ジンバブエの独裁者ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領がこけた。エジプトで開催されたアフリカ連合(African Union)総会で新議長に就任し、2月4日、意気揚々と帰国。空港で演説を行った後、ひな壇から下りる途中で、赤カーペットに躓いてしまったのだ。
映像は世界中のニュースで流れてしまったものの、写真の流出だけでも食い止めようとしたのか、現場にいたスチールのカメラマンたちは画像を消去するよう警備員に要求されたという。また、27人もの警備員が停職処分になったという報道もあった(ジンバブエ政府は否定)。
国のお抱えカメラマン、ジョセフ・ニャダヨ(Joseph Nyadzayo)は自分が撮った写真を政府のプロパガンダ新聞『ヘラルド』(Herald)紙に届けた。新聞の上層部は「絶対使ってはならない!」。なのに、全国紙に掲載されてしまった。どこかで行き違いがあったのか、それとも、写真があまりに秀逸なため、編集部員たちが誘惑に勝てなかったのか。。。
『ヘラルド』紙の編集部員3人が大目玉を食らったらしい。
ジンバブエ政府は火消しに大わらわ。『ヘラルド』紙の姉妹紙、『サンデーメール』(Sunday Mail)紙曰く、
「ムガベ大統領は、精神的に機敏であるが故に、反射的に転倒のショックを和らげることが出来、また、身体的にフィットしているが故に、全く怪我をすることなく歩き去ることが出来た。」
「この出来事により、ジンバブエ人が何故一貫してムガベ大統領に投票し続けるのかが証明された。大統領はこれまでにも増して、精神的に機敏であり身体能力に優れている。」
「ムガベ大統領が一線から身を引く時が来たなどと示唆するのは、馬鹿者だけである。」
そろそろ91歳の老人なのだから、躓いて転ぶことがあっても不思議ではないのに、ムキになっているのが痛ましい。
一方、政府にコントロールされていない『スタンダード』紙は、
「若い老人のふりをしても、ムガベのためにならない。」
「引退してくれれば、ムガベ自身とジンバブエ国民に大きく貢献する。」
それにしても、想像をかき立て、創造を生み出すポーズである。あっという間に、インターネット・ミーム(internet meme)化したのも不思議はない。検索したら、50近くあった。政治批判をチリバメタものから、単に笑いを誘うものまで、よく思いついたなあ。
例えば、明らかなムガベ批判は・・・