サンデー・タイムズが入手したのは、ウィニー元夫人と娘マカジウェがラムラカンに宛てた自筆のメッセージ。
著者のラムラカンは「マンデラ家のメンバーから頼まれて書いた」との主張を曲げていない。その一方で、一体誰に頼まれたかに関しては、口をつぐんだままだ。
一番疑われているのはウィニー元夫人。グラサ夫人が特に不満としているのは、「マンデラ元大統領が亡くなった時、グラサ夫人はその場におらず、息を引き取った時に手を握っていたのはウィニー夫人だった」という本著の記述だという。
ウィニー元夫人 |
ウィニー元夫人同様グラサ夫人を嫌っているマカジウェも怪しい。ウィニー(2番目の夫人)とマカジウェ(最初の夫人エヴェリンの娘)は決して仲良くないけれど、「敵の敵は友だち」という論理からか、グラサ夫人(3番目の夫人)に対しては共同戦線を張ることもある。
マカジウェ |
ウィニーのメッセージの日付は、2017年7月21日。(本の発売開始は7月17日。回収されたのは7月24日。)
私の養子ラムラカン先生へ!
愛情のたけを込めて。
この素晴らしい本の成功を祈ります!
ウィニー・マンデラ
21-7-2017
サンデー・タイムズからの問い合わせに対し、ウィニーのスポークスマン、タト・ムメレキ(Thato Mmereki)は返答していない。
ウィニーの自筆メッセージ |
マカジウェのメッセージは翌7月22日付け。
VJへ。
勇気を持って、何も恐れないで。あなたは父の生涯を通じて、父の威厳を守るという仕事をとても立派に果たしてくれました。本当のところ、あなたたち「三銃士」がいなかったら、父はあんなに長く生きることができなかったでしょう。私は何があってもあなたを支持します。
たくさんの愛を込めて。成功を祈ります。気を強く持ってね。
M マンデラ
22/07/2017
サンデー・タイムズが連絡すると、マカジウェは「電話しないで」。
マカジウェの自筆メッセージ |
どちらのメッセージも、明らかにラムラカンと本著の出版を応援している。書き方からすると、本の見開きに書かれた文章のようだ。通常は著者が読者に宛てて書くものだが、ラムラカンがウィニーとマカジウェに書いてもらったのだろう。
またどちらのメッセージも、ラムラカン所有のはず。サンデー・タイムズは「ラムラカンからコメントを得ようとしたが不成功に終わった」というが、誰かがラムラカンの家に押し入って盗んだのだろうか。ラムラカン本人がリークした可能性の方が高そうだけど。
この話題、まだしばらく続きそうである。
【参考資料】
"Notes claim Makaziwe, Winnie backed book" Sunday Times (2017年7月30日)
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