2011/03/11

マンデラ文書デジタル化 グーグルが資金援助

貴重なマンデラ文書がデジタル化されることになった。グーグルが125万ドルの資金を提供して実現したもの。

例えば、一見何の変哲もない、風景写真付きカレンダー。これがオタカラ、なのである。マンデラは刑務所時代、重要な出来事をカレンダーに書き込んでいた。1989年12月13日には、「FWデクラーク大統領と会見。2時間55分」とある。

日記や手紙、それに自伝『自由への長い道』(Long Walk to Freedom)の続編の手書き原稿もある。『大統領時代』(Presidential Years)と名付けられ、原稿が数章残っているが、未完成に終わった。次期大統領に何故、前評判の高かったシリル・ラマポザ(Cyril Ramaphosa)ではなくターボ・ムベキ(Thabo Mbeki)を選ぶことになったのかを説明していたりして、研究者だけでなく、一般国民にも興味ある内容だ。

アフリカ民族会議(African National Congress:ANC)の中央執行委員会(National Executive Committee: NEC)の席上で、投票できる年齢を14歳に下げようと提案した、という記録もある。

一般公開がいつになるかは不明。スキャンするだけでも大変な作業だからだ。マンデラ財団にある資料が1万ページ。国立古文書館に監獄時代の記録や文書が1万ページ。その他にも図書館、研究機関、外国政府、個人など、様々な資料提供先があり得る。CIAがマンデラをアパルトヘイト政府に「売った」という文書を、米政府が提供してくれる可能性だってゼロではない。

この7月18日に93歳になる、ネルソン・マンデラ。寄る年波には勝てず、ここ数年、目に見えて弱っている。昨日、マンデラ財団の職員と話していたら「元気だ」と言っていたので、ちょっと安心したところ。

「自由の闘士」(freedom fighter)としての反政府活動、27年間の獄中生活、アパルトヘイト政府との政権移譲交渉、第1回民主総選挙、大統領としての4年間、引退後には国際的調停役として活躍。波乱万丈の人生を送った。最後は家族に囲まれ自宅で大往生、となって欲しい。

(参考資料:2011年3月9日付「The Star」など)

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