2011/01/09

信号機の盗難続出 最新設備がアダに

ジョハネスバーグの交差点400箇所以上で信号機が作動しなくなった。クリスマス・お正月休暇中に部品が盗まれたためだ。

事件の発端は11月末。50台の信号機から部品が盗まれた。市は数日以内に修復。ところが、12月末からほんの数日の間に、新たに350台の信号機が壊されてしまった。

ジョハネスバーグ道路局(Johannesburg Roads Agency:JRA)では、信号機が故障したら自動的に知らせを発信する最新設備を導入したばかり。信号機に設置されたのは、GPRS(General Packet Radio Services)装置とSIMカード(Subscriber Identity Module Card)。故障はGSMネットワークを使ってJRA本部に通知される。

GSM(Global System for Mobile Communications)は、世界200か国以上で約20億人が使っている携帯電話の規格。世界の携帯電話端末市場の8割以上がGSM方式である。

突然現れた信号強盗魔の狙いはSIMカード。信号機を壊して中のSIMカードを盗み、手持ちの携帯電話に挿入すれば、電話がかけ放題なのである。国際電話だって大丈夫。電話代の請求はSIMカードの持ち主、つまりジョハネスバーグ道路局(JRA)に送られる。JRAには既に、お喋り犯罪者のお蔭で多額の請求書が届いているという。

JRAは市内600の交差点にこのシステムを導入した。その3分の2が作動していないわけだが、1台修理するのに2万2千ランド(26万4千円)。400台で1億円を超す。財政難の市にとっては痛い出費。しかも、修理してもまた壊される危険大。

壊された信号機は、SIMカードが入っているものだけ。外見は同じだから、犯人は手当り次第壊してみたわけではなく、どの信号機にSIMカードが入っているか事前に知っていたわけだ。その情報を持っているのはJRAと請負業者のみ。犯人は最新システム導入済み信号機のリストを盗んだか、内部の人間から情報を入手したらしい。

情報のアンテナを張り巡らし、ビジネスチャンスを逃さない犯罪者たち。足を洗えば、起業家として大成功するかもしれない。

(参考資料:2011年1月5日付「The Star」など)

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