Tête d'Arlequin II (The Times) |
エラスムスはクレヨンとパステルで描かれた道化師に、間近に迫った死に対するピカソの不安を感じ取ったという。(これは2015年の談。)
1973年10月、ジョハネスバーグ美術館は2万8000ランド(現在の為替レートで約28万円)でこの絵を購入する。しかし、「名画」を入手したと意気揚々のエラスムスを待ち受けていたのは、マスコミと市民の嘲笑、困惑、怒りだった。
風刺漫画家たちは格好の材料を得たと大喜び。ピカソの道化師を取り囲む医者たちが次々に診断を下すマンガ(「動脈硬化」「肝硬変」「二日酔い」「敗血症」「悪臭呼気」)や、いたずらした子供を母親が「お行儀よくしないと、あのピカソの絵を見に連れて行くわよ!」と脅すひとこまマンガなどが新聞紙面を飾った。