9月分の請求書がジョハネスバーグ市から届いた。含まれるのは、電気代、上下水道料金、ゴミ回収料金、そして固定資産税。2、3か月前から不穏な動きを見せていた電気代が、とうとう狂った。今年の初めには6000円程度だったのが、なんと8万4000円に。請求書全体の金額は、1万5000円から9万4000円に。。。
つい数年前まで、毎月の電気代は2000円を切っていた。それが「南アの電気代は世界一安い」「設備の拡大・修復にお金がかかる」「電気会社が大赤字」などなど騒がれてるな~と思っているうちに、大幅上昇してしまった。今年から3年間、更に毎年30%ずつ程度上がるらしい。だが、それにしても。。。
一人暮らしの小さな古い一軒家である。電気はマメに切っている。テレビもない。同居している猫たちが、こっそり浪費しているとも思えない。
メーターをチェックしてみると・・・。請求書に記載されている数字と全く違う。早速、市に抗議の電話を入れる。
ジョハネスバーグ市では、問い合わせや苦情の内容ごとに別だった電話番号を一本化。停電しても、水道管が壊れて道が水びたしになっても、引っ越ししても、請求書がおかしいと思っても、011 375 5555にかける。一見便利になったようだが、実は住民サービスの著しい低下を招いてしまった。
誰も電話に出ないのである。話し中とか電話が鳴りっ放しなのではない。一応機械が自動的に答える。「出来るだけ早く応対しますので、お待ちください。」そして、延々と音楽が流れる。30分くらいしたら、切れてしまう。その間、住民は通常の電話料金を払うことになる。
ごくたまに、人間と話すことが出来ることがある。だが、殆どの場合全く要領を得ず、頭に来るか情けなくなる。奇跡的にちゃんと応対する人に巡りあっても、それが問題解決に結びつくことは野生のトキを見つけるよりマレである。
住民への対応をコールセンターに任せたことにより、市は「匿名化=責任所在の否定」に成功したのである。以前だったら、「xx課のxxさん」と話し、問題が解決していなければ、同じ人に電話してフォロー出来た。今は誰が電話に出るかわからないし、電話にでる係員の仕事は、問い合わせ・苦情をコンピュータに入力するだけだから、質問しても答えることができない。顔のない仕事だから、ボタンが点滅する(と想像している)電話の側でお喋りに興じていても平気である。
問い合わせ用Eメールアドレスもある。jobourgconnect@joburg.org.za。だが、返事を期待しても無駄だ。
こちらも慣れたもので、我が家の電話はスピーカーつき。誰かがそのうち答えるかもしれないのを、イライラしながら受話機片手に待つことはしない。受話機を電話機にかけたまま、パソコンに向かって仕事を片づける。
こうやって半日過ぎた。仕事もひと段落ついたことだし、電話はあきらめ、市のオフィスに出向くことにする。グーグルしたところ、市の「顧客センター」が各地にあることがわかる。一番近いのは、車で10分の距離。道路工事のせいで30分かかったが、なんとか辿りつく。
見晴らしの良い、丘の上の立派な建物。ダイナーズクラブも入っている、というからでもないが、なんとなく期待してオフィスに足を踏み入れると。。。。。
職員3人。動いているコンピュータは1台。その前で、職員1(お婆さん)が「さっきまで動いてたんだけどね~」と気の毒そう。職員2(やはりお婆さん)は居眠りの真っ最中。職員3(若い女性)はやたら饒舌。「その靴いいわね~。どこで買ったの~? 私にも一足買ってよ~。」!?!
とか言っているうちに、終業時間の4時。明日は、別の顧客センターに行ってみよう。
憲法にしても、コールセンターにしても、顧客センターにしても、カタチは整っているのに、運営する人材に問題がありすぎの南アフリカ。明日は、どうなることやら。。。
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