2018/01/21

妖術? 亡くなってから10日後にお棺の中で出産

南アフリカ共和国東ケープ州のムビザナ(Mbizana)市。ネルソン・マンデラの盟友オリヴァー・タンボ(Oliver Tambo)やマンデラの2番目の夫人ウィニー・マンデラ(Winnie Mandela)を輩出した、人口28万の田舎町である。といっても、ほとんどの南ア人は耳にしたこともないだろう。そのムビザナ市近くのムタイシ(Mthayisi)村が数日前、世界の注目を浴びた。

死後10日経った女性が出産したというのである。

ムビザナ市でのオリヴァー・タンボ銅像除幕式

ノムヴェリソ・ノマソント・ムドイ(Nomveliso Nomasonto Mdoyi)さんは33歳。5児の母。妊娠9か月だった今年初め、いきなり息苦しくなりそのまま亡くなった。自宅でのことだ。

1月13日土曜日に、葬式が執り行われることになった。遺体は葬儀屋に保管されていた。ところが葬儀の前日、ノムヴェリソさんが出産したというのだ。(正確には、葬儀屋職員がお棺を開けたら、ノムヴェリソさんの足の間に赤ちゃんの死体があったらしい。)

葬儀屋のオーナー、フンディレ・マカラナ(Fundile Makalana)さん曰く、「びっくりしたのと怖かったことで、赤ん坊の性別を確かめることもしませんでした。葬儀屋を20年以上していますが、死んだ女性が出産したなんて聞いたこともありません」。

ノムヴェリソさんの母親マンザラ・ムドイ(Mandzala Mdoyi)さんは「娘の早すぎる死に打ちのめされていたところに、死んで10日後に出産したと聞いて、人生最大のショックを受けています。一体どういうことなのでしょう? 神さま、お願いですから力を貸してください」。

ノムヴェリソさんと赤ちゃんは1月13日に埋葬されたが、地元では「呪いだ」とか、「ノムヴェリソさんは魔女だった」とかいう噂で持ちきりらしい。

遺族代表のムビケルワ・ムピティ(Mbikelwa Mpithi)さんは、「なにも起こらなかったかのように振舞うことはできません」。医学専門家と伝統的祈祷師の両方に相談する予定とのこと。

ムビザナはこんなところ

死後の出産はありえることらしい。英語では専門用語で「postmortem fetal extrusion」、一般には「coffin birth」と呼ばれる。日本語では「棺内分娩」または「死後分娩」。

「妊婦の死後遺体が腐敗して体内にガスがたまると、その圧力によって子宮から胎児の遺体が体外に押し出され、あたかも死女が死児を生んだように見える現象を指す。」(ウィキペディア

そんなこと、あるんですね。

しかし、ノムヴェリソさんが亡くなったとき、赤ちゃんも死亡していることをちゃんと確認したのだろうか。すぐ帝王切開したら、赤ちゃんは助かっていたのでは・・・? 南アの公共医療の現状を考えると、随分ありえることだ。。。


【参考資料】
"Dead woman 'gives birth' in coffin" 2018年1月18日付TimesLIVEなど

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