2012/01/29

ケープタウンのお婆ちゃん 空手8段に

ケープタウンのペトロネラ・クラインスミット(Petronella Kleinsmidt)さんが空手8段になった。72歳。女性の空手家としては、アフリカ大陸で最高段という。

1939年10月19日生まれ。空手を始めたのは、1965年2月12日、25歳の時。1977年3月12日、初段を取得。随分細かいが、所属流派「カラテ・ゼン」(Karate Zen)のHPにしっかり日付まで書いてある。

空手を通じて、将来の伴侶ヨハン・ルー(Johan Roux)さんに巡り合った。ヨハンさんは空手の指導員だったのだ。

公私ともに、すっかり空手にのめり込んだペトロネラさん。ついには、教師の仕事を辞め、ヨハンさんの元でフルタイムの空手指導員になる。1982年10月、ヨハンさんらと「Karate Zen」(空手・禅のこと?)を設立。

白人のヨハンさんはアパルトヘイトにも拘わらず、人種に関わりなく生徒を受け入れた。そのため、治安警察とのいざこざが絶えなかったという。

ペトロネラさんがヨハンさんと結ばれたのは1978年。ヨハンさんは白人(アフリカーナ)、ペトロネラさんはカラード。南アフリカでは1985年まで、違った異人種間の結婚はもとより、異人種間の性行為まで法律違反だったから、関係を続けるのは大変だったことだろう。そのため、子作りを断念。しかし、ふたりは愛を貫き通し、2001年にめでたく正式に結婚した。

空手のおかげか、ペトロネラさんは元気いっぱい。毎朝、家でエクササイズしてから教会へ。空手の指導の合間に、結婚式や葬式で花を活けたり、ピアノを弾いたりする。

「年金生活者という自覚がない」と苦笑するヨハンさん(69歳)。

空手は「脳を活発に保ってくれる」とペトロネラさん。

(ペトロネラさんとヨハンさん 「サンデータイムズ」紙より)
それにしても、「カラテ・ゼン」は剛柔流系空手というのに、この写真でペトロネラさんはサイを使っている。「空手」は手が空(カラ)。武器は使わないはず・・・?

実は、「カラテ・ゼン」はヨハンさんが宗家。自分の流派だから、なんでもあり、なのである。どこかで琉球古武術をカジッタのであろう。HPによると、日本で空手を稽古したのは、1969年に一度きりのようだ。日本の空手にとらわれず、「我が道を行く」流派なのかもしれない。

とすると、ペトロネラさんの「8段」も、夫のヨハンさんにもらっただけ・・・。おや? ヨハンさんの「8段」も「カラテ・ゼン」から。自分で自分に与えたことになる。まあ、深い穿鑿(せんさく)はしないでおく。。。

「カラテ・ゼン」は西ケープ州を中心に、約40道場を持つ。会員約3000名。たいしたものである。当初は「カラテ・ゼン・南ア」だったが、今では「カラテ・ゼン・インターナショナル」を名乗る。

独自の道場訓もある。
私は謙虚で、礼儀正しく、忍耐強く、高潔であるよう努めます。
(I will be...humble, courteous, patient & honourable.)
私は知識、強さ、心の平安、平和を求めて努力します。
(I will strive for...knowledge, strength, serenity & peace.)
私は自分自身、他の全ての人、自分のもの、他人のものを尊重します。
(I will respect...myself, all others, what is mine & what belongs to others.)

(参考資料:2012年1月29日付「Sunday Times」など)

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