2012/04/04

マンデラ家の秘蔵レシピ マンデラの料理人が初公開!

ネルソン・マンデラのために、20年以上料理を作って来たコリスワ・ンドイヤ(Xoliswa Ndoyiya)さんが、秘蔵レシピを本にして出版した。その名も『ウクチャ・クワセカヤ』(Ukutya Kwasekhaya)。コサ語で「家庭料理」を意味する。

東ケープ州のクイーンズタウン(Queenstown)生まれ。少女時代、お母さんとお祖母さんの台所で、トウモロコシや豆や、庭で採れた新鮮な野菜などを使っての家庭料理を学んだ。

成人してからジョハネスバーグに出てきて、ロストン家でメイドとして働く。その間、料理への愛に再び目覚め、ユダヤ系老人ホームで料理人となる。シェフになるコースも取った。そうこうしているうちに、マンデラの使用人だった同郷のグロリア・ノカンダ(Gloria Nocanda)さんが、同じコサ族のマンデラに、コリスワさんを料理人として推薦してくれたのだ。

1990年代末、マンデラ本人と面接。マンデラは優しく微笑みながら言った。「料理が得意だそうですね。私の家族のために、コサ族の料理を作ることができますか?」

「ウクチャ・クワセカヤ」(家庭料理)が作れる、と答えたたところ、その場で採用が決まった。

それ以来、コリスワさんはマンデラの私設料理人として、南アフリカのマンデラ邸だけでなく、マンデラが行くところは世界中どこでもついて行き、マンデラのために食事を作り続けた。

マンデラが一番好きなのは、シンプルな食事、そして伝統的な料理。朝はお粥、デザートは果物。自伝『ネルソン・マンデラ 私自身との対話』にも出てくるサワーミルクや、引き割りトウモロコシと豆で作るウングーショ(Umngqusho)など、昔ながらのコサ料理がお気に入り。

コリスワさんが作るのは、コサ料理だけではない。マンデラに雇われる前、ユダヤ料理をマスターした。また、マンデラに同伴して世界中を旅行したおかげで、インド、中国、アメリカ、それにアフリカ諸国の料理も学んだ。

コリスワさんの手料理にもてなされた有名人は数知れない。ビル・コズビー(Bill Cosby)、ダニー・グローヴァー(Danny Glover)、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)、オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)、ビル・クリントン(Bill Clinton)らはマンデラ家の常連だった。いつも食事の後、台所にやってきて、コリスワさんの料理を褒めてくれたという。

この本の副題は「Tastes from Nelson Mandela's Kitchen」=「ネルソン・マンデラの台所の味」。あなたも、マンデラが愛するコサ料理にチャレンジしてみては?

マンデラとコリスワさん(「The Times」から)


(参考資料:2012年4月4日付「The Times」など)

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