2014/01/21

知らない間に「連続殺人魔」。ソーシャルメディアの怖さ。

今年に入って、ダーバン在住のリドワーン・キャラワン(Ridhwaan Carawan)さんに「連続殺人魔!」「殺してやる!」などの脅迫メッセージが届き始めた。まったく身に覚えがないという。

キャラワンさんは38歳の、幸せな家庭を持つ普通の会社員。悪意に満ちたメッセージは、プレトリアやケープタウンなど遠くからも届いた。上司に「私は殺人犯ではない」と説明しなければならなかった。買い物に行くたびに怪しい目で見られ、質問を浴びせかけられる。

警察の取り調べも受けた。その一週間前に他殺死体として発見された、22歳の女性クリスタリン・パール・ラビー(Crystaline Pearl Labie)さんを殺害した犯人として。この女性も、この女性が殺されたことも知らなかったというキャラワンさん、一体どうして。。。

そしてわかったのは・・・。

フェイスブック、ツイッター、ブラックベリーのインスタントメッセンジャーに、キャラワンさんの名前と住所が出回っていたのだ。「極悪非道の殺人鬼。女性は要注意」というメッセージつきで。

警察に通報したが、「キャラワンさんに恨みを抱く人間の仕業だろう」と推測するところから先に進まない。コンピュータ犯罪捜査専門家ダニー・マイバーグ(Danny Myburgh)によると、デジタル捜査で犯人が見つかる可能性は5%以下。「不可能ではないものの、非常に困難」という。また、法律上、ブラックベリー社には責任がないとのこと。

「地獄を見た」というキャラワンさん。今、最大の悩みは、新学期が始まって、10歳の娘が学校で苛められるのではないかということ。

私たちは何故か、フェイスブックやウェブサイトで目にした情報を疑うことなく信じる傾向がある。キャラワンさんに脅迫メッセージを送った人の多くは、凶悪殺人犯に怒りを燃やす普通の市民だろう。

ネットやスマートフォンでは、誰でも、どんな「偽情報」でも流せることを、また、ひとたび流された情報はアメーバのように増殖し、急速に広まってしまうことを、今一度心に留める必要がある。

(参考資料:2014年1月10日付「The Times」)

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