その田舎町ポチェフストルームが、「南アフリカ選挙で初めて票操作があった町」として歴史に残ることになった。これまでも票の不正操作はあったかもしれないが、公になったのは今回が初めて。
同市の市議会補欠選挙で、9つの議席が争われた。住民のうち選挙登録した人だけが投票できるのだが、約2500人の投票者が「怪しい」らしい。与党ANC(アフリカ民族会議)が他の町に住んでいる人を偽の住所を使って登録し、バスを何台も使ってこの町に連れて来て投票させたというのである。
普段あまり話題になることもないポチェフストルームだが、2012年末から2013年始めにかけても、政治の面でメディアを賑わした。
2012年11月、マペトレ・マペトレ(Maphetle Maphetle)市長の不信任案が37対12で可決された。市長はANC所属、不信任案を提出したのもANC。与党の内紛である。続いて、新市長を決める投票があり、野党DA(民主連合)のアネット・コンブリンク(Annette Combrinck)市議がANC反マペトレ派のラッキー・ツァガエ(Lucky Tsagae)を20対19の僅差で破り、北西州初のDA市長に選ばれてしまった。ANCの独断場である地方では異例のこと。ポチェフストルームの市議も、大部分がANC党員だ。
ANCのマペトレ(左)とDAのコンブリンク(「Daily Maverick」より) |
何故そんなことが起こったかというと・・・
マペトレ市長の支持者12名が不信任案が可決されたのに怒り狂って、引き続き新市長投票があるのを忘れ、議会を退出してしまったのだ! 議会に残ったのはANC市議20名と野党3党の市議20名。ANC議員である市議会議長が棄権しため、20対19という僅差で野党候補が勝ってしまったのである。ANCはとんだオオボケにより、市長の座を野党に譲り渡してしまった。サッカーで、自チームのゴールにボールを蹴り入れてしまうようなものである。
(3か月後、ANCはコンブリンク市長の不信任案を提出。今度はANC議員がちゃんと出席して、マペトレが市長に返り咲いた。)
今年は総選挙の年。選挙違反の話題には事欠きそうにない。
(参考資料:2014年1月27日付「Bubiness Day」、2012年11月27日付「Daily Maverick」など)
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