今年は様々な分野の南アフリカ人アーティストが、国際舞台で注目を浴びている。
2月にはジョディ・ビーバー(Jodi Bieber)が「2010年世界報道写真大賞」(World Press Photo Award)を受賞。5月にはローレン・ビアカス(Lauren Beukes)のSF小説が「アーサー・C・クラーク賞」(Arthur C Clarke Award)を受賞。
更に、今年初めてカンヌ国際映画祭に出品されたアフリカーンス語の映画「「Skoonheid」(「美」の意)が、5月22日、「Un Certain Regard」(ある視点)部門で「クイア・パルム」(Queer Palm)賞を受賞。監督は弱冠27歳のオリバー・ヘルマヌス(Oliver Hermanus)。
朗報は続く。6月12日、ケープタウンの操り人形グループ「ハンドスプリング・パペット・カンパニー」(Handspring Puppet Company)が米演劇界の最高峰「トニー賞」(Tony Awards)で、演劇作品賞(Best Play)を含む5部門で受賞したのだ。
同社は30年前、エイドリアン・コーラー(Aidrian Kohler)ら3人が結成。現在はコーラーとバジル・ジョーンズ(Basil Jones)が主宰。
受賞作『War Horse』(邦題は『ウォーホース~戦火の馬~』)は、イギリス人作家、詩人、劇作家マイケル・モーパーゴ(Michael Morpurgo)による同名の児童文学が原作(1982年)。
第1次世界大戦が勃発し、アルバート少年の愛馬ジョーイが騎兵隊に徴用され、フランスへ送られた。新しい主人である大尉が戦士した後、ジョーイは戦火の中、様々な経験をする。一方、ジョーイを忘れることが出来ないアルバート少年は、愛馬を探し故郷に連れ戻すため、危険な旅に出かける。。。
実際、第1次大戦中、英軍だけで100万頭以上の馬が「戦死」した。生き残った馬の殆どは、肉屋に売られてしまったという。
劇の主人公はジョーイ。木材や金属で出来た、実物大の操り人形である。本物の馬同様、口をきくことはないが、本物の馬そっくりの動作を舞台で繰り広げる。
ロンドンでの公演は大成功。エリザベス女王夫妻が4年振りの私的な観劇に出かけたのは、この作品を見るためだった。イギリスで多くの賞を受賞後、今年ニューヨークのリンカーンセンターでデビュー。来年は、ロサンジェルスとトロントで上演が決まっている。1,2年後には南アフリカでも上演したいとう。
今年はまだ年半ば。どこまで続くか、南ア人アーチストの活躍。
一方、『War Horse』は舞台の成功のお蔭か、スピルバーグ監督による映画化が決まっている。
(参考資料:2011年6月9日付「Business Day」、6月14日付「The Times」など)
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