2013/03/12

ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関

ボツワナで一か月のキャンプ生活を送った。目的は雨季のバッファローの生態を撮影すること。某テレビ番組の取材である。(放送日が決まったら、詳細をお知らせしますね。)

ボツワナ共和国(Republic of Botswana)は海を持たない内陸の国。南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ザンビアと国境を接する。国全体が平らで、国土の70%がカラハリ砂漠。国土面積58万1730平方キロメートル(世界48位)、人口200万人強(144位)。人口密度は1平方キロメートル当たり僅か3.4人(229位)。

1966年に独立した時、一人頭のGDPは70ドル。貧しいアフリカ大陸でも、かなり貧しい国だった。その後、ダイヤモンドの発見、堅実な財政政策、海外からの経済・技術支援、安定した民主政治などのお蔭で急速な経済成長を遂げ、2011年の一人頭のGDPは1万6000ドルを超えている。また、アフリカで一番汚職の少ない国とされる。
(外務省資料から)

私たちはバッファローの研究で博士号を取得したイギリス人、エミリー・ベニット(Emily Bennitt)さんをアドバイザーとして、エミリーさんの研究地域に向かった。場所はカラハリ砂漠の北に位置する「オカバンゴデルタ」(Okavanngo Delta)の東側。サンタワニ(Santawani)からクワイ(Khwai)にかけた地域だ。

ところが、初日から思わぬ難関にぶつかってしまった。バッファローが見つからないのである。

オカバンゴのバッファローは、一年中大抵同じ場所にいる、東アフリカ諸国や南アフリカのバッファローと異なり、季節によって移動する。大湿地帯オカバンゴの複雑な風土に大きく影響されるからだ。

オカバンゴ自体に雨が降るのは、11月頃から2、3月頃まで。降水量が最も多いのは1、2月だ。その後、1、2月にアンゴラ高地で降った雨が1200キロの距離を下って到着。3月から6月にかけて、11兆リットルもの水が、250キロメートルx150キロメートルの範囲に広がるオカバンゴに流れ込む。水量は7月、8月にピークを迎え、湿地帯面積は3倍に膨れ上がる。つまり水量が一番多いのは、乾季なのである。その後、水量は雨季が始まるまで次第に減少し続ける。

雨季の始めからデルタの水量が減り始める8、9月頃まで、オカバンゴのバッファローは森に暮らす。森の中のパン(pan。大きな浅い水たまり)に水が溜まり、一日50リットルの水が必要なバッファローにも十分水がある。また、雨のお蔭で、森の中にバッファローが好む種類の草が若芽を出す。

しかし乾季になると、森の中のパンが干上がり、飲み水がなくなってしまう。栄養分の多い新鮮な草もなくなる。一年中生えている種類の草もあるが、雨の降らないこの時期は栄養に乏しい。

ところがうまくしたもので、デルタではこの時期、水が引いたところにおいしい若草が生える。湿地帯だから、当然飲み水も豊富にある。そこで、バッファローは森から出て、水が引いて出来た「フラッドプレイン」(flood plain。増水期だけ浸水する、開けた草原)に集まるのである。

一方、バッファローが雨季に暮らすのは、深いマパニ(mapani)の森だ。道は殆どなく、マパニの木が密集していて、四輪駆動車でも進むのが困難である。

道に群れが通った足跡や、遠くで歩いているバッファローを見つけても、跡を辿ることは至難の業。

しかし、私たちを待ち受けていた難関はこれだけではなかった。

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