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2018/06/10

本『The President's Keepers』赤裸々すぎるズマ前大統領の汚職の実態

在職8年で一国をここまで滅茶滅茶にしたジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領の手腕には恐れ入る。

「大統領職ほど儲かる仕事はない」とばかりに、私利私欲第一。国や国民のことはまったく眼中にない。

大統領時代のジェイコブ・ズマ

正規の学校教育を一年も受けていないのは、幼い頃の家庭環境や政治経済環境が原因だとしても、教育を受けるチャンスはその後いくらでもあった。服役中に学位を取った解放運動同志が大勢いる中、ズマは教育に興味がない様子。世界が注目した1999年の大統領就任演説では、自分の原稿がまともに読めなかった。英語の読み書きが苦手にしても、一世一代の晴れ舞台である。それなのに、前もって練習した気配もない。その後も英語の演説原稿を読むのが苦手。大きな数字となるとお手上げである。

もちろん自分で書いた演説ではない。しかし、原稿が読めないのは練習しなかったからだけではない。何が書いてあるか理解していないことが大きな原因だろう。大統領として、国を発展させ、国民の生活向上を図ることに興味がないのである。

2018/01/25

トランプ大統領誕生までを振り返る(5)アメリカ1番 2番は我が国! トランプへの自国紹介ビデオが世界中に拡散。中東、アフリカ、火星からも

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の最終回は、『アメリカ1番 2番は我が国! トランプへの自国紹介ビデオが世界中に拡散。中東、アフリカ、火星からも』(2017年2月13日)。

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先週ご報告した「アメリカ1番 2番は我が国!」自国紹介ジョークビデオ。オランダ版が1月23日にユーチューブにアップされ大ヒットした後、2月5日の時点で、ドイツデンマークスイスベルギーリトアニアポルトガルオーストリア、オランダ北部のフリースラント州、更にはカザフスタンインドメキシコ版がユーチューブで公開されていた。(赤茶色部分をクリックすると、別ウィンドーでユーチューブビデオが開きます。)

それから一週間。勢いに乗ってもっと多くのバージョンが発表されただろうか、それともあっという間に下火になってしまっただろうか。

調べたところ・・・ものすごい数のバージョンができている! 複数のバージョンがある国もある。ドイツの呼びかけに応じたテレビ局制作のものだけでなく、それ以外の有志が作ったものも多いようだ。ほとんどがオランダのフォーマットを継承しているが、独自の構成のものもある。質も様々。

ヨーロッパ大陸からは新たに、アイスランドアイルランド(「51番目の州になりたい」)、アルバニアイギリス(「第3次世界大戦を一緒に戦うのを楽しみにしている」)、イタリアウクライナクロアチア(「アメリカ第1、ドイツ第2、クロアチア第3」)、コソボスウェーデンスペインスロバキアスロベニアセルビア(画質が悪すぎ。ナレーションではなく、セルビア民謡(?)っぽい歌が流れ、なんとなくシュール)、チェコ(「51番目の州になりたい」)、ノルウェー(「スウェーデンを最下位にしてくれ」)、フィンランドフランスブルガリア(「アメリカ第1、ロシア第2」「上位10位に入りたい」)、ベラルーシボスニア・ヘルツェゴヴィナポーランド(「アメリカ第1。ポーランドは超第1!」)、マケドニアモルドバラトビアルクセンブルクルーマニア(「少なくとも上位100位には入れてくれ」)など20か国以上。もう存在しない東ドイツというのもあった。地理的に中途半端な位置にあるトルコもここで紹介しておく。

「ここが我が国」とラトビア。トランプが核兵器発射ボタンを押すことを懸念(?)して、他国を地図上で示す国がいくつも。

2017/12/31

シリル・ラマポザってどんな人? ANC新党首、そして恐らく次期南ア大統領

2017年12月18日、南アフリカ与党ANC(アフリカ民族会議)の党大会で、シリル・ラマポザ(Cyril Ramaphosa)副大統領が新党首に選出された。対抗馬はジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領の元妻ンコサザナ・ドラミニ=ズマ(Nkosazana Dlamini-Zuma)。得票数は2440対2261。わずか179票の差。

まず、有効投票数が4701という少なさに驚く。総選挙で6割以上の得票率を過去20年以上勝ち得てきた与党の党首、そして恐らく次期大統領が5000人以下の投票で決まったわけだ。わずか2440人が人口5000万人以上の国の次期大統領を決めたことになる。

次に、ラマポザの勝利が僅差であったことに驚く。

2017/12/14

トランプ大統領誕生までを振り返る(3)トルドーの気配り組閣 トランプの「ワニで沼地を満たす」組閣

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の第3弾は、『トルドーの気配り組閣 トランプの「ワニで沼地を満たす」組閣』(2016年12月21日)。

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カナダの首相がかっこいい。ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)。フランス語読みではジュスタン・トリュドー。1971年クリスマス生まれの、もうすぐ45歳。去年第29代首相に就任したときは弱冠43歳だった。父親は第20・22代首相のピエール・トルドー。父親が首相だったときに生まれ、一旦は教鞭を取るものの、父の死後政界入りした。

見た目は「いいとこのお坊ちゃん」風キュート。これまで何度かインタビューを聞いた限りでは、頭脳明晰で進歩的、ユーモアがあり温かみに溢れる。「私はフェミニスト」と公言し、女性の地位向上に理解がある。堕胎に関しては「プロチョイス」(pro-choice)、つまり当事者である女性に選択の権利があるという立場。

大麻の合法化に賛成。大麻の普及を促進したいわけではなく、合法化することによって、子供たちを公に守り、違法麻薬販売で儲けている犯罪者を一掃することが目的という。また、これまでないがしろにされてきた、先住民の保護・援助にも力を入れている。更に、先進国の間で反難民感情が高まる中、人道的な立場から難民の受け入れに熱心である。

トルドー首相の理念は、組閣にはっきり表れている。適材適所、半数以上が女性(首相を除く閣僚29名のうち15名)、国の多様性を反映(シーク教徒4名、先住民2名など)、障害者2名、地域バランスへも配慮(全州から閣僚を選出)・・・。気配りの細かいこと!

トルドー首相(最前列中央)と閣僚たち

2017/12/07

トランプ大統領誕生までを振り返る(2)柵になるかもしれないトランプの壁

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の第2弾は、『柵になるかもしれないトランプの壁』(2016年11月18日)。大統領就任に選出されてから初めてのテレビインタビューを見て、候補者トランプが選挙中に行った公約を、大統領に選出されたトランプがどう考えているかをまとめたもの。

この一年ではっきりしたのは、米国民の30-35%がトランプの熱烈なファンであり、トランプの言うこと(その多くが虚言)を鵜呑みにするということ。公約を守らなくても全然OK。それどころか、トランプのツィッターをフォローする支持者たちは、トランプが公約を実現していると思い込んでいる。「有言実行の素晴らしい大統領」と信じている。

「公約を破れば支持者が納得しないのでは?」というのは、まったくの懸念だった。
 
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11月13日、米CBS「60 Minutes」(シックスティ・ミニッツ)がドナルド・トランプ(Donald Trump)の独占インタビューを放映した。2000万人ものアメリカ人が見たという。第45代アメリカ合衆国大統領に選出されてから、初めてのテレビインタビューだ。インタビュアーは1991年から「60 Minutes」で働くベテランジャーナリスト、レスリー・スタール(Lesley Stahl)。

「60 Minutes」の撮影現場(CBS News

選挙運動期間中、トランプはかなり無責任で扇動的な公約を繰り返した。それを信じて投票した人も多いだろう。選挙公約をどの程度実現するつもりか、支持者にとっても、反対者にとっても気になるところ。

トランプの姿勢・考えと公約をまとめてみる。

1.移民問題
現状では、外国人はチェックもなく米国に入り放題。テロリストも野放し。犯罪者やレイピストを送って来ているメキシコとの国境に、高くて厚い壁を築き、費用はメキシコに出させる1000万人以上の不法移民を子供も含め国外退去させる。イスラム教徒の入国を一時的に全面禁止する。

2.ヒラリー・クリントンのEメール問題
大統領に就任したら直ちに、特別捜査班を任命し、ヒラリーを有罪にして投獄する

3.国民健康医療制度
2000万人の国民をカバーする通称「オバマケア」(Obamacare)は「完全な失敗」(total disaster)なので撤廃する。

4.外交
プーチン、フセイン、金正恩などの独裁者は素晴らしいクリミア自治共和国のロシア強制編入は問題ない。ロシアと協力して、イスラム国を倒す。テロリストは家族まで殺すべき拷問OK分担金を払っていないNATO加盟国が苦境に陥っても助けない日本、韓国が自衛できるよう、核兵器を持たせてもよい。(最後の点に関しては、選挙後「言っていない」と否定しているが、インタビューに答えて明言している映像がしっかりある。確言した映像や音声が証拠としてあるのに、平気な顔をして「言っていない」と否定するのは、トランプにはよくあること。)

5.経済・貿易
アメリカの産業・経済を復興させるため、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)から脱退し、輸入品への関税を大幅に引き上げる。所得税の課税方法をシンプルにし、富裕層の所得税率を大幅に下げ、遺産税を撤廃する。

6.国内政治の改革
腐りきっている政治を一新する。自分ほどアメリカの政治システムに精通している者はいないから、自分だけが改革できる

7.人権
妊娠中絶に反対。中絶した女性は罰せられるべき。最高裁の裁判官は、中絶反対派を選ぶ。

8. 環境
地球温暖化は科学者の支持を得ていない空論

・・・などなどなど。

2017/11/28

トランプ大統領誕生までを振り返る(1)ドナルド・トランプの壁

ドナルド・トランプが第45代アメリカ合衆国大統領に選出されてから、もう1年経ってしまった。これまでそれほどアメリカの政治に関心がなかった私も、2016年前半からユーチューブに釘付けになっている。(テレビがないのでニュース映像はユーチューブで見ている。)

 この機会に、2016年8月から2017年2月まで、別ブログに書いたトランプ関連記事を振り返ることにする。

まずは2016年8月7日の記事『ドナルド・トランプの壁』。共和党大統領候補トランプの公約のうち、一番有名なものだったが、大統領になってからいつの間にか立ち消えになってしまった。

この時点では、大金持ちの家に生まれ、詐欺同然の手口を用いて私腹を肥やすことにそれまでの人生を費やし、多くのビジネスで失敗し、世界政治経済にうとく、集中力が3分もなく、発言の大部分が嘘であり、人種差別やセクシャルハラスメントを平気で行う、ナルシストで傲慢なトランプを大統領候補に選んだ共和党員にあきれていた。もっとちゃんとした候補者が複数いたのに。。。

「トランプ=成功」「大富豪の凄腕ビジネスマン」というイメージがリアリティTVで浸透していた。テレビが作り出したイメージを本当の姿と信じる多くの米国民。「バカじゃないの」と思う一方で、デマゴーグに簡単に扇動される民衆が空恐ろしかった。

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不法移民の入国を阻止するために、アメリカ・メキシコの国境に防壁を築く」と息巻いていたドナルド・トランプ(Donald Trump)が、米共和党の大統領候補に指名されてしまった。共和党の党大会での指名受諾演説でも、「壁を築く」ときっぱり。

トランプは「建設費用はメキシコに負担させる」と断言するが、メキシコ政府は「絶対払わない」。

メキシコに無理やり払わせる妙案でもあるのか。メキシコが払わないとしたら、誰が負担するのか。そもそも、3200キロにわたる国境に壁を建設するのに、一体いくらかかるのか。

Economist.com

バーンスタイン・リサーチ(Bernstein Research)の最新レポートによると、リオ・グランデ川など天然の国境のおかげで、壁を建設する必要があるのは国境の約半分。そこに高さ12メートルの壁を築くには、7億1100万ドル相当のコンクリートと2億4000万ドル相当のセメントが必要。工賃を含めると、150億ドルから250億ドルの費用がかかるという。

2016/11/11

トランプ大統領はアフリカにどう影響するか

ドナルド・トランプがアメリカ合衆国の次期大統領に選ばれてしまった。

実はこの半年以上、毎日、米大統領選の動向を追っていた。そして、知れば知るほど、トランプという人間のひどさに唖然とした。

2004年に始まったリアリティ番組「アプレンティス」(The Apprentice)により、有能で容赦なく、素晴らしいリーダーシップを発揮する大物ビジネスマンのイメージを米国民に植え付け、「トランプ」は「成功」の代名詞となった。だが、現実は違う。詐欺まがいの、あくどい事業のやり方。数えきれない事業の失敗。過去30年間に抱えた訴訟は3500件以上! 

自分の利益のためなら何でもする超利己的人間。財力と知名度をフルに使って、好き勝手にやり放題。しかも、人間としては超未熟。「自伝」のゴーストライターによると、3分も注意を集中できない。自由時間の大半を、テレビを見ることとツイッターに費やす。自分をコントロールできず、些細な挑発に乗ってしまう。異常な虚言癖、超ナルシスト、人種差別、女性蔑視、セクハラ・・・。未成年女子のレイプ容疑まである。

しかし、どんなスキャンダルも、多くの国民の頭をスッと通過してしまう。ウォーターゲート事件を暴き出し、また計47ものピュリッツァー賞を受賞している、あの『ワシントンポスト』紙の記者がコツコツ調べ上げ、「ピュリッツァー賞受賞間違いなし!」と絶賛された報道をしても、すぐに忘れられてしまった。ジャーナリストとしてさぞかし悔しかったことだろう。

生まれた時から大金持ちで、他人を踏み台にして70年間生きてきて、ベルサイユ宮殿を模したキンキラキンのマンションに住み、自家用ジェット機で移動するドナルド・トランプ。そんな人間が自分の利益を代表してくれると、多くのアメリカ人がなぜ信じることができるのか摩訶不思議だ。

2015/04/06

大統領府までジョーク 今年のエイプリルフール

先週の水曜日のことだ。いつものように、朝7時から始まる太極拳のクラスに出かけたところ、医療健康関係のジャーナリスト、マリカが近寄って来た。

「お早う」もそこそこに、「あなた、ロニー・カスリルズ、知ってる?」

ロニー・カスリルズ(Wikipedia
ロニー・カスリルズ(Ronnie Kasrils)といえば、有名な反アパルトヘイト活動家。1938年11月15日生まれ。19世紀末、曽祖父母がラトビアとリトアニアから南アフリカに移民してきたユダヤ系だ。1960年に解放運動組織ANC(アフリカ民族会議)のメンバーになり、1962年マンデラと共にANCの軍事部門MK(ウムコントウェシズエ)を設立。1994年の第1回民主総選挙でANCが大勝した後、副国防相、水資源森林相、諜報相を歴任。

そのカスリルズが一体・・・?

彼ほど反ユダヤ的なユダヤ人はいないわ。

確かにロニー・カスリルズはイスラエル政府に批判的、パレスチナに同情的な態度を表明している。

ユダヤ系といっても色々だが、マリカはイスラエル政府信奉者。宗教的には温厚なのに、政治的には狂信的。イスラエル政府が彼女の宗教みたいなもの。パレスチナ問題に関しては「イスラエルが100%正しく、パレスチナが100%悪い」という、議論の余地のない意見を持つ。

「太極拳に来る途中、イスラエルのニュースを仕入れるため、毎朝カイFMを聞いてるんだけど・・・」

カイFMChai FM)はユダヤ系のコミュニティーラジオだ。

「今朝のトップニュースで、ロニー・カスリルズのカバー(カムフラージュ)がバレタ、って言うじゃない。」

???

本当はモサドのエージェントなんだって!

2014/09/09

「エージェント・マドンセラ」!?! 政府の汚職・不正を指摘するのは「CIAのスパイ」 副国防相が糾弾

南アフリカの副国防相ケビー・マパツォセ(Kebby Maphatsoe)によると、現在の南アフリカで最も尊敬されているツリ・マドンセラ(Tsuli Madonsela)は「CIAのスパイ」だという。その任務は「与党ANCと政府を弱体化させ、アメリカ合衆国の傀儡政権を南アフリカに樹立すること」。(一体、何のために・・・?)

ケビー・マパツォセ(IOL News
マパツォセは9月6日(土)、ソウェトのイベントでこう語った。

「ANCをハイジャックさせてはならない。我々はANCを守るために闘う。ツリは誰が自分のハンドラーなのか、告白すべきだ。」

2014/08/31

南アフリカの良心、ツリ・マドンセラ マイリー・サイラスのパロディ

南アフリカの与党ANC(アフリカ民族会議)は、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領を頂点として腐敗しきっている。総選挙が完全比例代表制であるため、政治家は「有権者」や「地元」を考える必要がない。党内の力関係が全てなのだ。能力も必要な資格もないのにコネだけで職を得た官僚が、国政だけでなく州政府や市にも溢れている。地方・中央政府の仕事は、与党にコネのある人々が経営する会社にばらまかれる。その会社に能力や実績がなくても関係ない。政治の腐敗が波紋のように広がり、教育、医療、福祉、インフラなど国民の生活の隅々まで悪影響を与えている。

2002年に設立された、捜査・検察の両方の権限を持つ「スコーピオンズ」(Scorpions)は、大規模の組織犯罪や汚職を次々と暴き、有罪判決率が90%という超有能な特別捜査班だったが、あまりに優秀なため、有力政治家やその友達たちや腐敗した警察に憎まれ、2008年に解体されてしまった。

良心的な裁判官や官僚がいないことはないが、ANC政権にインパクトを与えるほどではない。政治に関しては明るいニュースがなく、「南アフリカに正義はないのか!」と暗い気持ちになることが多い中、唯一、光を放っているのがツリ・マドンセラ(Thuli Madonsela)。

iol news
1962年9月28日、ジョハネスバーグ生まれの法廷弁護士。スワジランド大学で文学士号(法律専攻)取得、ヴィットヴァータースランンド大学で法学士号取得。アパルトヘイト時代は当時解放運動団体だったANCやUDF(統一民主前線)に参加。民主国家南アフリカの憲法最終草案を作成したメンバーのひとり。

2009年、「Public Protector」に任命される。南アの「パブリックプロテクター」は英国やスカンジナビア諸国のオンブズマン(ombudsman)に相当し、政府・国家機関・国家公務員などの違法行為・横暴に対する国民の訴えを受理・調査するのが仕事。

ツリは目を見張るほど有能である。公正・公平である。権力に屈しない。マンデラ亡き後の南アフリカの「良心」「正義」を体現している。

だから、与党ANCに憎まれている。ツリを任命したズマ大統領は、さぞかし後悔していることだろう。

2014/05/28

新財務相、就任早々災難 偽物がツイッター

南アフリカでは4回目の民主総選挙が無事終わり、大統領就任式も無事終わり、新政権の閣僚が発表された。

予想通り、選挙前の公約はとても達成できそうにない陣容。大臣としての能力は、ほぼ完全に無視。ズマ大統領への近さや貢献度、与党ANC(アフリカ民族会議)内の力関係が物をいう「ご褒美」人事。ご褒美をあげる人数を増やすため、閣僚数がまた増加した。「国政に必要だから」ではなく、「大臣職をばらまく必要があるから」の増職だ。

1994年、ネルソン・マンデラ大統領が任命した閣僚は44名。ターボ・ムベキ大統領が2007年に任命したのは50名。2009年、第一期ズマ政権の閣僚は63名。今回はなんと73名! GDPや税収がずっと多い、アメリカやドイツや日本より大臣が沢山いるのである。

2014/04/28

「ANCには投票しない」「マディバが死んでいて良かった」 マンデラの盟友、ツツ大主教がきっぱり

1994年4月27日、南アフリカで初めての、全人種参加総選挙が行なわれた。4月27日は「フリーダムデー」(Freedom Day)、「自由の日」として国の祝日になっている。

総選挙は5年に一度行われる。20年目の今年は、5月7日(水)が投票日。

第一回総選挙後生まれた若者は、「ボーンフリー」(born free)世代と呼ばれる。民主国家に生を受けた、生まれつき自由な世代である。南アフリカでは18歳で投票権を得るため、今回初めて、ボーンフリー世代が総選挙で投票することになる。投票するには事前登録が必要になるが、期限までに登録したのはボーンフリー世代の有権者約190万人中64万6313人。僅か3割。

因みに、20歳代の登録率は6割。ボーンフリー世代の倍だ。30歳以上の登録率はなんと9割!

アパルトヘイトが終わり、新政権への期待が高かった頃は殆どの人が登録したが、一党独裁体制で汚職にまみれたANC(アフリカ民族会議)に対する失望や、一部の有力者に富が集中し、多くの庶民の生活が一向に向上しないことへの怒りと諦めから、「投票しても無駄」感が次第に広まったのだろう。更に、登録しているものの、投票には行かない人が多いと懸念されている。

2014/01/28

南アフリカで初めて、票操作が行われた町 ポチェフストルームが不名誉なタイトルを獲得

北西州のポチェフストルーム(Potchefstroom)は人口約15万人、ジョハネスバーグから西南西120キロに位置する。ノースウェスト大学を擁する大学町で、主な産業は養鶏など。

その田舎町ポチェフストルームが、「南アフリカ選挙で初めて票操作があった町」として歴史に残ることになった。これまでも票の不正操作はあったかもしれないが、公になったのは今回が初めて。

同市の市議会補欠選挙で、9つの議席が争われた。住民のうち選挙登録した人だけが投票できるのだが、約2500人の投票者が「怪しい」らしい。与党ANC(アフリカ民族会議)が他の町に住んでいる人を偽の住所を使って登録し、バスを何台も使ってこの町に連れて来て投票させたというのである。

2013/06/06

芸術に政治が絡むと。。。無名画家の作品が3700万円で落札 ANC資金調達パーティー

あなたはこの絵にいくら払いますか?

「City Press」より
無名の画家、シフィソ・ンゴボ(Sifiso Ngcobo)による南アフリカ大統領、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)のこの肖像画は100万ランド(約1000万円)で売れた。昨年12月、ANC主催のディナーパーティーでのことだ。買ったのはビジネスマン。(1ランド=10円計算。以下、ランド額を10倍すれば円に換算できます。)

「City Press」より

与党ANC(アフリカ民族会議)の指導者12人を描く肖像画シリーズの第1作だそうな。

今年1月には、同じ画家の絵がなんと370万ランドで落札され、メディアに大きく取り上げられた。ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)の肖像画だ。

「Times LIVE」より

「蓼食う虫も好き好き」とはいえ、通常ならとても買い手がつくような作品ではない。「へたうま」ではなく、単なる「へたくそ」。路上で売っているアマチュア絵画だって、これよりまし。「お金をもらっても欲しくない」という声が多々聞かれた。

2012/12/07

南アフリカ政府、読み書き算数の出来ない子供たちを大量生産

南アフリカの子供たちの殆どは、読み書きも算数も満足に出来ない。

全国2万校以上の学校で学ぶ、1年生から6年生及び9年生の7学年、計720万人を対象とした調査結果だ。12月3日、アンジー・モチェハ(Angie Motshekga)基礎教育相が発表したもの。(南アフリカの初等中等教育は、1年生から12年生まで。)

1年生と2年生の成績はそれほど悪くないが、3年生から点数が下がる一途という。

3年生の場合、読み書きの平均点は100点満点で52点。去年の35点より大幅に上昇している。しかし、去年の調査は2月、今年は9月。小学3年生の読み書き能力を測定するのに、この7か月の差は大きい。また、第一言語の読み書きで70点以上取れたのは、全体の24%しかいなかった。

3年生の算数は平均点41点。昨年の28点から大幅上昇だが、これも読み書きと同じ理由で手放しに喜べない。80点以上は全体の僅か4.4%。25点以下が31.7%もいた。

6年生になると、読み書きの平均点36点(去年は28点)。算数の平均点は27点。昨年の30点から後退している。算数で80点以上は0.8%、25点以下が66%とかなり悲惨な状態。

9年生は更にひどい。読み書きの平均点35点。算数の平均点は、なんと13点! 50点以上取れた9年生は、全体の2.3%。

目もあてられないのが、リンポポ州。算数で80点以上取った9年生が、ひとりもいない!!! 50点以上ですら、0.5%にも満たなかった。

南アの子供たちが数学を苦手としていることは、世界経済フォーラム(World Economic Forum)の最新調査でも実証済み。参加62か国中最下位だった。

2012/05/25

ズマのパロディアートに 与党ANC激昂(げきこう)

南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領は、その特異な風貌や、品行の放埓さや、金銭感覚のなさや、汚職疑惑・温情主義や、政治家としての無能さのお蔭で、風刺漫画家にカッコウのネタを提供してきた。しかし、顔に品性がないせいか、肖像画や銅像が山ほどあるネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)とは違い、アートには縁が薄かった。

ところが、ついに、ズマの肖像画が! それも、南アフリカの現代アート画廊の最高峰「グッドマン・ギャラリー」(Goodman Gallery)に!

・・・でも、

やっぱりパロディだった。。。

題名は『The Spear』。「槍」である。銃のホルスターのようなものに、ペニスがぶらさがっている。ズマのだらしない女性関係批判? ズマのテーマソング「マシンガンを持って来い」にひっかけた? 与党「アフリカ民族会議」(ANC)が解放組織だった時代の軍事部門「ウムコントウェシズウェ」の英訳「Spear of the Nation」(民族の槍)から? 色々、考えさせる。

2012/04/23

ズマ大統領 また結婚 「現役妻」は4人

4月12日に70歳になったばかりの、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)南アフリカ大統領がまた、また、また!!! 結婚した。4年間で3人目。お相手はグロリア・ボンギ・ンゲマ(Gloria Bongi Ngema)さん。

第一号ンコサザナ
ズマ大統領の最初の妻は、ンコサザナ・ドラミーニズマ(Nkosazana Dlamini-Zuma)。元保健相、前外相、現内務相。1972年に結婚。子供4人。

翌1973年にはゲートルード・シザケレ・クマロ(Gertrude Sizakele Khumalo)さんと結婚。妻第一号と離婚したわけではないので、妻の数が2人なった。このふたりには、子供はいない。

1976年、ケイト・マンチョ(Kate Mantsho)さんが妻第三号になり、5人の子供をもうける。

妻3人の状態が20年以上続いた後、ンコサザナと1998年に離婚。そして、2000年、ズマの女癖の悪さその他に絶望し、ケイトが自殺。妻の数は一人に戻った。

第二号シザケレ
その後も女性関係は色々あったようだが、結婚ラッシュが始まったのは、与党アフリカ民族会議(ANC)の党首に選ばれ、次期大統領になることが確定してから。

2008年にノムプメレロ・ンツリ(Nompumelelo Ntuli)さん(子供3人)、2010年にトベカ・マディバ(Thobeka Madiba)さん(子供1人)。今回のグロリア・ンゲマさん(既に子供1人)で、「現職妻」の数4。妻第四号、第五号、第六号はいずれも30代。

正式の妻の子供の数、4+0+5+3+1+1=14人。

それ以外にも、ミナ・ショングウェ(Miah Shongwe)さんとの間に1977年生まれたエドワード(Edward)。2年前、ソノノ・コーザ(Sonono Khoza)さんとの間に生まれたタンデキレ(Thandekile)。リチャーズベイ在住の女性との間に娘ジャブリレ(Jabulile)。別の女性との間に生まれた娘ブリジット(Bridget)は、トベカ・マディバが育てている。ジョハネスバーグ在住の女性との間に3人。ピーターマリッツバーグ在住のプリシラ・ノンクワレコ・ムフロンゴ(Priscilla Nonkwaleko Mhlongo)さんとの間に娘2人。。。妻の子供と併せて、これで23人。。。

2012/03/29

警察官、オフィスを追い出され、車の中で犯罪捜査

刑事ものテレビドラマ。連続殺人事件に色めき立つ捜査陣。丁寧に手ががりを追い、犯人の目星がついた。番組終了まであと10分。逮捕に向かう前の、最後の打ち合わせに余念がない。BGMが緊張感を盛り上げる。

そこに裁判所の係員数名がなだれ込んだ。警察署が家賃を何か月も滞納したため、建物の持ち主が裁判所に訴え、強制退去の判決が出たという。が、が~ん!

驚く刑事たちを尻目に、裁判所の係員は机、椅子、本棚、コンピュータなどを次々と駐車場に運び出す。途方に暮れる捜査陣。犯人は無事、逃げ失せる。。。

・・・な~んてありえない筋書きが、南アでは現実に起こり得る。

ジョハネバーグ東部のベッドフォードヴュー(Bedfordview)地区の警察署は手狭だ。そのため、捜査班は警察署のすぐ近くに事務所を借りている。ところが、今月初め、捜査員35人が事務所から追い立てられた。机、椅子、事務機器など事務所にあったもの全て、警察署の駐車場に捨てられてしまった。数か月、家賃を滞納したのが原因。

この事務所の捜査官が事務所から追い出されたのは、これが初めてではない。車の中に事件簿を持ち込んで、仕事をしているという。不憫に思った地元住民たちが、新しい警察署建設のため、資金調達に協力すると申し出たが、州の警察当局に断られてしまった。

これであきれたり、驚いたりするのはまだ早い。

2012/02/15

マンデラ紙幣発行で通貨と株価が下落!?!

南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領がマンデラ紙幣の発行を発表。その影響で、ドルに対するランドの価値が2.6%、ジョハネスバーグ株式市場の全株指標が1.1%、トップ40が1.27%下がったという。

といっても、ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)が紙幣の顔になるから下がったわけでは当然ない。

発表のやり方が問題だった。

「明日、大統領による記者会見がある」と発表があったのは、2月10日の金曜日。つまり、記者会見の日は土曜日なので市場が閉まっている。土曜日の記者会見の如何によって、月曜日に損失が出ることをなるべく避けたいから、金曜のうちに出来るだけの手を打っておきたいというのは人情。

ところが、「紙幣の顔がマンデラになりま~す」という金融政策にも国家財政にも関係ないお知らせなのに、それを告げなかった。それどころか、大統領、ジル・マーカス(Gill Marcus)準備銀行総裁、プラヴィン・ゴーダン(Pravin Gordhan)蔵相という、超大物3者による「国家的重要事項」(a matter of national importance)の発表と予告したのだ。

「国家的重要事項」の発表、それも金融取引が行われない日に・・・。これは市場にネガティブな影響を与える政策発表に違いない・・・。

2012/01/16

アフリカ民族会議(ANC) 100歳に 12人の指導者像

南アフリカの元解放運動組織で現与党「アフリカ民族会議」(ANC:African National Congress)が創立百周年を迎えた。

1月8日、フリーステート州マンガウンで大々的な記念式典を開催。支持者10万以上、VIPゲスト6000人が一堂に会した。国家元首が46人も参加したというから、一政党のイベントにしては大したもの。(自民党や民主党が百年続いたとして、百周年記念式典に外国の国家元首が来るだろうか。)

かかった費用、推定100万ランド(約1千万円)。今年一年、全国各地で記念行事を繰り広げるというが、誰が請求書を支払うことやら。見返りを期待して、資金を提供するビジネスマンが後を絶たたないかもしれない。

ANCの前身、SANNC(South African Native National Congress)は1912年1月8日、ブラームフォンテインの教会で結成された。1923年、ANCに改名。1994年から南アフリカの与党。2009年の総選挙でも、投票率65.9%と圧倒的な強さを誇った。

しかし、ネルソン・マンデラは別格として、それ以外の指導者についてはあまり知られていない。百周年を機会に、結成以来12人を数える指導者(党首)を振り返ってみる。