2011/12/02

「最後の独裁者」 ナンドーズ、またもや大ヒット作

ポルトガル風チキンのファーストフードレストラン「ナンドーズ」(Nando's)がまたもや大ヒット作を生みだした。といっても、メニューではなく、TVコマーシャルの話。

ファーストフードレストランというと、薄利多売。売り上げの量で勝負するためには、出来るだけ多くの人に来てもらう必要がある。そのため、ファーストフードレストランの広告は、家族層を狙った毒にも薬にもならないものになりがち。勿論、話題になるに越したことはないが、せいぜい登場人物のセリフとか、テーマソングに工夫を凝らす程度。政治批判なんてもってのほか。

ところが、ナンドーズは次から次へとやるのである。タイムリーで、ユーモラスで、ウィットの効いた政治批判を。大統領だろうと、有力政治家だろうと、怖いものなし!

今回槍玉に上がったのは、ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領。題して、「最後の独裁者」(The Last Dictator Standing)。

晩餐会用に準備されたテーブルの傍で、ムガベらしい人物が誰をどこに座らせるべきか、席順を考えている。ふと脳裏をよぎるのは、長年の友人たちと過ごした楽しい日々。。。

豪邸の庭で、カダフィと水鉄砲で遊んだ。(カダフィが手にしているのは、黄金のカラシニコフ。)
毛沢東とカラオケで歌いまくった。
浜辺でサダム・フセインと、大の字になって砂遊びをした。
PWブアタ(1980年代の南ア大統領)とブランコに乗った。
イディ・アミンとは、戦車の上で「タイタニックごっこ」をした。。。

流れるのはメリー・ホプキン(Mary Hopkin)のヒット曲「悲しき天使」(Those Were the Days, My Friend)。
Those were the days, my friend
We thought they'd never end
We'd sing and dance forever and a day
We'd live the life we choose
We'd fight and never lose
For we were young and sure to have our way

友よ。
いつまでも続くと思っていたあの頃。
朝から晩まで、歌って踊れると思っていた。
好きなように生きることができると思っていた。
闘いに決して負けることがないと思っていた。
若くて、なんでも思い通りになると信じていたから。
回想場面が終わり、招待客が誰も来なかったテーブルにひとり寂しく座るムガベ。かつての「独裁者仲間」たちは、もうこの世にいない。。。

そこで、ナレーション。

「一年のこの時期、ひとりで食事なんてだめ。
ナンドーズの6人用パックをお買い求めください。」
(This time of year, no one should have to eat alone. So get Nando's 6-pack meal for six.)

南アフリカは12月初旬から1月初旬まで、夏の休暇シーズン。クリスマス、お正月など、家族や友人と時間を過ごす時。それにひっかけたコマーシャルだった。



人名は一切出てこないし、モデルとなった独裁者たちに俳優が似ているわけでもないが、髭とか、髪型とか、服装などから大方の想像がつくようになっている。

狙い通り、ムガベ支持者はカンカン。法的にも、ムガベ大統領を「侮辱」するのは「犯罪」であるお国柄。ナンドーズでは抗議を受けて、コマーシャルの放映中止を決定したが、それはこれまでもやってきたこと。

既に、YouTubeでは100万回以上クリックされた。世界のメディアに取り上げられ、フェイスブックでのシェアも続いている。宣伝の目的は十分達しているのである。

ナンドーズにまたもや脱帽!

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