2011/04/24

象の肉を囚人の食事に ジンバブエ

出来ることなら刑務所には入りたくない。特に南アフリカの刑務所には。(「飲酒運転で集団強姦!?! 過激な安全運転キャンペーン」参照)

尤も、囚人の人権コンサルタントである友人によると、アフリカの刑務所はどこもひどいらしい。政府やNGOに頼まれ、刑務所の実情調査などをするフリーランスの商売が繁盛するくらいだから、さもありなん。

ジンバブエの刑務所では、食事に何年も肉が出されていないという。メニューは2種類しかない。サザ(硬めにゆでたトウモロコシの粥。南アではパップと呼ばれる)とキャベツまたはサザと豆だ。食事内容は国際基準はもとより、ジンバブエの法律で定められた基準すら満たしていない。肉を買う予算がないというのが、刑務所管轄当局の言い分。

そこで法務省と刑務所管轄当局が目をつけたのが、象の肉。沢山いるからいいじゃないか、という論理。象がCITES(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora:絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)別名「ワシントン条約」の付属書I指定を受け、絶滅の恐れがあるため手厚く保護されていることなど眼中にない。

当然のことながら、環境団体は大反発。種の絶滅につながるだけでなく、ジンバブエにとって大きな観光資源である野生動物を殺すのは、「私たちが受け継いだ遺産を盗むこと」「未来の遺産を食いつぶすこと」に他ならない、とジンバブエ自然保護対策委員会(Zimbabwe Conservation Task Force)のジョニー・ロドリゲスス(Johnny Rodrigues)さんは嘆く。

一時は10万頭まで増えた象は、現在3万5千頭を切っている。政府は象を殺すのではなく「厳しい法律を制定して守るべき」とロドリゲスさん。

国立公園の管轄機関には、まだ法務省から打診がないらしい。単なる奇抜な思いつきとして、このままお流れになることを祈っている。

(参考資料:2011年4月20日付「Zimbabwe Independent」など)

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