2013/07/30

太り過ぎの南アフリカ人、ニュージーランドで労働ビザ更新拒否

(ウィキペディアから)
アルバート・ベイテンヘイス(Albert Buitenhuis)さんと妻のマルティー(Marthie)さんがプレトリアからニュージーランドへ移ったのは2007年のこと。アルバートさんの職業は「コック」。ニュージーランドではコックが不足していることから、労働ビザが下りたのだ。

ふたりはクライストチャーチ(Christchurch)に居を構えた。クライストチャーチは人口40万人弱。ニュージーランドで2番目に大きな都市だ。

職場は「カシュミアクラブ」(Cashmere Club)。アルバートさんがコック、マルティーさんがウェイトレスとして働いた。「クライストチャーチが大好き。地震も全て乗り切りました。ここが私たちの故郷です」と言い切るマルティーさん。

ところが、今年5月1日のこと。移民局から突然、「労働ビザの更新をしない」と言い渡される。

理由は「太り過ぎ」

アルバートさんは身長1.78メートル、体重130キロ。BMI(Body Mass Index ボディマス指数)が40もある。BMIは体重を身長の2乗で割ったもので、肥満度の目安となる。移民局は「35以下でないと受け入れられない」という。国によって目安が異なるが、日本の場合、25以上が「肥満」とされる。

「太ってたって誰に迷惑をかけるわけでもなし、いいじゃん」というわけにはいかない。ニュージーランドは福祉が発達しており、居住者は様々な医療サービスを無料で受けることができる。だが、国だって予算が無限にあるわけではない。国民なら仕方がないが、リスクの高い外国人の面倒までみたくない。

アルバートさんのように超肥満だと、糖尿病、心臓病、ガン、肝臓疾患などにかかる確率がかなり高くなる。また、アルバートさんは膝に問題があり、手術をすれば2万ニュージーランドドル(約150万円)もかかる。「国が負担しなければならない、将来的な医療費がバカにならない」というわけである。

しかし、アルバートさんは納得できない。労働ビザが下り、ニュージーランドに移ってきた時は、今より30キロも重かったのだ。それ以来、問題なく労働ビザを更新してきた。30キロも痩せたのに、今になって突然「太り過ぎ」で国外退去とはおかしい!という言い分だ。(身長1.78メートル、体重160キロだと、BMIが50を超しますね。)

アルバートさんの雇用主は「移民局の決定を無視して雇用を続けたら、6万ドル(約450万円)もの罰金を課せられる」。

白人、それも裕福ではなさそうなアフリカーナのアルバートさん夫妻。写真で見る限りでは結構お年のようだし、ニュージーランドにやってきたのは、よっぽど南アフリカにいたくない理由があったのだろう。職を失って「もう一銭も残っていない」と語る。家族、友人、教会の支援で何とか生き延びているらしい。

(フェイスブックページのプロフィール写真)
夫妻の「試練」はニュージーランドのテレビ局だけでなく、BBCや南アのメディアでも報道された。フェイスブックのページも作った。(今現在で「いいね」は98人。)「ここにいれたら嬉しい。南アに戻るなんて考えられない」というが、どうなることやら。そんなにニュージーランドにいたいのなら、頑張って痩せて欲しいものである。

移民局の最終決定は2週間以内にされるとのこと。

(参考資料:2013年7月30日付「The Star」など)

【関連ウェブサイト】
フェイスブックページ「Albert and Marthie Buitenhuis」

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