2015/03/09

人種別居住がもたらすもの 南アフリカ在住者の視点

「BLOGOS」編集部に依頼された寄稿記事を転載します。普通は、このブログの記事をBLOGOSが時折掲載してくれるのですが、今回は逆ですね。 南アフリカでは全然話題になっていないので、問題となった曽野綾子氏の記事をBLOGOS編集部から送ってもらいました。


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日本では、曽野綾子氏の産経コラムが「アパルトヘイトを奨励するものである」として大きな批判を受けていると聞いた。

南アフリカでは、とりわけ大きなニュースにはなっていない。ネットで検索したところ、いくつかのメディアのデジタル版が通信社の記事をそのまま掲載していた。「曽野氏のコラムに在京南アフリカ大使ペコ氏が抗議した」という内容だ。南ア国内では、その程度の反応である。

問題のコラムに目を通して唖然とした。

「人種差別撤廃後、大家族主義の黒人がヨハネスブルグでマンションを購入し、白人やアジア人なら家族4人が暮らすようなスペースに20-30人で住み始めたため、水道から水が出なくなって白人が皆逃げ出した。従って、居住地は人種別にすべきだ」という議論である。

どんな家族だろう。男性と複数妻とその子供たちだろうか。それとも、両親と成人した息子数人とその家族だろうか。大切な祖先の霊が眠る故郷を一家揃って離れるとは、よっぽどの事情があったのだろうか。

マンションを購入できるほどの裕福な家庭らしいが、事業で成功して現金で買ったのだろうか。それとも会社勤め人が銀行ローンを利用したのだろうか。いずれにせよ、20-30人も家族がいるのに、4人分のスペースしか確保せず、愛する家族を劣悪な住環境に置く変わった家長である。

しかも、曽野氏の書き方からすると、一家族だけではないようだ。一軒のビルに同様の集団が何家族も住み始めたらしい。なんとも荒唐無稽な話。

2015/03/07

子供1人のお値段25ドル アフリカの人身売買

今、日本で一番有名なイスラム過激派グループは、湯川遥菜さんと後藤健二さんを殺害した「イスラム国」(Islamic State)だろう。

アフリカに根を張るイスラム過激派グループもある。 2008年10月、レイプされたことを届けようとした13歳の少女を「姦通罪」で処刑したソマリランドの「アルシャバーブ」(al-Shabaab)や、2014年4月、276人もの女子生徒を学校から拉致したナイジェリアの「ボコハラム」(Boko Haram)を耳にしたことがある人もいるかもしれない。

これらのグループのせいで命を落とした人、家を失った人は数知れない。

イスラム過激派をはじめとするテロリストグループは、様々な手段を使って資金を調達している。誘拐による身代金、強盗、共鳴者からの寄付。。。イスラム国家は石油や古代遺物を販売しているし、ボコハラムは麻薬の密輸に関わっている。アルシャバーブは年間数万頭のゾウを殺して、象牙を売っているといわれる。

「人身売買」(human trafficking)もテロ集団の貴重な収入源だ。

モニーク・エムサー
フリーステート大学のリサーチャー、モニーク・エムサー(Monique Emser)によると、近年テロリズムと人身売買の相関関係が強くなっている。

マリ、中央アフリカ共和国、ソマリア、中東などの紛争地帯では、少年たちが兵隊として使われる。ユニセフによると、南スーダンでは2000人、中央アフリカ共和国では1万人、コンゴ共和国では4200人の少年兵が戦っているという。ウガンダの「神の抵抗軍」(Lord Resistance's Army)は3万8000人もの少年兵を「リクルート」した。

では、少女たちは? 性的奴隷や妻にされるのだ。

自力で村から子供たちを拉致するグループもあれば、既に誘拐された子供たちを購入するグループもある。アフリカの子供の値段は1人25米ドル程度。アフリカ大陸で兵隊、労働者、性的奴隷として使われいる子供たちは12万人と推定されている。そして、全世界では30万人!

2015/02/26

めっきり痩せたズマ大統領 第2夫人が毒を盛った!?!

副大統領として国政の表舞台に登場した1999年以来、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)は無数の政治風刺漫画に登場している。トレードマークはメガネ、禿げ頭、肥満体。HIV陽性のレズビアンの女性をレイプした容疑で法廷に立ち、「シャワーを浴びたから感染の心配はない」などと発言して以来、頭の上にシャワーがついた風刺画も多い。

ぽっちゃりした政府公式写真

ところが、ズマ大統領の容貌が去年半ばから変わった。めっきり痩せてしまったのだ。それも健康的な痩せ方ではなく、げっそりしている。原因はなんだろう。激務のためか、病気に罹ったのか、それとも家庭内問題の心労からか。妻ナンバー2とナンバー3の仲が悪いことは有名だし、20人を超える子供たちや無数の家族・親戚が色々たかってくるのに対応するのも大変だろう。。。

2014年9月の写真。別人のようにやつれている(Business Day)

『サンデー・タイムズ』紙が一面トップでスクープしたところによると、妻ナンバー2のノムプメレロ(Nompumelelo)がズマを毒殺しようとして、ズマ邸から追放されたという。とすると、激ヤセの原因は毒の作用?

2015/02/17

転んだムガベがミーム化 政治批判から無邪気な笑いまで

ジンバブエの独裁者ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領がこけた。エジプトで開催されたアフリカ連合(African Union)総会で新議長に就任し、2月4日、意気揚々と帰国。空港で演説を行った後、ひな壇から下りる途中で、赤カーペットに躓いてしまったのだ。



映像は世界中のニュースで流れてしまったものの、写真の流出だけでも食い止めようとしたのか、現場にいたスチールのカメラマンたちは画像を消去するよう警備員に要求されたという。また、27人もの警備員が停職処分になったという報道もあった(ジンバブエ政府は否定)。

国のお抱えカメラマン、ジョセフ・ニャダヨ(Joseph Nyadzayo)は自分が撮った写真を政府のプロパガンダ新聞『ヘラルド』(Herald)紙に届けた。新聞の上層部は「絶対使ってはならない!」。なのに、全国紙に掲載されてしまった。どこかで行き違いがあったのか、それとも、写真があまりに秀逸なため、編集部員たちが誘惑に勝てなかったのか。。。


『ヘラルド』紙の編集部員3人が大目玉を食らったらしい。

ジンバブエ政府は火消しに大わらわ。『ヘラルド』紙の姉妹紙、『サンデーメール』(Sunday Mail)紙曰く、

「ムガベ大統領は、精神的に機敏であるが故に、反射的に転倒のショックを和らげることが出来、また、身体的にフィットしているが故に、全く怪我をすることなく歩き去ることが出来た。」

「この出来事により、ジンバブエ人が何故一貫してムガベ大統領に投票し続けるのかが証明された。大統領はこれまでにも増して、精神的に機敏であり身体能力に優れている。」

「ムガベ大統領が一線から身を引く時が来たなどと示唆するのは、馬鹿者だけである。」

そろそろ91歳の老人なのだから、躓いて転ぶことがあっても不思議ではないのに、ムキになっているのが痛ましい。

一方、政府にコントロールされていない『スタンダード』紙は、

「若い老人のふりをしても、ムガベのためにならない。」

「引退してくれれば、ムガベ自身とジンバブエ国民に大きく貢献する。」

それにしても、想像をかき立て、創造を生み出すポーズである。あっという間に、インターネット・ミーム(internet meme)化したのも不思議はない。検索したら、50近くあった。政治批判をチリバメタものから、単に笑いを誘うものまで、よく思いついたなあ。

例えば、明らかなムガベ批判は・・・
 

2015/02/12

国の惨め度と国民の幸せ度

人の幸せなんて、主観的なものだ。貧困にあえぎ、明日の食事されおぼつかない人は「お金さえあれば・・・」と切望するかもしれない。寄って来る人はすべて金目当てと思い込み、孤独をかみしめる超大金持ちは「お金さえなければ・・・」と嘆くかもしれない。肥満に悩む人は痩せることを夢見るかもしれないし、超痩せの男性は「もっと筋肉があれば」と鏡を見る度に溜息をつくかもしれない。

南アフリカは世界有数の惨めな国だという。アメリカのケイトー研究所(Cato Institute)が2015年1月に発表した、2014年度の「世界悲惨指標」(World Misery Index)で10位という不名誉なランキングを獲得した。

リストを作成したのはジョン・ホプキンス大学のスティーブ・ハンク(Steve Hanke)教授。「どの国も、低いインフレ率、低い失業率、低い貸出金利、そして1人当たりのGDPを増やすことを目指している」から、この4つを使って各国の惨め度を計算したという。

計算式は「(失業率)+(貸出利子) +(インフレ率)-(国民一人当たりの実質GDPの変動率)」。この4種類のデータを公表している国だけが対象になるため、2013年度は89か国、2014年度は108か国のランキングとなっている。