応募者が一番多かったのはアメリカ(24%)、次いでインド(10%)、中国(6%)、ブラジル(5%)、イギリス(4%)、カナダ(4%)、ロシア(4%)、メキシコ(4%)、フィリピン(2%)、スペイン(2%)、コロンビア(2%)、アルゼンチン(2%)、オーストラリア(1%)、フランス(1%)、トルコ(1%)、チリ(1%)、ウクライナ(1%)、ペルー(1%)、ドイツ(1%)、イタリア(1%)、ポーランド(1%)。残りは1%以下なのだろう。
マーズ・ワンは2011年に設立された非営利団体。創設したのはオランダ人のふたり。アドバイザーに日本人が入っている。広島大学の長沼毅(ながぬま・たけし)準教授。ウィキペディアによると、
極限環境に存在している珍しい細胞を探検する目的で研究者として南極、北極に派遣された経験がある。宇宙飛行士に憧れ宇宙開発事業団(現・宇宙航空研究開発機構)が募集する宇宙飛行士採用試験に応募。二次選考(準決勝)まで残るも落選した(採用者は野口聡一)。極地・僻地でのフィールドワークを中心とする研究を行っており、テレビ出演時には「科学界のインディ・ジョーンズ」と紹介されている。地球科学全般を研究対象としており、天文学や火山研究、地質学、気象学にも精通している。放送大学教養学部「太陽系の科学('10)」では分担講師と執筆(2/15回)を担当している。
火星移住民の公募が始まったのは、2013年4月。公募開始2週間で7万8千人もの応募があったとう。
昨年末、20万2586人の応募者は1038人に絞られた。うち、南ア人は25人。候補者数の多さは世界で9番目。 ハオテン州から選ばれた8人の名前と写真が、『スター』紙の一面に出ていた。
クアバスさん |
「これから35年間、交通渋滞の中でゆっくり死んでいくことに人生を費やすより、ずっと面白い。」「このプロジェクトの舞台裏では頭脳明晰で有能な人々が働いている。」「ノーベル賞受賞者や元ナサ職員がアドバイザーとなっている。」「彼らの専門知識を信じるしかない。」
ダーバン在住のアドリアナ・マレア(Adriana Marais)さんはやはり30歳。量子生物学を専攻する博士課程の学生だ。未知の世界への冒険を恐れていない。「自分のためではなく、人類全体のために犠牲なる覚悟が出来てる」ときっぱり。
次の選抜段階では参加の意思、ミッションの理解度、病歴などを厳しくチエックして、更に絞り込む。最終的には、各4人からなる6チームを作り、火星移住に向けて訓練するとのこと。
今後の予定は、
2015年 ミッションメンバーの訓練開始。
2018年 通信衛星打ち上げ。火星にデモミッション設立。
デモミッション |
場所選定と地ならし |
2023年 生命維持ユニット建設。太陽発電パネル設置。
2024年 第1チームが地球を出発。第2チーム用貨物送る。
2025年 第1チームが火星到着。第2チーム用貨物が到着。
2026年 第2チームが地球を出発。以後、2年後ごとに火星に向けて出発。
入植開始 |
火星の重力は地球の40%、大気圧は地球の0.75%。地球の大気の20.9%は酸素だが、火星の大気は95%が二酸化炭素、窒素3%、アルゴン1.6%。酸素は僅か0.13%。平均気温-43度。寒い! 酸素ボンベがついた宇宙服を着用しないと外に出れず、人間が快適に過ごせる環境は屋内でしか作れないのではないか。
いくら仲良しでも、いくら理想が高くても、狭い居住空間で4人が暮らすのはかなり大変そうだ。2年経って、第2チームが到着してもたった8人(子供が生まれていれば、10人くらい?)。それも、無期限。ストレスが溜まってきて精神に影響が出るとか、人間関係がこじれるとかして、SFホラー小説とか密室殺人小説とかの、格好の材料になりそうである。
南極なら一年くらい是非是非暮らしてみたいが、火星への片道切符なんて、私にはとても無理。だが、「自分は大丈夫!」と思う人が世の中には20万人以上いる。すごい。
今、ミッションチームを24人選んでも、出発するのは10年後。それまで、気が変わる人とか、病気になる人とか、死んでしまう人とか出てくるだろうから、多めに選定するのだろうな。
このプロジェクトには莫大なお金がかかるだろうが、出資者は一体どんな人たちなのだろう。超お金持ちでロマンチックな夢追い人か、それとも将来的な利益を見込んでか。リアリティTVでこの歴史的な旅を中継して、資金を稼ぐ計画もあるとか。
ともあれ、ご成功をお祈りします。
(参考資料:2014年1月21日付「The Star」など)
【関連HP】
Mars One
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