ラベル 自然・環境保護 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 自然・環境保護 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018/01/30

ケープタウンの水不足 4月12日に蛇口から水が流れなくなる!

ケープタウン在住の友人からこんな写真が送られてきた。


 「私の節水努力よ。洗濯機の水を水洗トイレに再利用!」との説明付き。

南アフリカは全国的に水不足。特に、冬が雨期のケープタウンでは、去年も一昨年も冬に殆ど雨が降っていない。ノムヴラ・モコニャネ(Nomvula Mokokyane)水資源大臣によると、「400年振りの大旱魃」。(400年も統計を取っているはずはないと思うけど。。。)

2017/11/20

トランプ、アフリカにも悪影響 野生動物保護の危機

アフリカにはあまり影響がないと思われていたトランプ政権だが、11月15日(水)大変迷惑な発表を行った。「アフリカでの狩猟を促進する」というのである。

その理由は、アメリカ人ハンターがアフリカに出向き、絶滅危惧種を含む大型動物を殺すために大金を払うことで、地元のコミュニティが経済的に潤い、動物保護資金が増える。つまり、これまで欧米のハンティング愛好者が主張してきた「野生動物を殺すことが野生動物の保護につながる」という変な理屈の受け売りである。

その一環として、ジンバブエとザンビアで「合法的」に狩猟したゾウの牙をアメリカに輸入することを許可した。(絶滅危惧種を「合法的」に殺せるアフリカ諸国の政策は絶対おかしいと思う。しかし、大統領が率先して狩猟全面禁止に踏み切ったボツワナ以外の国では、政治家や役人の多くが欧米ハンターやロビー団体がもたらす大金に目が眩んでしまっている。)

トランプの息子、ドナルド・ジュニアとエリックは狩猟が大好き。アフリカに来ては野生動物を殺している。

長男のドナルド・ジュニアはこんな写真をソーシャルメディアにアップしている。

ゾウは絶滅危惧種

殺したゾウの尻尾をナイフで切り取ったもの。

生まれてから何一つ不自由なく生きてきたお金持ちのボンボンが、完璧に安全な環境の中、何百万円も払って払ってゾウを射殺し、その尻尾をナイフで切り取り、自慢げにソーシャルメディアにアップしている。そんなこと、なんの自慢にもならないことに全然気がついていない。

2017/09/26

サイの角の密輸最新トレンド ブレスレッドなどに加工

野生動物取引をモニターする世界的NGO「TRAFFIC」が今月、"PENDANTS, POWDER AND PATHWAYS:A rapid assessment of smuggling routes and techniques used in the illicit trade in African rhino horn"(ペンダント、粉、経路 ~アフリカサイの角の違法取引に使われる密輸経路と手口に関する概説)という報告書を発表した。



サイの角の密輸形態に変化があるという。

サイの角は国際取引が禁止されているから、産出国のアフリカ諸国から消費国のアジア諸国に送るには密輸しかない。これまでは、角の形のまま、うまく隠して送るのが一般だ。

サイの角 密輸経路 2016年‐2017年6月に把握されたもの(TRAFFICの報告書から)

しかし、サイの角はデカい。隠すのはなかなか大変である。

昨年マレーシアで押収され、記者会見の席に展示されたサイの角(The Citizen

これは電気コイルの中に隠した例。チェコの捜査官が見つけた。

TRAFFICの報告書から)

詰めやすいよう角を輪切りにし、いくつかのフライトに分けて持ち込んだ例もある。これは2015年7月26日と27日、モザンビークからの便で送られれ、香港で見つかり押収されたもの。2本の角をそれぞれ5つに輪切りしている。

2017/06/12

虐待から救出されたライオン、アフリカの「聖地」で密猟の犠牲に

2017年6月5日の朝、サヴァンナ・ハウザー(Savannah Heuser)さんと母親のミヌエット(Minuette)さんはいつも通りボランティア2人を連れて、ライオンの餌やりに出発した。ところが、普段なら首を長くして餌を待っているオスライオンのジョゼ(José)とリソ(Liso)の姿が見えない。呼んでもやって来ない。

不吉な予感。

あっ、数メートル離れたところに横たわっている2頭が見える。頭と足としっぽが切り取られた悲惨な姿で。。。

ライオンやトラなど大きな猫が大好きなサヴァンナさんは、弱冠16歳だった2012年、南アフリカのリンポポ州にハウザー家が所有する5000ヘクタールの土地に、大型猫のための聖地「エモヤ」(Emoya)を開設したサーカスや動物園などで虐待されてきたライオンたちに、アフリカの地で幸せな余生を送ってもらいたいという一念からだ。

サヴァンナ・ハウザーさん(Emoya Big Cat Sanctuary

最初にやって来たのは、カイロで救出されたライオン。2013年6月のことだ。保護する猫たちは3年間で8頭になった。あくまでも、虐待されていた猫たちに安息の地を与えることが目的だから、商売ではない。また、繁殖も行わない。メスには避妊薬を与えている。

2016年、サヴァンナさんとエモヤは、大きくニュースで取り上げられた。世界中で動物保護のロビー活動を展開する「アニマル・ディフェンダーズ・インターナショナル」(Animal Defenders International)が、コロンビアとペルーのサーカスから救出したライオン33頭の終の棲家として、エモヤを選んだのだ。

2017/05/29

すべてはミツバチのために 後ろ向きで走るマラソンランナー

来週の日曜日(6月4日)、今年度のコムレイズ(Comrades)が開催される。クワズルナタール州のダーバン/ピーターマリッツバーグ間の約89キロを走る、世界最古・最長のウルトラマラソンだ。参加できるのは2万人だけ。世界60か国以上から走者が集まる。

今年の参加者のひとりに、変わったスタイルで走る人がいる。コムレイズを走るのは今回で5回目という、ファライ・チノムウェ(Farai Chinomwe)さんだ。ファライさんは後ろ向きに走る。後ろ向きに走ることで、世間の注目を浴び、ミツバチに対する意識を高めることが参加の目的。優勝など目指していない。

ファライさん(storytelling.co.za


ファライさんの人生、人柄はまさに自然体

生まれたのはジンバブエの南東部の町、マスヴィンゴ(Masvingo)。自然に囲まれて育った。誰もが楽器を演奏する村だったという。

2000年にケープタウンに移り、ラスタファリアン(Rastafarian)になる。

カリブ海、特にジャマイカで、アフリカを帰還すべき約束の地と定め、エチオピアのハレ・セラシエ(Haile Selassie)皇帝を黒人の救世主として崇拝する宗教・政治的運動を「ラスタ主義」「ラスタファリアニズム」(Rastafarianism)という。ハイレ・セラシエの本名「ラス・タファリ」(Ras Tafari)からつけられた名称だ。

ラスタファリアンとはラスタ主義の信奉者のこと。マリファナの使用と、ドレッドロックス(長髪を縮らせて細かく束ねたヘアスタイル)と、レイドバックな生き方で知られる。

ドレッドロックスといえばボブ・マーリー

ファライさんの改宗の理由は、「けばけばしいライフスタイルとは関係ない生き方をしたかったから」。

2017/05/18

遺伝交配で蘇ったクアハ 絶滅種を再び地上に

1883年8月12日、アムステルダム動物園でクアハ(quagga)のメスが死亡した。その3年後の1886年、南アフリカはクアハの狩猟を禁止する。しかし、誰も気がついていなかったのだけど、実は既に、世界のどこにもクアハは生存していなかった。つまり、1883年8月12日をもって、クアハは絶滅してしまったのである。

クアハ。体の前半分がシマウマ、後ろ半分と足がロバのような動物だ。

在りし日のクアハ(Cool Green Science

世界中に残っているクアハの皮は23体だけ。しかも、結構個体差がある。野生で生きるクアハを研究した者はいない。

2017/04/11

ギャングから華麗な転身 地球と地域社会を大切にするエコビジネスマンへ

私腹を肥やすことにしか興味がなく、国の舵取りをする能力ゼロ、国民をないがしろにして権力にしがみつく大統領。大統領を頂点とした権力者とのコネにすがって、やはり私腹を肥やすことにしか関心がない、政治家、公務員、企業人、私人。。。政治、経済、教育、基本的公共サービス、社会制度のどれをとっても、悪化の一途。ついに南アフリカの信用格付けが「ジャンク」(junk)、つまり「ゴミ」「ガラクタ」並みに落とされてしまった。

このところ情けないニュースばかりで、なかなかブログを書く気になれなかったが、久しぶりに元気になる話を耳にした。

麻薬中毒のギャングが立ち直り、環境に優しい洗剤などの製造販売会社を設立したという。

2016/12/17

ゾウを救え! ディカプリオとプーチンの元側近が個別にドキュメンタリー映画を制作

セルゲイ・ヤストルジェムブスキー(Sergey Yastrzhembsky)は元ロシアの外交官。1953年12月4日生まれ。歴史学の博士号取得後官僚となり、ボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)やウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)の報道官、EU大使などを務める。

プーチン側近時代のヤストルジェムブスキー(The Times

2008年に退官してから、どういう経緯からか、アフリカでドキュメンタリー映画の制作を開始。2012年、プロデューサー兼監督として初めての作品を発表。アフリカの部族の生活を描いた『Africa, Blood and Beauty』(アフリカ 血と美しさ)だ。

ドキュメンタリー映画監督になったヤストルジェムブスキー(Bank of Cyprus Cultural Foundation

野生動物を殺すのも好きらしい(Sportsmen on Film

最新作は今年公開された『Ivory: A Crime Story』(象牙 犯罪物語)。3年かけて、30か国で撮影。250時間もの映像を1時間27分にまとめた。制作費用100万ドル。野生のゾウが15分に1頭という空恐ろしいペースで、象牙目当ての密猟のために命を落としている現状を憂えて制作したというこの映画は、中国、ベトナム、タイの大物象牙バイヤーを名指しで非難している。

2016/07/05

カナダの森林火災救助に駆けつけた南アの消防士 ほとんど働かないままスト

2016年5月1日、カナダのフォートマクマレー(Fort McMurray)で森林火災が発生した。5月3日には住宅街に広がり、約2400軒の家屋やビルが焼失。住民は安全を求めて逃げ出し、アルバータ州史上最大の避難民が生まれた。火災はその後も広がる一方。収まったのは6月中旬に雨が降ってのことだ。カナダ史上、最も被害総額が大きい自然火災となった。

避難する住民(Wikipedia


南アフリカの消防士301名が2週間の救助に駆けつけたのは6月上旬。エドモントン国際空港で歌い踊る雄姿が報道され、なかなか頼もしかった。



ところが、救援活動5日目の6月8日、南アの消防士たちはストに突入してしまう。民間企業の労働者はもとより、人命を預かる看護婦や、教育を司る教師や、囚人の警備に当たる看守や、市民の生活を守る警察官まで平気で違法ストをするお国柄とはいえ、異国の苦境を救うために派遣されていながら、仕事をそっちのけでストライキとはよほどの事情があったのだろうか。

・・・と思ったら・・・

2016/06/21

やっぱりレンジャーがグルだった!南アフリカのサイの密猟

きっとそうだろうな、と疑ってはいたが、事実としてはっきり目の前に突きつけられて、唖然愕然とする。クルーガー国立公園でサイを守る立場にあるレンジャーたちが密猟に加担していたのだ今月に入って、既に4人が逮捕され、2人が停職処分を受けたという

20世紀の初頭、アフリカ、アジアに約50万頭生息していたと推測されるサイは、1970年頃には7万頭、現在では2万9千頭にまで激減している。うち一番数が多いのは南部シロサイの約2万頭。その9割が南アフリカに生息する。

サイの生息分布状況(Save the Rhino


南アフリカにおけるサイの密猟数は、2000年(7頭)から2007年(13頭)の間、年6頭から25頭の間を上下していた。それが2008年、83頭に急増し、その後も毎年、飛躍的に増加。2014年には、なんと1215頭ものサイがツノ目当てに殺されてしまった。2015年は1175頭と前年より多少減少したが、それでも油断できるレベルではない。(今年は5月8日現在で363頭。)

南アにおけるサイの密猟数 2007年-2015年(Save the Rhino


被害が断然多いのが、クルーガー国立公園。南アフリカに数ある野生動物保護地域の中でも世界で一番有名であり、南アのサイの半数以上がここを住処とする。

2016/05/11

最高のキャンプサファリ ボツワナ

仕事で何度か、ボツワナでキャンプをする機会があった。

国立公園のど真ん中、ライオンやハイエナやゾウやバッファローなどがいるところに、特別な許可を取って、柵も何もなしにキャンプを張る。といっても、設営はプロのスタッフがやってくれる。通算で50泊くらいしただろうか。

1日24時間サファリ状態。夜、まわりに人の気配がないキャンプを取り囲むのは、漆黒の闇。頭上には、大きなカゴに山盛り入った星をワシづかみにして振り撒いたような、満天の星空。くっきりと白い天の川は「ミルキーウェイ」(ミルクの道)という英語がぴったり。聞こえるのは野生動物の声だけ。そして、信頼できる、腕の超確かなガイド、シェフ、スタッフがサポートしてくれる。焚火と鍋だけで、こんなに美味しい料理ができるなんて感動もの。

左上や下部の星が見えないところは木があるため

ボツワナという国がまた素晴らしい。1966年の独立時には、世界でも最貧困国のひとつだった。それが1970年代初頭、ダイヤモンドの発見により一躍裕福になる。しかし、権力者が富を独占し、私欲を肥やし、国民の生活を顧みない国が多かった当時のアフリカには珍しく、大統領をはじめとして立派な政治的指導者に恵まれた。


「ダイヤはいつか枯渇する」と、観光と教育に力を注ぐ。10年間の義務教育は無料。公共の医療機関も無料。

環境保護にも余念がない。チョベには、世界のどこよりも多くのゾウが集まる。一時はゼロだったサイの再導入も、大統領の全面バックアップを得て始まった。大型動物のハンティングどころか、狩猟は全面禁止。公園内に銃の持ち込みはできない。陸軍の密猟取締り班が目を光らせ、密猟者はその場で射殺される。また、外国人観光客の国立公園入場料や公園内宿泊料をかなり高く設定する一方で、ボツワナ国民・居住者は誰でも払えるような安値で公園を楽しめる。

国民性も好感が持てる。特に南アフリカから来ると、その違いに愕然とする。もちろん、どこの国にも色々な人がいるものの、ボツワナ国民は概ね、温厚で働き者。民度が高い。

南を南アフリカ共和国、西と北をナミビア、東をジンバブエ、北をザンビアに囲まれた内陸国(Wikipedea


すっかりボツワナファンになってしまった私。なんとか応援したい。

そういうわけで、昨年日本に一時帰国した際、ボツワナという国と国民、そしてキャンプサファリの素晴らしさを熱っぽく吹聴していたら、「行ってみたい!」という声が続出。そこで、参加者を募り、今年のゴールデンウィークにプライベートツアーを企画してみた。一橋大学イノベーション研究センターの米倉誠一郎教授(兼日本元気塾長兼プレトリア大学日本研究センター顧問兼NPO「アフリカ象の涙」顧問)と一緒に南アフリカに来たことがあるメンバーを中心とした、夫婦2組(1組は新婚旅行!)、シングル女性3名、シングル男性1名、それに私の計9名。

2015/09/13

子犬のようにはしゃぐサイに複雑な気分

世界中にあと5頭しか生存しないキタシロサイについては、以前このブログに書いたことがある。(絶滅まで秒読み段階 全世界に僅か5頭のキタシロサイ

泣いてもわめいても、世界に1頭しかいないキタシロサイのオス「スダーン」。そのスダーン君の暮らしぶりを動画で見つけた。(スーダン出身なので国名を取って名付けられたのだが、「スーダン」は英語では「スダーン」と発音される。以下紹介する動画内で「スダーン」と発音されているので、ここでもスダーンにしておく。)

1日24時間、武装した警備員に守られているスダーンとメス2頭。ツノを狙う密猟者対策だ。それでも万全を期して、スダーンのツノは切り取ってある。

スダーンと護衛の警備員たち(The Dodo

3頭はチェコ共和国の動物園から、ケニアの保護区にやってきた。警備員曰く、「雪がたくさん降るところで、コンクリートの中で暮らしていたんだ」。

スーダン生まれとは言え、動物園で30年以上暮らしたスダーンと、動物園生まれのナジンとファツ。3頭とも人間の姿に慣れている。警備員たちも、四六時中3頭と一緒にいて、情が移ってきた。

警備員たちはスダーンについてこう語る。

名前を呼ぶとやってくる。お腹の下や耳の後ろを掻いてもらうのが好き。
「危険じゃないよ。来園者や俺たちに愛嬌をふりまくんだ。

その仲むつまじい姿がこれ。

2015/08/30

サイにゾウの皮膚を移植 密猟犠牲者の救助

イテンバ(iThemba)は南アフリカのクワズルナタール州で暮らすメスのサイ。8月の初め、密猟者に襲われ、2本のツノのうち1本を切り取られた。なんとか命を取り留めたものの、一緒にいた赤ちゃんは殺されてしまった。

密猟者に襲われ傷ついたイテンバ(Saving the Suvivors

密猟者の攻撃には負けなかったが、傷口から細菌が入ったりしたら、それが元で死んでしまう可能性がある。

野生動物専門の外科医、ヨハン・マレア(Johan Marais)によると、少しでも骨の付け根部分が残っていれば、そこにガラス繊維製の覆いをネジで取りつけるのだが、密猟の犠牲者はそれができない。末端価格が金よりもコカインよりも高価なサイのツノから最大限の利益を搾り取るため、密猟者がツノを根こそぎ取り去ってしまうからである。

そこでマレア医師が試みた奥の手は?

2015/03/21

絶滅まで秒読み段階 全世界に僅か5頭のキタシロサイ

全世界に僅か5頭。キタシロサイの生息数だ。ケニアの保護区で厳しい監視の元に生きているオス1頭とメス2頭、チェコ共和国の動物園にメス1頭、アメリカ合衆国の動物園にメス1頭。野生では既に絶滅してしまった。

世界に1頭しかいないオスの名前はスーダン(Sudan)。43歳。シロサイの寿命が40-50歳ということを考慮すると、かなりの高齢。元々キタシロサイは動物園など囚われの身状態で殆ど繁殖しない。人工授精という手も考えられるが、高齢のスーダンの精子は質が良くないらしい。5頭が一匹ずつ死んでいき、数年後にはキタシロサイがこの世界から姿を消してしまうことはほぼ確実だという。

サンディエゴのアンガリフ(Wikipedia
シロサイにはキタシロサイ(northrn white rhinoceros;学名Ceratotherium simum cottoni)の他にミナミシロサイ(southern white rhinoceros;学名Ceratotherium simum simum)がいる。ミナミシロサイは南部アフリカに約1万7500頭、うち93%が南アフリカに生息する。キタシロサイが絶滅しても、ミナミシロサイが生き残ればシロサイ自体は安泰…というわけでは必ずしもない。キタシロサイとミナミシロサイは100万年以上前に分かれたとされ、シロサイの亜種ではなく全く別の種という学説もある。また、ミナミシロサイの密猟も進んでおり、絶滅が危惧されている。

2014/10/24

「ゾウとサイの日」 絶滅が危惧される野生動物の保護に日本人が立ち上がった!

運動」(movement)というものは、アイデアだけでは始まらない。旗を高々と掲げるカリスマ人物、旗の元でオーガナイズする実務家、オーガナイザーと共に計画・準備・運営するサポーター、そして参加する人員が揃わなければ、運動は起こらない。

6月18日、「ケニア最大の象、惨殺される あなたの印鑑になるのだろうか」というブログ記事を書いた。「ペンと絵筆inアフリカ」は、日本から見れば「地球の片隅」の南アフリカで、多くの日本人には全く関心のないアフリカの出来事を細々と書き綴る、限りなくマイナーなブログである。

ところがこのブログ記事は、酷い写真と「印鑑」という身近な題材のお蔭であろうか、珍しく多くの人に読まれた。20万近いページビューと2万5000を超えるフェイスブックの「いいね!」という、空前未聞の反響だった。

だが、私は活動家ではない。有名人でもない。組織化する力もない。せっかくの反響も、はっきり言ってブタに真珠。そのうち人々の関心が薄れ、忘れ去られる運命にあった。

幸いにも、そこに登場したのが、旗を高々と掲げることができる人物。プレトリア大学日本研究センター所長として南アフリカに関わってきた米倉誠一郎一橋大学教授・日本元気塾塾長である。

米倉氏は10月4日に世界中でゾウとサイの密猟禁止・保護を求めた行進「Global March for Elephants and Rhinos」が行われることを知る。だが、象牙の消費国である日本では開催されないという。是非、東京でも開催を!と幅広く呼びかけたところ、有志が集まり、実行委員会が設立された。

実行委員会の第1回ミーティングは8月14日。そこからが凄かった。皆、仕事を持つ忙しい人たちばかり。お金も時間もない。そこで、クラウドファンディングを立ち上げ、寄付を呼びかけ、資金調達。忙しい中、なんとかやりくりして、関係者が力を合せ、アイデアを出し合い、自分に出来ることをテキパキとこなす。そして、プロジェクトを実現。

皆の一生賢明な姿と、大量のメールのやりとりと、新幹線並みのプロジェクトの進捗状況に、遠い南アフリカの地で感嘆、感動し放っしだった。

海外に住んで30年近いが、たまに日本から来た日本人に会う度に、「最近日本も悪くなった」とか「最近の若者は内向き」とか悲観的な話ばかり聞かされる。でも、そんなことは絶対に、絶対にないと思う。

そして、10月4日がやってきた。まず、上野公園で「ゾウとサイの日」マーチ。(10月2日付けの「日経新聞」、「東京新聞」が大きな紙面を費やして紹介してくれた。)

2014/07/05

「趣味は殺し」の19歳。13歳でサイ、14歳でゾウ。

「アフリカで猛獣狩り」を楽しむ欧米人、特に有力者や有名人の得意げな写真がソーシャルメディアや雑誌に掲載され、非難を浴びる。そんな事例が、近年とみに増えてきた。

最近息子に王位を譲ったスペインのフアン・カルロス前王は、2012年、ボツワナでゾウの狩猟を楽しんだことがばれて、WWW(World Wild Fund for Nature世界自然保護基金)スペイン支部の名誉会長職を解かれた。1968年に創設されたWWWスペイン支部には「名誉会長は国王」という規定があったが、スキャンダル後、圧倒的大多数の支持で規定は削除され、国王を名誉会長職から罷免したのだ。フアン・カルロス王は2006年にも、ロシアで慣れたクマを射殺したのがばれて物議を醸したことがある。(ボツワナでは、2013年に狩猟が全面禁止となった。)

今、一番非難を浴びている白人ハンターは、テキサス州のチアリーダー、ケンダル・ジョーンズ(Kendall Jones)。弱冠19歳。初めて撃ち殺した「猛獣」はシロサイ。13歳の時だ。14歳で初めてのゾウを殺す。その後もアフリカにちょくちょくやって来ては、狩猟農場などに大金を支払って、動物を殺しまくっている。

ケンダル・ジョーンズは「公人」(public figure)としてフェイスブックページを持っている。そして、自分が殺した動物とのツーショットを誇らしげにアップする。(以下の写真は、ケンダル・ジョーンズのフェイスブックから。他にも、カバ、シマウマ、カモシカなど、趣味で殺した動物は数知れない。)

2014/06/18

ケニア最大の象、惨殺される あなたの印鑑になるのだろうか

サタオ(Satao)が殺された。ケニアで一番大きいといわれた象だ。象の虐殺が続く中、これほどの象牙を持った象は殆ど残っていない。見て下さい、この立派な牙を。

在りし日のサタオ(The Times

1960年代後半に生まれたと推定されるサタオ。2本の象牙は計45キロ以上といわれる。そして、象牙は金より高価なのである。

牙の途中から切りとると、多少でも象牙が死体に残って利益が減ると思ったのだろう。密猟者は無残にも顔を含めて切り取った。毒矢で体を動かなくしたらしいが、せめて死んでから、切り取られたことを祈りたい。体は動かないものの、まだ意識があるうちに、斧やノコギリで顔を切り取られたとしたら・・・。サタオの苦しみを想像するだけで吐き気がしてきた。

2014/04/23

エボラウィルスが野生動物保護に貢献 コートジボワール

ブッシュミート」(bushmeat)という言葉がある。食肉目的で繁殖させた家畜の肉ではなく、野生動物の肉である。「貧しくてトリ肉が買えないので、止むに已まれず・・・」という訳ではなく、「美味」「珍味」として珍重され、市場で堂々と売られる。盛んなのは西アフリカ

「ニワトリや牛や豚は殺して食べてもいいが、野生の動物は駄目」というのは、おかしな理論だろう。命は命である。しかし、「ブッシュミート」の問題は、その多くがゴリラなど絶滅の危機に瀕している動物であること

ゴリラ(WWF

現地の人々には「絶滅しないように保護しなければならない」という意識がない。昔から食べてきたのである。先進国の活動家が「自然保護」「環境保護」を大上段に振りかざしても、現地ではインパクトがない。また、「種の保存」問題はさておいても、野生動物の生息地が人間に押されて少なくなっている上に、人間の人口増に伴いブッシュミートの需要が増えているから、この調子で食べ続けると、ブッシュミート用の動物が絶滅し、結果的に自分たちが困る、ということにも気がついていないようだ。

2014/02/24

野生動物保護に熱心な大スター 中国政府のフカヒレスープも拒否したジャッキー・チェン

ジャッキー・チェン(Jacky Chan)が「サイのツノ不買運動」に一役買ったことは前回(「アフリカのサイをオーストラリアへ 苦肉の絶滅防止対策」)ご紹介したが、ジャッキーが野生動物保護に熱心なのは今に始まったことではないらしい。

10年前、中国で映画の撮影中、中国政府に夕食に招待された。まず出て来たのは、フカヒレのスープ。高級食だが世界の中国人の経済力拡大に従い需要が急増し、毎年数千万匹のサメがこのために殺されているとして、アメリカではフカヒレ採取目的のサメ漁は全面禁止となっている。

乱獲自体問題だが、生きたままヒレだけ切り取ったサメを海中に放り込み死ぬに任せる、という映像が巷に流れ、動物保護団体などの怒りを買った。(自分が麻酔なしで鼻とか、耳とか、腕とかをナイフで切り取られ、海に放り込まれるのを想像すると、非常に苦しそうだ。サメは声を出さず、表情もないので、どのくらい知覚しているかはわからないが、神経があるのなら痛いはず。。。しかも、人間と違って、水中で呼吸できるから、死ぬにも時間がかかるかも。。。)

ジャッキー・チェンは、高級スープの材料とするためにサメを乱獲することに反対している。ただ、そこは人格者と言おうか、外交上手の中国人と言おうか、招待してくれた相手に「動物保護!」を声高々にお説教したりせず、「フカヒレスープは好きじゃないんで、他のスープに替えてもらえませんか」と丁寧にお願いしたとのこと。

2度目に中国政府から招待があった時は、メニューにフカヒレスープはなかったとか。

2014/02/18

アフリカのサイをオーストラリアへ 苦肉の絶滅防止対策

南アフリカでサイの密猟が本格化したのは2008年。ツノを効果のない「漢方薬」に使うため、約80頭が殺された。その後、密猟数は毎年飛躍的に増加し、2013年には1000頭以上のサイが無駄に命を落とした。3日に1頭の超ハイペースである。絶滅の危機に晒されて「希少価値」があるから、余計高く売れるのだろうか。そして、高く売れるから、益々密猟が盛んになる。。。

主な消費地である中国ベトナムにおける、生活水準の向上人口増も大きな原因だろう。昔だったら、サイの漢方薬など買えなかった人々の懐が豊かになった。環境保護に対する意識の低さや、「サイのツノは爪と全く同じ成分で、全く効能がない」という正しい知識・情報が浸透していないことは深刻な問題だ。