2015/02/12

国の惨め度と国民の幸せ度

人の幸せなんて、主観的なものだ。貧困にあえぎ、明日の食事されおぼつかない人は「お金さえあれば・・・」と切望するかもしれない。寄って来る人はすべて金目当てと思い込み、孤独をかみしめる超大金持ちは「お金さえなければ・・・」と嘆くかもしれない。肥満に悩む人は痩せることを夢見るかもしれないし、超痩せの男性は「もっと筋肉があれば」と鏡を見る度に溜息をつくかもしれない。

南アフリカは世界有数の惨めな国だという。アメリカのケイトー研究所(Cato Institute)が2015年1月に発表した、2014年度の「世界悲惨指標」(World Misery Index)で10位という不名誉なランキングを獲得した。

リストを作成したのはジョン・ホプキンス大学のスティーブ・ハンク(Steve Hanke)教授。「どの国も、低いインフレ率、低い失業率、低い貸出金利、そして1人当たりのGDPを増やすことを目指している」から、この4つを使って各国の惨め度を計算したという。

計算式は「(失業率)+(貸出利子) +(インフレ率)-(国民一人当たりの実質GDPの変動率)」。この4種類のデータを公表している国だけが対象になるため、2013年度は89か国、2014年度は108か国のランキングとなっている。

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 2014年度「世界で最も惨めな国」トップテンは、

1.ベネズエラ(106.03)
2. アルゼンチン(68.00)
3. シリア(63.90)
4. ウクライナ(51.80)
5. イラン(49.10)
6. ブラジル(42.79)
7. サントーメ(42.06)
8. セルビア(40.32)
9. ジャマイカ(39.85)
10. 南アフリカ(39.16)

惨めでない方のトップテンはというと、

1. ブルネイ(4.94)
2. スイス(5.39)
3. 中国(5.69)
4. 台湾(5.91)
5. 日本(6.18)
6. 韓国(6.86)
7. ノルウェー(7.22)
8. マレーシア(7.36)
9. シンガポール(7.44)
10. ドイツ(7.62)

えっ? 日本が世界で5番目に惨めでない国?

驚いてはいけない。2013年の調査では、日本は世界で最も惨め度が低い国だった。つまり、「世界一恵まれた国」ということだろうか。

勿論、経済的に恵まれた国に住んでいることと、個人が幸せと感じるかどうかは別問題。悲惨度が高い国に生まれ育っても、幸せな人だっているだろう。

例えば、南アフリカ最大の市場調査会社「アスクアフリカ」(Ask Afrika)によると、2014年12月の電話による調査で、南ア人の80%が「幸せ」(happy)と答えた。世界平均より10%も高い。更に、南ア人の81%が「国のために武器を取る」という。世界平均は60%。

アフリカの人々は概して幸せだ(83%)。また、世界で一番幸せを感じている国民はフィジー人(93%)。逆に、世界で一番幸せ度が低いのはイラク人とのこと。

(参考資料:2015年2月6日付「The Times」、2014年5月23日付「BusinessTech」、2015年1月30日付「BusinessTech」)

【関連ウェブサイト】
Cato Institute
Ask Afrika

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