2015/02/26

めっきり痩せたズマ大統領 第2夫人が毒を盛った!?!

副大統領として国政の表舞台に登場した1999年以来、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)は無数の政治風刺漫画に登場している。トレードマークはメガネ、禿げ頭、肥満体。HIV陽性のレズビアンの女性をレイプした容疑で法廷に立ち、「シャワーを浴びたから感染の心配はない」などと発言して以来、頭の上にシャワーがついた風刺画も多い。

ぽっちゃりした政府公式写真

ところが、ズマ大統領の容貌が去年半ばから変わった。めっきり痩せてしまったのだ。それも健康的な痩せ方ではなく、げっそりしている。原因はなんだろう。激務のためか、病気に罹ったのか、それとも家庭内問題の心労からか。妻ナンバー2とナンバー3の仲が悪いことは有名だし、20人を超える子供たちや無数の家族・親戚が色々たかってくるのに対応するのも大変だろう。。。

2014年9月の写真。別人のようにやつれている(Business Day

サンデー・タイムズ』紙が一面トップでスクープしたところによると、妻ナンバー2のノムプメレロ(Nompumelelo)がズマを毒殺しようとして、ズマ邸から追放されたという。とすると、激ヤセの原因は毒の作用?

昨年6月7日、ズマは突然具合が悪くなり入院した。10日後、国民の前に現れたのは、別人のようにやつれた姿。ブラジルでのサッカーW杯開会式は欠席した。前回の開催国大統領として、ブラジル大統領に引継ぎをするという大切な役目があったというのに。8月3日バラク・オバマ大統領の招待でアメリカに行った時も、まだ具合が悪かったという。頭がぼーっとして、亡くなった母親のことを、まだ生きているかのように話したりしたらしい。

原因は毒じゃないかな、と言い出したのはアメリカの医者。それを聞いて、アメリカ人を信用しないズマはロシアに飛んだ。ロシア人医師の診断も同じだった。

ロシアから帰国後、かかりつけの医者ハロルド・アダムズ(Harold Adams)が解任された。誤診をした上、間違った薬を処方して症状を重くした責任を取らされたのだ。(アダムズは否定。)

では、毒を盛ったのは誰か?

ズマが疑ったのは家族。ズマは元々、自分を標的とした陰謀が渦巻いていると信じるパラノイア。だから、食事にアクセスできるのは家族だけだという。そして、疑惑はここ数年不仲が取り沙汰されているノムプメレロに向けられた。

ノムプメレロが幸せの絶頂だったであろうズマとの結婚式(Times Live

ふたりの亀裂が初めて表に出たのは2009年、ノムプメレロが3人目の子供を妊娠した頃だ。父親はズマではなく、ボディーガードのピンダ・トモ(Phinda Thomo)だと囁かれた。トモは自殺。(自殺に見せかけた他殺の疑いが濃厚。)ノムプメレロは不品行の罰として、2010年4月、山羊を1頭ズマに差し出すことを命じられた。8月に生まれた子供をノムプメレロは「コルワニ」(Kholwani)と名付ける。ズールー語で「信じて!」を意味するという。

2010年1月、ズマは3人目の妻トベカ(Thobeka)を娶る。(自殺したケイトと離婚したンコサザナを含めると、5人目の妻。)第1夫人のシザケレ(Sizakele)は自分と親子ほども年が離れたズマの世代だから、女としてのライバルではない。ところが、自分と同じ30代の女性と結婚する、とズマが言い出した。怒り狂ったノムプメレロはセキュリティ用ゲートをぶち壊し(かなりの怪力の持ち主とみた)、ズマをガードしていた警察官たちとひと悶着起こした。それでも気が済まなかったと見えて、ノムプメレロはズマとトベカの結婚式に出席しなかった。これはかなり無礼なことらしい。(私だったらやっぱり出席しないだろうが、その前にズマと結婚もしなかっただろう。)

左からノムプレメロ、トベカ、ズマ、シザケレ(eNCA

2014年1月、29歳のタンザニア人スティーヴン・オンゴロ(Steven Ongolo)が「トモとの不倫をばらす」とノムプメレロを脅迫したことを告白。ノムプメレロから口止め料20万ランド(約200万円)を受け取ったという。オンゴロは逮捕され、有罪になった。ということは、やっぱり不倫は本当だったんだ。

ノムプメレロは昨年のクリスマスと大晦日、ンカンドラのズマ私邸内にある自分の家で過ごした。クリスマスの家族行事には参加しなかった。今年1月ズマ邸を去り、現在はダーバンで3人の子供と暮らしている。大統領の年頭議会演説には出席せず、大統領の海外旅行同伴者リストからも外された。

2014年8月のズマ訪米時はノムプメレロが同行した(DRUM

・・・ここまで書いて、馬鹿らしくなった。これが一国の大統領とその家族・・・? そして、南アフリカ人の反応は「またか」、「やっぱりね」と冷めたもの。こんなことが安倍首相夫妻とか、オバマ大統領夫妻に起こったら、日本国中、アメリカ国中が大騒ぎであろう。艶聞にかけてはヒケを取らない(いや、ヒケは取っているか・・・)フランス大統領だって、浮気がバレて、パートナーと別れるのが精一杯。スケールが違う(って、自慢できるような内容ではないが・・・)。

ノムプメレロが本当に毒を盛ったかどうかは別として、ふたりの仲が終わってしまったのが事実なら、さっさと離婚して欲しいものである。なにしろズマ大統領夫人4人には、莫大な税金を使っているのだから。ズマの大統領第1期(2009-2014)、大統領妻の公務遂行に使われた税金は5450万ランド(5億4500万円)。妻4人ひとりひとりに秘書給料、航空券、ホテル代、携帯電話、パソコン、プリンター、公務に従事した日の日当などが支払われたのだ。因みに、ターボ・ムベキ大統領夫人ザネレ(Zanele)のために2005年から2008年までに使われた税金は710万ランド(7100万円)。妻たちはズマ大統領が引退後も、一生様々な恩恵を受ける。

しかし、たとえノムプメレロを離婚しても、国民の支出は減らないかもしれない。ズマ大統領は最近、「老後の面倒を見てくれる妻が必要」などど言い出したからだ。ノムプレメロ以外にも若い妻が2人もいるのに、である。いくつになっても女性に熱心なズマ大統領、その熱意を多少は国政に注いで欲しい。

(参考資料:2015年2月22日付「Sunday Times」など)

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