この町で生まれたモード・チファンバ(Maud Chifamba)さんが、8月からハラレのジンバブエ大学(University of Zimbabwe)に通うこととなった。
モードさんはまだ14歳。それも、数々の困難を克服しての快挙だ。
貧しい家庭の生まれ。貧困層のために設立された「ハンターズ・リセトルメント」(Hunters resettlement)というコミュニティで育った。2002年、4歳の時、父親が亡くなる。2003年、地元の小学校入学。教師が3人しかいない小学校だ。
モードさんの優秀さに目を見張った教師たちは、モードさんを3年生から6年生へ飛び級させた。ところが、2006年、国が定めた、7年生の最終試験を受けることができなかった。モードさんが通う学校が、教育省に登録されていなかったためだ。
なんとか、翌2007年、9歳で7年生の最終試験を受け、全ての科目で優秀な成績を収める。
その後も飛び級を重ねたが、優秀な生徒をサポートできるシステムが、地元の中等学校にはない。独学で頑張り、O(オー)レベル(O Level)を2年間で修了。
ジンバブエの中等教育はイギリス方式を採用。試験には、普通レベルの「Oレベル」(Ordinary Level)と、高い学力が要求される「Aレベル」(Advanced Level)がある。「Oレベル」は授業とは関係なく、試験に受かればOK。だから、独学も可能だ。
しかし、「Aレベル」は通常、授業料の高い私立学校に通い、受験する。いくら勉強が出来ても、貧しいモードさんには高嶺の花。
2010年、救世主が現れた。プラチナ鉱山会社「ジムプラッツ」(Zimplats)がサンドリンガム高校(Sandringham High School)の授業料を払ってくれることになったのだ。
昨年、Aレベルで12ポイント獲得。ジンバブエ大学に進学するのに十分な成績だ。しかし、12月、母親が亡くなってしまう。。。
「将来は専門職につきたい」というモードさん、大学では会計学を学ぶ予定。大学4年間の学費は、国税庁(Zimbabwe Revenue Authority)が出してくれることになっている。
(参考資料:2012年6月4日付「The Times」など)
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