2010/09/10

南アフリカは世界3位の肥満大国

欧米や日本の人々にとって、「アフリカ」といってまず頭に浮かぶのは、「野生動物」「貧困」「飢餓」「内戦」。だが、最後の3点は過去のものとなりつつある。独裁政権の数が激減し、完全な民主主義とは言えないまでも、民主主義の形態をとる国家が大半となった。経済成長も多くの国でめざましい。

その先端を行く南アフリカでは、肥満の面でも欧米並み。それどころか、アメリカ、イギリスに次ぐ世界第3位という不名誉な地位を獲得した。その原因は、動かないことと炭水化物の摂りすぎ。

体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割ったものをBMIという。BMIが18.5未満が「低体重」(underweight)、18.5~24.9「普通体重」(normal weight)、25.0-29.9「過体重」(overweignt)、30.0~34.9「肥満」(obese)、35.0-39.9「重度の肥満」(severe obese)、40.0-44.9「病的な肥満」(morbidly obese)。そして、45.0以上は肥満の横綱「スーパー肥満」(super obese)となる。

9月8日に発表された、大手製薬会社グラスコスミスクライン社の調査によると、南アフリカの成人の61%、9歳以下の子供の17%が太りすぎ(BIM25以上)というのである。

調査の対象になった4都市のうち、太りすぎが一番多かったのはケープタウンの72%。以下、プレトリア68%、ジョハネスバーグ59%、ダーバン52%と続く。

「運動は大切」と思っているのは47%。だが、42%が健康に全く注意を払っていない。全く運動をしていない人が49%、これまで一度もダイエットをしたことがない人が71%もいる。

61%もが肥満という現状にも拘らず、健康に関心がなかったり、ダイエットを一度も試みたことがない人がこれほど多いのは何故か。

実は、自分で自分が太っていると思っていないのだ。

他の人が太っていたら気がつくという人が74%もいるのに、自分が太っていると思っている人は34%しかいないのである。それどころか、「肥満」の78%、「病的な肥満」の52%が、自分は「概ね健康」または「とても健康」と信じている。

BMI30以上が人口の3%しかいないのに、1億こぞってダイエットにいそしんだり、メタボ体型を気にしたりする日本人に比べ、南ア人はおおらかというべきか、自分に甘いというべきか。こんなところにも、国民性の違いが垣間見えて面白い。

(参考資料:2010年9月9日付「The Times」「The Star」など)

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