高級音響メーカーが針金とビーズで作った7頭の羊を敷地内の芝生に置いたところ、「違法取引」として押収されてしまったのである。(「警察にユーモアは必要か? 針金の羊、「逮捕」される!?!」)
B&O社が売っているのはオーディオ機器であり、針金の羊たちは「装飾」だということを、警察が遅まきながら認めたらしい。それともメディアでコケにされて、自分たちの馬鹿さ加減に気がついたのか。政界、財界、果ては外交筋から圧力がかかったのか。いずれにせよ、メデタイことだ。
警察とB&O社の話し合いで、罰金は科せられないことになった。羊君たちは庭に戻り、社員や通行人の目を楽しませている。B&O社では「売り物ではありません」(Not For Sale)の立札を立て、一件落着。
押収された羊たち(『スター』紙) |
押収されてしまったものを引き取るには、市条例違反の罰金に加え、一律2000ランド(2万4000円)の引き取り料金を払わなければならない。2009/10年度は、1万1500点が持ち主に戻された。罰金と引き取り料による収入、しめて42万1000ランド。500万円以上だ。
貧しい露天商にとっては、罰金と引き取り料金を払うより、あきらめる方が安くつくことも多い。
では、引き取り手のない押収物はどうなるのか?
食品は古くなる前にNGOへ寄付され、貧しい子供たちに与えられる。毛布や服はしばらく待った後、やはり貧しい人の手に渡る。残りは競売にかけられる。
ジョハネスバーグ市警察の警察官4000人のうち、4分の1もが市条例違反の取り締まりにあたっているという。いくら儲けになるからといっても、かなり多いような。。。
さて、ハッピーエンドに終わったB&O社の羊事件。特注した針金作りの牧羊犬が間もなく届く。名前は市警察(Joburg Metro Police Department)に敬意を表し、「メトロ」(Metro)君とのこと。
B&O社に戻った羊たち (『スター』紙) |
(参考資料:2011年7月15日付「The Star」など)
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