2010/07/10

表現の自由と個人の尊厳 マンデラの死体解剖図

ヨハネスブルグのアーティストYiull Damaso氏(41)の描きかけの絵に、自称マンデラの娘の友人が抗議した。マンデラの娘が怒っているというのである。

問題の絵はレンブラントの名画「テュルプ博士の解剖学講義」のパロディー。メスを取るのは、有名なエイズ孤児ンコシ・ジョンソン(既にエイズで死亡)。見守るのは、デズモンド・ツツ元大司教、FWデクラーク元大統領、ターボ・ムベキ元大統領、ジェイコズ・ズマ現大統領、トレバー・マニュアル大臣、元解放運動闘士で現ビジネスマンのシリル・ラマポザ、それに野党党首で西ケープ州知事のヘレン・ジレ。そして、解剖されている死体がネルソン・マンデラ。

マンデラは、今月18日で92歳になる。殆ど公の場には姿を見せない。時折目にする写真では、衰えが目立つ。「マンデラの死は私たちが個人として、国として向かい合わなければならないこと」とダマソ氏。展示しているハイドパーク・ショッピングセンターでは「論争を呼ぶ作品だが、表現の自由を支持する」。

与党ANCは例によって、「悪趣味、不遜、侮辱」「黒魔術」「人種差別」と過剰反応ぎみ。マンデラ自身、マンデラ財団、家族からの抗議は今のところない。

ダマソ氏はショッピングセンターのオープンスペースで、訪れる人々と対話をしながら、今後数週間かけて絵を完成する予定という。

 
(レンブランドの「テュルプ博士の解剖学講義」とダマソ氏の作品)

(参考資料: 2010年7月9日付「Mail & Guardian」など)

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