2010/09/30

14倍になった電気代 ジョハネスバーグ市と格闘 その1

9月分の請求書がジョハネスバーグ市から届いた。含まれるのは、電気代、上下水道料金、ゴミ回収料金、そして固定資産税。2、3か月前から不穏な動きを見せていた電気代が、とうとう狂った。今年の初めには6000円程度だったのが、なんと8万4000円に。請求書全体の金額は、1万5000円から9万4000円に。。。

つい数年前まで、毎月の電気代は2000円を切っていた。それが「南アの電気代は世界一安い」「設備の拡大・修復にお金がかかる」「電気会社が大赤字」などなど騒がれてるな~と思っているうちに、大幅上昇してしまった。今年から3年間、更に毎年30%ずつ程度上がるらしい。だが、それにしても。。。

一人暮らしの小さな古い一軒家である。電気はマメに切っている。テレビもない。同居している猫たちが、こっそり浪費しているとも思えない。

メーターをチェックしてみると・・・。請求書に記載されている数字と全く違う。早速、市に抗議の電話を入れる。

ジョハネスバーグ市では、問い合わせや苦情の内容ごとに別だった電話番号を一本化。停電しても、水道管が壊れて道が水びたしになっても、引っ越ししても、請求書がおかしいと思っても、011 375 5555にかける。一見便利になったようだが、実は住民サービスの著しい低下を招いてしまった。

誰も電話に出ないのである。話し中とか電話が鳴りっ放しなのではない。一応機械が自動的に答える。「出来るだけ早く応対しますので、お待ちください。」そして、延々と音楽が流れる。30分くらいしたら、切れてしまう。その間、住民は通常の電話料金を払うことになる。

ごくたまに、人間と話すことが出来ることがある。だが、殆どの場合全く要領を得ず、頭に来るか情けなくなる。奇跡的にちゃんと応対する人に巡りあっても、それが問題解決に結びつくことは野生のトキを見つけるよりマレである。

住民への対応をコールセンターに任せたことにより、市は「匿名化=責任所在の否定」に成功したのである。以前だったら、「xx課のxxさん」と話し、問題が解決していなければ、同じ人に電話してフォロー出来た。今は誰が電話に出るかわからないし、電話にでる係員の仕事は、問い合わせ・苦情をコンピュータに入力するだけだから、質問しても答えることができない。顔のない仕事だから、ボタンが点滅する(と想像している)電話の側でお喋りに興じていても平気である。

問い合わせ用Eメールアドレスもある。jobourgconnect@joburg.org.za。だが、返事を期待しても無駄だ。

こちらも慣れたもので、我が家の電話はスピーカーつき。誰かがそのうち答えるかもしれないのを、イライラしながら受話機片手に待つことはしない。受話機を電話機にかけたまま、パソコンに向かって仕事を片づける。

こうやって半日過ぎた。仕事もひと段落ついたことだし、電話はあきらめ、市のオフィスに出向くことにする。グーグルしたところ、市の「顧客センター」が各地にあることがわかる。一番近いのは、車で10分の距離。道路工事のせいで30分かかったが、なんとか辿りつく。

見晴らしの良い、丘の上の立派な建物。ダイナーズクラブも入っている、というからでもないが、なんとなく期待してオフィスに足を踏み入れると。。。。。

職員3人。動いているコンピュータは1台。その前で、職員1(お婆さん)が「さっきまで動いてたんだけどね~」と気の毒そう。職員2(やはりお婆さん)は居眠りの真っ最中。職員3(若い女性)はやたら饒舌。「その靴いいわね~。どこで買ったの~? 私にも一足買ってよ~。」!?!

とか言っているうちに、終業時間の4時。明日は、別の顧客センターに行ってみよう。

憲法にしても、コールセンターにしても、顧客センターにしても、カタチは整っているのに、運営する人材に問題がありすぎの南アフリカ。明日は、どうなることやら。。。

2010/09/26

寒村に双子が100組以上!? 東ケープ州

東ケープ州のフィドフェスヴィル(Viedgesville)は、半径10キロの円に収まる小さな村。そこに就学年齢の双子が100組以上いるという。ギネスブック記録確実だ。マスコミが押しかけたり、世界中の科学者の注目を浴びてもおかしくないが、やってきたのはサッサ(Sassa)。南アフリカ社会保障庁(SA Social Secirity Agency)である。

Sassaが設立されたのは、2005年。児童手当、老齢年金、身体障害者手当などの補助金年間900億ランド(1兆8100億円)を約1200万人の貧しい国民に支給している。人口の約4分の1が福祉手当を受給している計算だ。様々な手当てのうち、受給者が一番多いのが児童手当。対象となるのは、15歳以下の貧しい家庭の子供たち。ひとり当たり月250ランド(3000円)が約800万人に支給されている。

勿論、手当を受け取るには、受給資格を満たしていることを証明する必要があるが、公務員の汚職がはびこるお国柄、特に田舎では簡単にごまかせる。不正な受給額が全国で年15億ランド(180億円)にのぼると推定されており、とうとう1カ月ほど前、Sassaが設立以来初めての調査に乗り出した。

その手始めが、東ケープ州の農村地域である。内務省やSassaなど地元の役人、伝統的指導者、警察が住民とぐるになり、福祉手当の不正受給に関わっているといわれる。だが、証明するのは大変な作業である。

フィドフェスヴィルで村ぐるみの不正が行われているという密告情報を得たSasaa。本庁の職員が村に足を運び、児童手当を受けている子供をひとりひとり特定していった。存在しない可能性がある双子、なんと125組。

迎え撃つ住民たちは、一筋縄ではいかない。村全体で協力して話を合わせ、聞かれそうな質問を事前にリストアップし、練習までしていた。大人だけではない。4歳の子供に至るまで、親に教えられた通り平気で嘘をつくのだから恐れ入る。限りなく怪しくても、シラを切り通す。どう見ても生後15カ月程度の赤ちゃんを連れて来て「3歳だ」と言い張る親や、「別の州の親戚の家に遊びに行っている」とうそぶく親。出生届の記載誕生日が離れている子供2人を「双子だ」という親。村人たちの殆どが正規の学校教育を受けていないというが、その組織力としたたかさに調査員はあきれるばかり。

東ケープは、南アフリカで最も貧しい州のひとつだ。特に、旧ホームランドの農村部で貧困が目立つ。全国では60%以上が都市部に住むのに、東ケープ州では65%が農村部に住む。一人当たりの収入は、全国平均の半分。

根本的な貧困問題が解決しない限り、住民たちは更にしたたかになって、もっとバレにくい福祉手当の不正受給方法を考えだすに違いない。

(参考資料:2010年9月26日付「Sunday Times」など)

2010/09/24

南アフリカは南米や東欧より安全 W杯観光客の実感

サッカーワールドカップ(W杯)観戦のため、南米や東欧から南アフリカにやってきた人たちの殆どは、南アフリカが自分の国より安全だと感じた。南ア野党DA(民主連合)がW杯期間中、全国のスタジアム、空港、バス、ハウトレインなどで行った調査結果だ。

アンケートに応じた98人のうち、26.4%が南アは「非常に安全」、69.8%が「安全」と感じた。物価が「手頃または自国と同じ程度」と答えたのが48%、「南アの方が安い」と思ったのが45%。南アで一番良かったのは「美しい自然」、一番悪かったのが「交通システム」。

「非常に危険且つ物価が高いところと事前に言われてきたが、予想と全然違い、安全で安い国」というのが大半の実感。特に、南米から来た人たちは「うちの国にはもっと危険な町がある」と答えた。

海外でのイメージの悪さと実際に訪問した時の経験のギャップが大きいことから、観光が経済成長を促進する可能性がまだまだあるが、それには、労使問題を解決し、つい自国の欠点を吹聴する南ア人の悪い癖を自重し、且つ積極的にマーケティングすることが必要とDAでは見ている。

(参考資料:2010年9月20日付「The Times」など)

2010/09/21

大統領と食事 お値段は600万円

権力のあるところに金は集まるもの。元解放運動組織のANC(アフリカ民族会議)も例外ではない。アパルトヘイト下で虐げられていた貧しい黒人のチャンピオンだったはずなのに、政権を取ってからはしっかり財界と癒着している。

現在ダーバンで開催中の与党ANCの党大会。開幕前日の夕食会には、利権のおこぼれを狙って、ビジネスマンが群がった。

選挙で他党を圧倒するANCは、中央政府を完全掌握しているだけではない。9つの州のうち、8つまでを掌中に収める。中央政府各省の大臣、副大臣は勿論ANCからだが、次官クラスにも党員が多い。政治家や官僚と親しくなって、入札などで便宜をはかってもらおうとする企業家にとって、ANCの有力党員が一堂に集まる党大会は、絶好のチャンスである。政治家側も多額の袖の下を期待する。

ANCは「これを党の資金集めに活用しないはずはない」と席に値段をつけた。大統領と同じテーブルに座る代金は、なんと50万ランド(600万円)。閣僚クラスで、10万ランド(120万円)以上。見返りの大きさを考えると高くはないという。

ズマ大統領と同席したひとりは、パトリス・モツェペ。1962年1月28日生まれの48歳。鉱業界の大物。総資産が100億ランド(1200億円)を超えると推定されている(2009年)。「フォーブス」誌の金持ちランキングでは、世界で503番目(2008年)。10年前には既に、南アで屈指の超大金持ちとしてマスコミを賑わしていた。

モツェペ自身の能力や才覚もさることながら、短期間にここまでのし上がった陰には強力なコネの力がある。姉ツェピソの夫は、シリル・ラマポザ。マンデラを次いで大統領になるとまで言われたANCの有力者で、その後財界へ移った大富豪。もうひとりの姉ブリジットは、やはりANCの重鎮のジェフ・ハデベ現法相と結婚している。

ターボ・ムベキ元大統領の弟で政治学者のモエレツィ・ムベキは、黒人がコネでのし上がる現状を「縁故資本主義」(crony capitalism)と呼び、競争を阻害するシステムと批判的だが、モエレツィがビジネスマンとしても成功したのは、失脚前の兄が政界の大物だったオカゲが大きいから、偉そうなことも言えない。

一方、ズマ大統領は小学校にも行っておらず、解放運動に身を投じ、政治家になるまでは働いて給料をもらった経験がない。経済観念が欠如しており、賄賂や縁故に甘いと見られている。

モツェペとズマが仲良く座ったテーブルは、失業率25%、黒人労働者の年平均所得が約1万2000ランド(14万4000円)、貧富の差の拡大が懸念される南アで、なにやら象徴的である。

(参考資料:2010年9月20日付「The Times」など)

2010/09/19

ジョディ・ビーバー 「タイム」誌の表紙を撮った南ア人写真家

ジョハネスバーグのRCHCC(Rabbi Cyril Harris Community Centre)は、シナゴーグに併設されたコミュニティセンター。映画、講演会、絵画展、趣味の集まりなど、毎日のように様々な催し物が行われている。その全てがジューイッシュ(ユダヤ系)絡み。逆に言えば、ジューイッシュ的要素があれば、なんだってあり、なのである。

ジョディ・ビーバー(Jodi Bieber)の講演会に行ってきた。鼻を削がれた若いアフガニスタン女性の写真が「タイム」誌の表紙に採用されたことで、世界中に名前が知られることになった南ア人の写真家。勿論、ジューイッシュ。1967年生まれ。ジョハネバーグ育ち。

1993年にジョハネスバーグの新聞「スター」の暗室助手となり、1996年まで同紙のカメラマンとして、南アフリカが民主化する激動の過程を追った。幸運な時期にカメラマンになったといえよう。その後フリーに転向。報道から身を引き、自分のプロジェクトに取り組む。10年にわたって、貧しい白人やカラードのギャングなど南ア社会の周辺に存在する若者を撮った「Between Dogs and Wolves – Growing up with South Africa」や、肥満の黒人女性や81歳の白人女性をはじめとする、ごく普通の女性たちが下着姿で自分の体に対する思いを語った「Real Beauty」などがある。

報道写真家ではなく、ポートレート(肖像)を得意とすることから、「タイム」誌に仕事を求めて行った時は期待していなかった。だが間もなくして、「アフガニスタンの女性たちを撮らないか」との声がかかる。

表紙のモデルとなったのは、18歳のアイーシャ(Aisha)。夫とその家族の虐待に耐えかねて逃げ出したがつかまる。タリバンの判決は、耳と鼻を削ぎ落すこと。地面に抑えつけられたアイーシャの耳と鼻をナイフで削ぎ落したのは夫だった。ジョディが出会った時は、施設に保護されていた。

ライターに頼まれたプロのカメラマンと被写体。最初はどうもうまくいかなかったという。サジを投げ、通訳を介してひとりの女性とひとりの女性として話し始めた。「望むことは?」の問いに、アフガニスタンにおける女性の地位改善とか、タリバンの壊滅とかいった大きな話はせず、一言「耳と鼻を返してほしい」。その毅然とした正直さに心が打たれた。その瞬間、部屋の空気がすっと明るくなったのを感じた。

「タイム」の編集者はこの写真を喜ばないだろうと思ったという。確かに、耳と鼻があるべきところにぽっかりあいた穴を強調した、いかにも可哀そうな写真を撮ることは可能だった。だが、ジョディは尊厳に満ちたアイーシャを撮りたかった。グロテスクな悲惨な姿では、読者が反射的に目をそむける。そうではなく、見た人にまず「なんて綺麗な少女なんだ!」と思わせ、「あれっ? 何か変・・・・」と考えさせることを狙った。

結果として、「タイム」誌はこの写真に難色を示すどころか表紙に使い、大きな反響を呼んだ。

外に出て資金集めをするのが苦手、というジョディ。これまでは、スポンサーなしに自分のプロジェクトに打ち込んできた。有名になった今は、スポンサーが向こうからやってくるかもしれない。

次のプロジェクトは「まだ秘密」とのこと。「口に出すと、うまくいかないかもしれないから。」 いたずらっぽい目をして、シャイにほほ笑んだ。

2010/09/10

南アフリカは世界3位の肥満大国

欧米や日本の人々にとって、「アフリカ」といってまず頭に浮かぶのは、「野生動物」「貧困」「飢餓」「内戦」。だが、最後の3点は過去のものとなりつつある。独裁政権の数が激減し、完全な民主主義とは言えないまでも、民主主義の形態をとる国家が大半となった。経済成長も多くの国でめざましい。

その先端を行く南アフリカでは、肥満の面でも欧米並み。それどころか、アメリカ、イギリスに次ぐ世界第3位という不名誉な地位を獲得した。その原因は、動かないことと炭水化物の摂りすぎ。

体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割ったものをBMIという。BMIが18.5未満が「低体重」(underweight)、18.5~24.9「普通体重」(normal weight)、25.0-29.9「過体重」(overweignt)、30.0~34.9「肥満」(obese)、35.0-39.9「重度の肥満」(severe obese)、40.0-44.9「病的な肥満」(morbidly obese)。そして、45.0以上は肥満の横綱「スーパー肥満」(super obese)となる。

9月8日に発表された、大手製薬会社グラスコスミスクライン社の調査によると、南アフリカの成人の61%、9歳以下の子供の17%が太りすぎ(BIM25以上)というのである。

調査の対象になった4都市のうち、太りすぎが一番多かったのはケープタウンの72%。以下、プレトリア68%、ジョハネスバーグ59%、ダーバン52%と続く。

「運動は大切」と思っているのは47%。だが、42%が健康に全く注意を払っていない。全く運動をしていない人が49%、これまで一度もダイエットをしたことがない人が71%もいる。

61%もが肥満という現状にも拘らず、健康に関心がなかったり、ダイエットを一度も試みたことがない人がこれほど多いのは何故か。

実は、自分で自分が太っていると思っていないのだ。

他の人が太っていたら気がつくという人が74%もいるのに、自分が太っていると思っている人は34%しかいないのである。それどころか、「肥満」の78%、「病的な肥満」の52%が、自分は「概ね健康」または「とても健康」と信じている。

BMI30以上が人口の3%しかいないのに、1億こぞってダイエットにいそしんだり、メタボ体型を気にしたりする日本人に比べ、南ア人はおおらかというべきか、自分に甘いというべきか。こんなところにも、国民性の違いが垣間見えて面白い。

(参考資料:2010年9月9日付「The Times」「The Star」など)

2010/09/07

クワズールーナタール州で幽霊教師探し

クワズールーナタール(KZN)州教育省では、幽霊退治の真っ最中。実際は教鞭をとっていないのに、小中高校で教えていることになっている税金泥棒の取締りである。

教師に限らず、南アフリカにはこういった税金泥棒が結構いる。公務員として名簿に名前が載っていて、給料を貰っているのに、実は働いていない。日本でも最近、既に死亡しているのに届を出さず、生きているものとして家族が年金を受け取る例が問題になったが、これも南アフリカでは目新しいことではない。

政府支給の老齢年金は、現在月1000ランド強(約1万2000円)。63歳以上の男性と60歳以上の女性のうち、財産及び収入が規定額以下の南ア国民及び永住権所有者が対象となる。働いている期間、給料から貢献する必要はない。勿論、財産・収入の条件を満たし、この金額で生活できるのは、貧しい人だけだから、中流以上は元気なうちに自力で貯蓄するしかない。

日本円にしてみれば微々たる支給額だが、2010年第2四半期の失業率が25.3%、仕事を探すのをあきらめた人を含めると34%を超える中、お爺さんやお婆さんの年金に一家全員が頼っている家族も多い。老齢年金、子供の扶養手当、障害者手当てなどはあるが、公的な失業保険はない。

既に死んでいる人を選挙人登録し、与党に「投票」させるのも、南アフリカではそれほど一般的ではないが、隣国ジンバブエをはじめとして、アフリカではよく使われる手だ。

KZN州では、既に10万人以上の教師が幽霊かどうか調べたという。うち、一体「幽霊」が何人いたものやら。次の作業は、存在する個々の教師が教育省に提出した証明書のチェック。そもそも証明書が本物で、教壇に立つ資格があるのかどうかを確認する。また、「教える」資格があった場合でも、今教えている科目やレベルを教える資格があるのかどうか調べていくわけである。

税金の無駄遣いを減らすだけでなく、教員のレベルアップの一助となることを祈っている。

(参考資料:2010年9月7日付「Business Day」など)

2010/09/02

暴動を起こそう!

3週目に突入した全国公務員スト。とうとう政府が折れて、7.5%の賃上げと月800ランドの住宅手当を提示。組合の要求はそれぞれ8.6%と1000ランド。これまでの政府のオファーは、7%と700ランド。ここでお互いに折れるのが妥当・・・という論理・心情は、南アフリカの労働組合には通じないらしい。なんと、オファーを蹴ってしまった。それどころか、今日、ヨハネスブルグ市内で組合員がデモ。

警察や刑務所の看守はまだストに参加していないものの、サッカーワールドカップで1ヶ月休校し、それでなくてもカリキュラムをこなすのが遅れている公立学校は、教師のストで休みのまま。公立病院も、看護婦などの職員ストが続いている。

それに加え、昨日からガソリンスタンドの従業員がスト。南アフリカでは、都市でも公共の交通機関が発達していないため、通勤や子供の送り迎えなどにマイカーを使う人が多い。ガソリンスタンドはセルフサービスではないから、従業員ストはいい迷惑だ。

隣国モザンビークの首都マプトでは、住民の暴動が始まった。光熱費と物価の上昇に対する住民の不満が爆発したもの。電気代13.4%、水道代11.7%、パンの価格25%の値上げを政府が発表したことが引き金になった。暴動の初日は死者6名、負傷者27名、逮捕者142名が確認されている。

マプトの空港が閉鎖されたことで、南アフリカとマプトの間の飛行機が全てキャンセル。数百人の南ア人がモザンビークから出国できない事態になった。

「困ったものだ」と思いながら、ヨハネスブルグ市から来た光熱費・固定資産税の8月分請求書を開けてびっくり。これまでは電気代、上下水道代、ゴミ回収代、固定資産税をあわせて月1000ランド(約1万2千円)弱。それでも高いと思っていたら、先月の請求書では一挙に2500ランドに。しばし呆然としながらも、黙って支払った。それがなんと、今回は3600ランドというのである! 4万3000円。いくら市の財政が苦しいとはいっても、行政の不手際を棚に挙げて、全てを住民に押しつけるのはアンマリではないか。これから毎月、どうやって払っていったらよいものやら、目の前が真っ暗になった。

私も暴動を起こしたい。