アフリカに根を張るイスラム過激派グループもある。 2008年10月、レイプされたことを届けようとした13歳の少女を「姦通罪」で処刑したソマリランドの「アルシャバーブ」(al-Shabaab)や、2014年4月、276人もの女子生徒を学校から拉致したナイジェリアの「ボコハラム」(Boko Haram)を耳にしたことがある人もいるかもしれない。
これらのグループのせいで命を落とした人、家を失った人は数知れない。
イスラム過激派をはじめとするテロリストグループは、様々な手段を使って資金を調達している。誘拐による身代金、強盗、共鳴者からの寄付。。。イスラム国家は石油や古代遺物を販売しているし、ボコハラムは麻薬の密輸に関わっている。アルシャバーブは年間数万頭のゾウを殺して、象牙を売っているといわれる。
「人身売買」(human trafficking)もテロ集団の貴重な収入源だ。
モニーク・エムサー |
マリ、中央アフリカ共和国、ソマリア、中東などの紛争地帯では、少年たちが兵隊として使われる。ユニセフによると、南スーダンでは2000人、中央アフリカ共和国では1万人、コンゴ共和国では4200人の少年兵が戦っているという。ウガンダの「神の抵抗軍」(Lord Resistance's Army)は3万8000人もの少年兵を「リクルート」した。
では、少女たちは? 性的奴隷や妻にされるのだ。
自力で村から子供たちを拉致するグループもあれば、既に誘拐された子供たちを購入するグループもある。アフリカの子供の値段は1人25米ドル程度。アフリカ大陸で兵隊、労働者、性的奴隷として使われいる子供たちは12万人と推定されている。そして、全世界では30万人!
子供たちが誘拐されるのは紛争地帯だけではないし、子供たちを強制労働に従事させているのはテロ集団だけではない。紛争地帯でもテロ組織の温床でもない南部アフリカだって、誘拐された子供たちが売買され働かされている。
人身売買が最も巨額の収入を生み出すのは「臓器売買」(organ trafficking)だ。闇市場で1000万円の値がつく臓器だってあるのだから。人間1人切り売りすれば、一体いくらいの儲けになるのだろう。イスラム国は臓器販売に特に熱心、とエムサー。臓器販売ビジネスを目的とした子供の誘拐は「南部アフリカではまだ起こっていないが、将来的には懸念」と言葉を続ける。
南アフリカでは、体の一部をまじないや薬に使うため、伝統的祈祷師が子供を誘拐・殺害する事件が時折起こる。この上、臓器販売ビジネスまで盛んになってしまったら、親たちは心配で子供から目を放せなくなってしまうだろう。子供が安心して外で遊べない社会は悲しいが、交通事故や変態者どころか、臓器目当てに誘拐・殺害されることまで心配しなければならないなんて、悲しいどころではない。
(参考資料:2015年3月6日付「The Times」など)
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