2010/06/02

南アチームの秘密兵器 ブブゼラ

南アサッカー観戦の必需品といえば、「ブブゼラ」。プラスチック製、長さ約60センチのラッパだ。黄色など賑やかな色のものが多い。いかにも安っぽいが、バカにしてはいけない。便秘の象を思わせる、うっとおしい大騒音をかもしだす。

では、その威力やいかに。

最近ドイツの研究所で行われた比較実験によると、10センチの距離で123.9デシベル。スタジアムへの持ち込みが禁止されているエアホーンが123.2デシベル、VfBシュトゥットガルトのサポーターの歌声が121.4デシベル、カウベルが113.6デシベル、サンバドラムが110.5デシベルだった。ブブゼラの独り勝ちである。

因みに、飛行機のエンジン近くの騒音が120デシベル、前方2メートルの自動車の警笛が110デシベル、電車通過時のガード下が100デシベ ル、正面5メートルにいる犬の鳴き声が90デシベル程度。

人間の聴覚が耐えられる、騒音による苦痛の限界は、120デシベル。更に、100デシベルの騒音に15分さらされると、聴覚を害する危険があるというから、ブブゼラあっぱれ!と感心してばかりもいられない。

ひとつでも耳をふさぎたくなるほどうるさいのに、数万人が一度に鳴らしたら恐ろしいことになる。昨年のコンフェデ杯で、試合中絶え間なく響き渡るブブゼラに閉口した外国チームが、W杯でのブブゼラ禁止を提案したほどだ。

敵の戦意を削ぎ、戦略をかく乱することから、南アナショナルチーム「バファナバファナ」の「秘密兵器」「12番目の選手」と 評されることも。コーチのカルロス・パレイラは、スタジアムへのブブゼラ持参を南アファンに呼びかけている。

W杯のおかげで、以前はブブゼラに鼻もひっかけることのなかった高級 ショッピングモールでも、販売されるようになった。南アの国旗が描かれたW杯特別仕様や、ビーズ作 りの豪華版なども店頭を飾る。世界のファッションアイテムとなる日も近い?

(高級ショッピングモールに並ぶファッショナブルなブブゼラ)

(参考資料:2010年5月22日付「Saturday Star」など)

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