2013/03/29

ボツワナでバッファローを追う(3)ツノの生え方、群れの種類

コンセッションを離れ、チョべ川に着いたところで、400頭の群れに出会った。(これまでの話は、「ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関」、「ボツワナでバッファローを追う(2)第二の難関」で。)

(こんなに沢山。。。あの苦労は一体何だったんだろう。。。)

バッファローはオスにもメスにも、ツノが生えている。でも、よく見ると生え方が微妙に違う。

オスのツノは左右が頭の真ん中でくっついているが、メスのツノは左右が離れているのだ。生後一か月位で、ツノが生える位置に小さい突起が現れ、2歳くらいまで上に向かって真っすぐ伸び、それから次第にカーブを描くようになる。ツノが伸びるのは6歳くらいまで。その後は太く、ゴツくなっていく。成人男子は頭の中央がふたつの山のように盛り上がり、太くてゴツゴツした立派なツノを持つ。成年女子の頭部は平たく見える。

(オスとメス。違いがわかりますか? 耳が可愛い。。。)

ツノの違いに気がつくと、群れに2種類あることがわかる。

2013/03/20

ボツワナでバッファローを追う(2)第二の難関

雨季のバッファローは深い森の中で多くの時間を過ごすため、探すのがなかなか難しい。(ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関)時々、森の中のちょっと開けたところや道路で出くわすことがあるものの、撮影は困難を極めた。

こちらの姿を認めるや否や、数百メートル遠く離れていても、一目散に逃げるからである。「そこまで、嫌わなくても・・・」と悲しくなるほど。それどころか、どうやら車の音を耳にすると、その場所は注意深く避けているようだ。足跡は結構沢山あった。それでも、姿が見えない。

逃げ出すのは、バッファローだけではない。南アフリカの国立公園ではそれほど車を気にせずノンビリしているインパラやシマウマやキリンまで、車を目にすると怯えて走り出す。ウガンダやケニアの国立公園でも、こんなことはなかった。同じボツワナの、モレミ国立公園やチョベ国立公園でも、こんなことはなかった。象たちも必要以上に喧嘩腰だ。

その理由は間もなくわかった。

協力してくれた研究者、エミリー・ベニットさんの研究地域の多くは、狩猟地だったのだ!

2013/03/12

ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関

ボツワナで一か月のキャンプ生活を送った。目的は雨季のバッファローの生態を撮影すること。某テレビ番組の取材である。

ボツワナ共和国(Republic of Botswana)は海を持たない内陸の国。南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ザンビアと国境を接する。国全体が平らで、国土の70%がカラハリ砂漠。国土面積58万1730平方キロメートル(世界48位)、人口200万人強(144位)。人口密度は1平方キロメートル当たり僅か3.4人(229位)。

1966年に独立した時、一人頭のGDPは70ドル。貧しいアフリカ大陸でも、かなり貧しい国だった。その後、ダイヤモンドの発見、堅実な財政政策、海外からの経済・技術支援、安定した民主政治などのお蔭で急速な経済成長を遂げ、2011年の一人頭のGDPは1万6000ドルを超えている。また、アフリカで一番汚職の少ない国とされる。
(外務省資料から)

私たちはバッファローの研究で博士号を取得したイギリス人、エミリー・ベニット(Emily Bennitt)さんをアドバイザーとして、エミリーさんの研究地域に向かった。場所はカラハリ砂漠の北に位置する「オカバンゴデルタ」(Okavanngo Delta)の東側。サンタワニ(Santawani)からクワイ(Khwai)にかけた地域だ。

ところが、初日から思わぬ難関にぶつかってしまった。バッファローが見つからないのである。