や思いを語ってもらおうという趣向。

テレビコマーシャルというと、代理店が周到に準備し、依頼主が承認した台本に従って撮影するのが常だが、FNBのキャンペーンは斬新そのもの。子供たちが自分の言葉で語る映像を、テレビやウェブサイトで生放送するというのだから。

「普段あまり耳にしない子供たちの声に、今こそ耳を傾けるべきだ。私たちが今日、築いている南アフリカを明日引き継ぐのは、子供たちなのだから」というFNB。日々の生活に影響を与えるものについて語る場を子供たちに提供することにより、「より良い生活・国作りを目指すブランド」というイメージを作り出すことがキャンペーンの目的。いずれも、もっともであろう。

2012/05/25

ズマのパロディアートに 与党ANC激昂(げきこう)

南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領は、その特異な風貌や、品行の放埓さや、金銭感覚のなさや、汚職疑惑・温情主義や、政治家としての無能さのお蔭で、風刺漫画家にカッコウのネタを提供してきた。しかし、顔に品性がないせいか、肖像画や銅像が山ほどあるネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)とは違い、アートには縁が薄かった。

ところが、ついに、ズマの肖像画が! それも、南アフリカの現代アート画廊の最高峰「グッドマン・ギャラリー」(Goodman Gallery)に!

・・・でも、

やっぱりパロディだった。。。

題名は『The Spear』。「槍」である。銃のホルスターのようなものに、ペニスがぶらさがっている。ズマのだらしない女性関係批判? ズマのテーマソング「マシンガンを持って来い」にひっかけた? 与党「アフリカ民族会議」(ANC)が解放組織だった時代の軍事部門「ウムコントウェシズウェ」の英訳「Spear of the Nation」(民族の槍)から? 色々、考えさせる。

2012/04/29

18歳になった南アの民主主義を再考する デズモンド・ツツ大主教のメッセージ

2005年取材時。インタビューはお祈りから始まる。
1994年4月27日、南アフリカで史上初めて、全人種が参加した総選挙が実施された。翌年から、4月27日は「自由の日」(Freedom Day)として、国民の祝日に制定された。

あれから18年。南アの歴史に残る画期的な日に生まれた赤ちゃんは18歳の誕生日を迎え、選挙権を持つようになった。

「自由の日」は一般国民にとって歴史的意味を失い、単なる休日のひとつになっている。5月1日が「労働者の日」(Workers' Day)で祝日だから、大型連休の絶好のチャンス。今年の場合、4月30日の月曜日に休暇を取れば5連休だ。

しかし、アパルトヘイトに反対した功績で、1984年にノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)大主教は、南アの民主主義を再考する良い機会、という。

以下、4月29日付「サンデータイムズ」紙の一面に掲載された、ツツ大主教のメッセージを全文訳す。

2011/12/22

AP通信とロイターがマンデラをスパイ? 警察が監視カメラを撤去 根拠はアパルトヘイト時代の法律

マンデラが故郷のクヌ村に移ったのは今年7月。93歳の誕生日を前にしてのことだ。

2010年のサッカーワールドカップ閉会式以来、公の場に姿を見せていない。寝たきりながらも、元気らしい。とは言え、さすがに高齢。しかも、近年衰えが目立つ。次に南アフリカが世界的なニュースになるのは、恐らくマンデラが死亡した時。当然のことながら、多くの報道機関が準備に余念ない。

AP通信がマンデラ邸の道路向かい、ノクワネレ・バリズールー(Nokwanele Balizulu)さん宅にCCTVカメラを設置したのは6年も前の話。ロイターも2か月ほど前、やはりバリズールーさん宅にカメラを設置した。

このカメラが「法律違反」として、最近、南ア警察の特別捜査班に撤去された。

2011/11/23

南アフリカ民主主義の死

2011年11月22日火曜日。

ズマ大統領が楽しそうに歌を口ずさみながら、「民主主義」(DEMOCRACY)と書かれたキャンバスを、「機密」(SECRECY)という黒いペンキで塗りつぶしている。『タイムズ』(The Times)紙に掲載されたザピロ(Zapiro)による風刺漫画だ。



2011/05/10

治安相の妻 麻薬密輸で12年の実刑判決

2008年5月21日、31歳になって間もないテサ・ビアトガ(Tessa Beetge)は、希望に満ちてジョハネスバーグの空港を発った。幼い子供ふたりを抱えて離婚し、失業中だったテサに、かつての長年の隣人で、前年再会したシェリル・クウェレ(Sheryl Cwele)が職を紹介してくれたのである。

ロンドンで2週間働くだけで、2万5千ランド(30万円)の報酬。交通費も払ってもらえる。高卒のテサにとっては美味しすぎる話だが、シェリルの夫シヤボンガ・クウェレ(Siyabonga Cwele)は与党ANC(アフリカ民族会議)の大物で、諜報相という重職にある。シェリル自身も市役所の部長クラス。テサの出発前には、両親がシェリルに会いに市役所へ出向いた。疑う理由はない。メールやSMS(携帯電話の短いメッセージ)も優しい言葉と愛情に溢れている。

こんなに親切で、面倒見が良く、コネのある「おばさん」に巡り合えたなんて、ラッキー!と内心思ったことだろう。

ところが、ロンドンに向かうはずだったテサは何故かニューヨーク経由で南米へ送られ、6月13日サンパウロ空港で逮捕される。手荷物から10キロのコカインが見つかったのだ。

2010/08/05

元警察長官 汚職容疑で有罪 15年の実刑判決

南アフリカの元警察長官ジャッキー・セレビ(Jackie Selebi)に、15年の実刑判決が下った。容疑は汚職。

1950年ジョハネスバーグ生まれ。ハンガリーやザンビアで亡命生活を送り、1980年代後半に解放運動組織「アフリカ民族会議」(ANC)の幹部になる。ANCが大勝した94年の第1回民主総選挙で国会議員に。その後、国連大使、外務省事務次官の要職を経て、2000年に警察長官就任。たたき上げでない初めての警察長官、それも一党独裁の与党から送られた政治的任命である。2002年からインターポール(国際刑事警察機構)の副長官、04年には長官に就任し、世界の警察組織のトップに立った。セレビを汚職容疑で逮捕・起訴しようとした検察長官は、ムベキ大統領に停職処分を受け、後任のモトランテ大統領に解雇された。

これほどの権力者、それも警察長官の逮捕・起訴が実現したのは、ひとりの男の執念による。

ポール・オサリバン(Paul O'Sullivan)が南アの空港を管理するACSA(Airports Company South Africa)の警備担当になったのは2001年。密輸や盗難など犯罪の多いジョハネスバーグの空港の警備刷新に力を入れた。全く無能な警備会社が不正な方法で契約を得たことを発見し、契約を破棄。ところが、警備会社の社長が友人のセレビに泣きついたのである。セレビが「なんとかする」と約束した直後、オサリバンの命が狙わ始める。圧力に屈しなかったら、ACSAから解雇されてしまった。

オサリバンはあきらめなかった。命の危険に晒され、結婚生活が破たんしても、家族の身を守るため海外に移住させ、私財を投じて調査を継続。セレビが国際犯罪組織のボスで麻薬王、グレン・アグリオッティ(Glen Agliotti)と近い関係にあり、1990年から賄賂を受け取っていたことをつきとめた。家族の医療費から、奥さんのルイヴィトンのハンドバッグ、多額の現金まで。2000年以降だけで、120万ランド(1560万円)の現金を渡したと、アグリオッティが証言している。麻薬といえば密輸がつきものだから、空港の警備はアグリオッティにとって死活問題だった。ムベキ大統領は、大物犯罪者の庇護にある者を警察長官に任命していたわけだ。

アグリオッティとの関係がマスコミで大きく取り上げられても、セレビは「彼は友人。私の目の前で犯罪を働いたわけではない」などとうそぶくばかり。与党ANCと大統領を後ろ盾にしての強気の態度。

だが、動かぬ証拠を元に、検察は2007年9月、現職の警察長官を起訴。大統領はしぶしぶ、2008年1月、セレビを休職処分に。しかし解雇はせず、任期終了まで給料を支払うという甘い処分だった。2008年9月のムベキ失脚は、セレビにとって大きな痛手だっただろう。

現職警察長官の逮捕、起訴、有罪判決は、民主主義の勝利と見るべきか、それとも、大統領の後ろ盾を失った権力者の失墜と見るべきか。

また、警察長官の逮捕・起訴が可能になったのは、検察のエリート捜査機関「スコーピオンズ」の健闘のおかげだが、次から次へと政治家や権力者の汚職・犯罪を暴いたスコーピオンは、優秀すぎて恨みを買ったせいか廃止され、その捜査機能は「ホークス」として警察に移されてしまった。

更に、執拗に報道を続けたメディアの役割も見逃せない。だが、政府を批判し、汚職を追及するメディアに、与党は不快を隠さない。つい最近も、南ア共産党書記長でANC幹部でもあるブレード・ンジマンデ高等教育相が、南アのメディアを「ブルジョアメディア」「野党の延長」「民主主義への脅威」と呼び、メディア規制機関の設立を求めている。

どこへ行くのか、南アの民主主義。

一方、ハリウッド映画の主人公並の活躍をしたポール・オサリバン。次の標的は、ターボ・ムベキ元大統領、と鼻息が荒い。悪名高い南アの犯罪を取り締まるトップが汚職にまみれていたにも拘わらず、大統領が庇い続けたためにセレビの逮捕・起訴が遅れ、その間の犯罪防止・捜査が滞った罪を問うという。セレビは控訴する予定だ。