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2018/10/18

パスポートのパワフル度 日本がシンガポールを抜いて世界一に。南アは52位

今月、日本人は査証なしでミャンマーに行けることになった。これにより、日本人が査証なしで訪問できる国は190か国。189か国のシンガポールを抜いて、世界一! 

第3位はドイツ、韓国、フランスの188か国。フランスが3位になれたのは、やはり今月に入って、ウズベキスタンに査証なしで行けるようになったから。

一方の南アフリカは2018年5月から2ランク落ちて第52位。査証なしで行ける国は102か国と変化がないものの、相対的な順位は下がった。

この調査で「査証が必要ない」というのは、事前に取る必要がないということらしい。つまり、必要だが入国時に取得できる国も含まれる。南アの場合、査証がまったく必要ないのは68か国。そのほとんどがアフリカや南アメリカの国。先進国はシンガポール、アイルランド、韓国くらいか。

世界的には52位と順位が高くない南アフリカも、アフリカでは第3位。1位はセイシェル(152か国)、2位はモーリシャス(146か国)。どちらも島国だ。アフリカ大陸では南アが1位ということになる。

パスポートのパワフル度上位国は以下の通り。

190か国-日本
189か国-シンガポール
188か国-ドイツ、韓国、フランス
187か国-デンマーク、フィンランド、イタリア、スウェーデン、スペイン
186か国-ノルウェー、イギリス、オーストリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、アメリカ合衆国
185か国-ベルギー、スイス、アイルランド、カナダ
183か国-オーストラリア、ギリシャ、マルタ
182か国-ニュージーランド、チェコ共和国
181か国-アイスランド
180か国-ハンガリー、スロベニア、マレーシア

先進国によるドングリの背比べっぽい。やってきて、そのまま居ついてしまう可能性が低い国民ほど有利ということか。

アフリカの上位5か国を見ていると、

152か国-セイシェル
146か国-モーリシャス
102か国-南アフリカ
82か国-ボツワナ
76か国-ナミビア

やはりアフリカの中でも、裕福な国である。

日本人が事前に査証を取得しなければならない36か国

世界で最もパワフルなパスポートを持つ日本人が事前に査証を取得する必要があるのに、南アフリカ人は査証不必要または到着時に取得できる国が4か国ある。アンゴラ、ガーナ、ブラジル、そしてロシアだ。アンゴラとガーナは同じアフリカの国だからか。ブラジルとロシアはブリックス(BRICS)のおかげかもしれない。ブリックスは元々ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字に複数を表す「s」をつけたものだったが、のち南アフリカも入れてもらい、「s」は「South Africa」の「S」となった。

因みに、査証必要の有無をリアルタイムで掲載しているのは、「Henry & Partners Passport Index」というウェブサイト。


【参考資料】
"Power of SA passport drops in global ranking", TimesLive(2018年10月10日)

【関連ウェブサイト】
Henry & Partners Passport Index

【関連記事】
世界で最も幸せな国民はフィンランド人 2018年世界幸福度レポート (2018年3月25日)
世界で最も住みやすい都市ランキング 日本が10位以内に3都市も (2018年2月1日)
「立派な国ランキング」発表。世界に最も貢献している国は? (2017年11月16日)
世界で最もストレスが大きい国は? ブルームバーグのランキング (2017年9月11日)
国の惨め度と国民の幸せ度 (2015年2月12日)

2018/03/29

限りなく完璧に近い人々(1)世界で一番幸せなデンマーク人

The Almost Nearly Perfect People(限りなく完璧に近い人々)という本を読んでいる。副題はThe Truth about the Nordic Miracle(北欧の奇跡の真実)。著者はデンマーク在住のイギリス人作家・ジャーナリスト、マイケル・ブース(Michael Booth)。料理と旅を専門とするライターだ。『英国一家、日本を食べる』(亜紀書房。原題 Sushi and Beyond: What the Japanese Know About Cooking )という著作もある。


見返しの宣伝文にはこうある。

世界中が北欧諸国の成功の秘密を知りたがっている。世界で一番税金多く払っているのに、何故デンマーク人は世界で一番幸せなのか? フィンランドの教育制度が世界で一番優れているのなら、何故フィンランド人は「スウェーデン人の男は皆ゲイだ」と未だに信じているのか? アイスランド人は本当に野放図なのか? ノルウェー人はあり余る原油収入をどう使っているのか? そして、何故、以上の全員がスェーデン人を嫌っているのか?

マイケル・ブーズ(amazon.co.uk
もうお気づきとは思うが、ガチガチの真面目な本ではない。しかし、しっかりしたリサーチと取材に基づいている。ニヤニヤ、時には大笑いしながら読み進めると、北欧5か国の現実と、そこに暮らす人々の姿が等身大で迫ってくる。

最初に取り上げられているのは、著者が住むデンマーク。著者の奥さんはデンマーク人。5章150頁に及ぶ内容なので、最も印象に残ったことをご紹介する。

レスター大学(University of Leicester)心理学部が「生活満足指標」(Satisfaction with Life Index)なるものを発表した。それによると、世界中で最も幸せなのはデンマーク人という。著者にしてみれば解せない。「暗くて、ジメジメして、どんよりして、平坦で、小さな国土」に「ストイックで良識のある人々」が住む「世界一税率が高い」国が、世界で一番幸せな国?

ブースはデンマークの幸せの理由を探るリサーチを開始する。

2018/03/25

世界で最も幸せな国民はフィンランド人 2018年世界幸福度レポート

国連機関のSDSN(Sustainable Development Solutions Network)が、「2018年世界幸福度レポート」(World Happiness Report 2018)を発表した。編者はコロンビア大学(Columbia University)、ブリティッシュ・コロンビア大学(University of British Columbia)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics and Political Science)のトップ経済学者。2015年から2017年にかけて、ギャラップ(Gallup)社が世界156か国で行ったアンケート結果を分析したものだ。

2018年世界幸福度レポートの表紙

上位10か国は以下の通り。

1. フィンランド
2. ノルウェー
3. デンマーク
4. アイスランド
5. スイス
6. オランダ
7. カナダ
8. ニュージーランド
9. スウェーデン
10. オーストラリア

上位10か国の顔ぶれは去年と一緒。大きな違いは、去年5位だったフィンランドが1位になったこと。(去年の1位はノルウェー。)

この報告書によると、国民の幸福度を左右する要因は6つあるという。国民一人当たりのGDP、社会福祉、平均寿命、自分の人生を自分で決めることができる自由、 寛容性、汚職のレベルである。

世界一の経済大国アメリカ合衆国は18位(2016年は13位、2017年は14位)。国が裕福だからといって、国民が幸福とは限らない。

2018/02/01

世界で最も住みやすい都市ランキング 日本が10位以内に3都市も

モノクル」(Monocle)は国際ニュースからビジネス、文化、ライフスタイルまでを扱う雑誌、24時間ラジオ局、ウェブサイト。CBCニュースのレポーター、ハリー・フォーステル(Harry Forestell)に言わせると、フォーリン・アフェア(Foreign Affairs)誌とヴァニティ・フェア(Vanity Fair)誌を足して2で割ったようなもの。国際人のための情報提供メディアである。

このほど、『モノクル』誌の第8回「世界で最も住みやすい都市ランキング」(Most Liveable Cities Index)が発表された。正式名は「生活の質調査2014」(Quality of Survey 2014)。

Quality of Life Survey 2014 (Monocle)

住みやすい都市ランキングはいくつかあるが、『モノクル』誌が重視するのは、安全性・犯罪の少なさ、世界とのつながり易さ、気候・日光、建築の質、公共の交通機関、許容度、自然環境、都市デザイン、ビジネス環境、積極的な政策決定、医療など。

公表された25都市の11位から25位を見てみよう。

25位 ブリスベン(オーストラリア) 新規
24位 オスロ(ノルウェー) 新規
23位 ポートランド(アメリカ) 昨年と同じ
22位 リズボン(ポルトガル) 新規
21位 バルセロナ(スペイン) 昨年と同じ
20位 ハンブルグ(ドイツ) 昨年16位
19位 アムステルダム(オランダ) 昨年22位
18位 パリ(フランス) 昨年14位
17位 マドリッド(スペイン) 昨年18位
16位 シンガポール(シンガポール) 昨年16位
15位 バンクーバー(カナダ) 昨年19位
14位 ベルリン(ドイツ) 昨年20位
13位 香港(中国) 昨年11位
12位 オークランド(ニュージーランド) 昨年10位
11位 シドニー(オーストラリア) 昨年9位

そして、ベストテンは・・・? 『モノクル』誌のコメント付きで紹介する。

2017/11/16

「立派な国ランキング」発表。世界に最も貢献している国は?

6月23日、「Good Country Index」が発表された。この指標における「グッド・カントリー」の定義は、自国の枠を超え、より良い世界を築くために貢献している国。いわば、「立派な国ランキング」である。

調査を行ったのは、過去20年間に世界中の大統領や首相計53人にアドバイスしてきたというサイモン・アンホルト(Simon Anholt)。プロの政策アドバイザーだ。

サイモン・アンホルト(Wikipedea

人々が最も称賛するのは、立派な国というイメージだということに気がついた。経済力があるとか、美しいとか、強大であるとか、近代的とかいうことより、ずっと大切なのだ。そこで、人類に最も貢献していると思われているのはどの国か、そしてどの国が実際に立派なのかを知りたいと思った。」

アンホルト氏は世界125か国を以下の7つのカテゴリー別に貢献度の点数をつけ、それに基づいて総合ランキングを決定した。

科学技術(Science and Techonology)
文化(Culture)
世界平和・安全(International Peace and Security)
世界秩序(World Order)
地球・気候(Planet and Climate)
繁栄・平等(Prosperity and Equality)
健康・福祉(Health and Wellbeing)

各カテゴリーの点数は、5つのデータの総合点。例えば「世界秩序」カテゴリーには、開発援助の金額や国連条約の批准・署名数などのデータが含まれる。世界への貢献度しか考慮されないので、いくらGDPが大きくても、いくら自国民の福利厚生が整っていても、点数に加算されない。

勿論、「立派」という言葉そのものが主観的。カテゴリーの分け方や、データの選び方や、計算の仕方などに批判は沢山ある。また、入手できるデータにも限りがある。これが完全とか絶対とか断言できる「立派な国リスト」作成は不可能だ。それでも、敢えてランキングを作成し公表したのは、普通の人々に自分の国が「立派」かどうか考えて欲しいから。

2017/09/11

世界で最もストレスが大きい国は? ブルームバーグのランキング

アメリカの金融メディア企業「ブルームバーグ」(Bloomberg)は公表されている統計資料を駆使して順位をつけるのが大好きだが、そのひとつに世界各国のストレス度ランキングがある。

考慮しているのは以下の7項目。

  • 人口10万人当たりの殺人率
  • 一人当たりのGDP(購買力調整済)
  • 所得の不平等度(ジニ係数)
  • 汚職の認識度
  • 失業率
  • 都市の大気汚染
  • 平均寿命

まず項目ごとに点数をつける。たとえば、殺人率が一番低い国は0点、一番高い国は100点。残りの国には相対的な点数がつけられる。そして、7項目の点数を合計し、7で割った値をストレス度とみなす。


そうやって得られた値が正しいストレス度を表すかどうかには疑問がある。この7項目がストレスを測る上での適正な尺度であるかどうか、また、この7項目に均等な重要度を与えるべきかどうか、異論があることだろう。

そもそも何をストレスと感じるかは、個人によって随分違う。ひとりの人にとって耐えられないストレスになることが、別の人には全然気にならないかもしれない。それどころが、俄然やる気を起こさせる「元気の元」になる可能性だってあり得る。

2017/07/10

各国で一番値段を知りたいものは? アメリカは「特許」、オーストラリアは「体外受精」、日本はなぜか「スイカ」

アメリカのFixr(フィクサー)社が面白い地図を作成している。「世界各国で、一番値段が気になるものはなにか」を表わした地図だ。



まともに調査したのでは、予算と時間がかかって仕方がない。もともと冗談半分のリサーチである。フィクサーではグーグルのオートコンプリート機能を利用することにした。

グーグル検索で言葉やフレーズを入力すると、勝手にいくつも予測が出て来る、アレである。

フィクサーが使ったフォーマットは「how much does a * cost in (country name)」。「(国名)で*はいくらするか」と入力すると、過去の同じような質問を基にして、*部分に予測が表示される。最初に出てきたのが、これまで一番多かった結果だろうということで、世界各国の国名を入力し、結果を地図にまとめた。

2016/11/20

お値段7万7千円から 南アの契約殺人

日本で殺し屋を雇うと、一体いくらくらいかかるのだろう。

そんなことを思ったのは他でもない。南アフリカにおける研究結果が、世界的に権威のある学術誌に発表されたからだ。


論文の題は「The Commercialisation of Assassination: Hits and Contract Killing in South Africa 2000-2015」(暗殺の商業化:2000年ー2015年の南アフリカにおける暗殺と契約殺人)。掲載された学術誌は「African Affairs」。ロンドンに本部がある「ロイヤル・アフリカン・アカデミー」(Royal African Academy)の季刊誌で、オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)が発行している。

ケープタウン大学(University of Cape Town)のマーク・ショー(Mark Shaw)教授と博士課程の学生キム・トーマス(Kim Thomas)が分析に使ったのは「メディア」。2000年から2015年までの16年間に報道された、暗殺や暗殺未遂1000件以上のデータベースを作成したのだ。もちろん、誰にも知られず殺され、報道されなかったケースも数多くあるだろう。

マーク・ショー
キム・トーマス

アパルトヘイト時代の南アでは、暗殺や契約殺人は珍しいものではなかった。アパルトヘイト政府が解放運動の活動家を殺害しただけでなく、解放運動内部でも、「問題」と見なされたり、政府のスパイと疑われたりして殺された人がたくさんいる。いずれにせよ、アパルトヘイト時代の暗殺の多くは、政治を動機とした、組織によるものだった。

それが変わったのは1994年。アパルトヘイトが終わり、民主総選挙が行われ、アフリカ民族会議(ANC)が政権を取ってからのことだ。イデオロギーの違いを原因とした政治組織による暗殺から、個人が政治的経済的利益を得るために殺し屋を雇うことに変化したのだ。そして、人を使って殺することで問題を解決しようとする事例が、近年増えているという。

2015/02/12

国の惨め度と国民の幸せ度

人の幸せなんて、主観的なものだ。貧困にあえぎ、明日の食事されおぼつかない人は「お金さえあれば・・・」と切望するかもしれない。寄って来る人はすべて金目当てと思い込み、孤独をかみしめる超大金持ちは「お金さえなければ・・・」と嘆くかもしれない。肥満に悩む人は痩せることを夢見るかもしれないし、超痩せの男性は「もっと筋肉があれば」と鏡を見る度に溜息をつくかもしれない。

南アフリカは世界有数の惨めな国だという。アメリカのケイトー研究所(Cato Institute)が2015年1月に発表した、2014年度の「世界悲惨指標」(World Misery Index)で10位という不名誉なランキングを獲得した。

リストを作成したのはジョン・ホプキンス大学のスティーブ・ハンク(Steve Hanke)教授。「どの国も、低いインフレ率、低い失業率、低い貸出金利、そして1人当たりのGDPを増やすことを目指している」から、この4つを使って各国の惨め度を計算したという。

計算式は「(失業率)+(貸出利子) +(インフレ率)-(国民一人当たりの実質GDPの変動率)」。この4種類のデータを公表している国だけが対象になるため、2013年度は89か国、2014年度は108か国のランキングとなっている。

2014/08/03

ヴィッツ大学が世界大学ランキングで115位。アフリカ大陸で最高。

ヴィットヴァーターランド大学(University of the Witwatersrand)、略してヴィッツ大学(Wits University)。かつて、南アフリカはもとよりアフリカ大陸で最高、世界でも有数の大学といわれていた。ところがここ暫く、人気の面でもレベルの面でもケープタウン大学に太刀打ちできず、プレトリア大学やステレンボッシュ大学などにも押され気味で勢いがない。卒業生として寂しく思っていたところ、「世界大学格付けセンター」(CWUR: Center for World University Rankings)による2014年度ランキングで、アフリカ大陸最高の115位となっていた。「ランキングなんてどうでもいい」と思いつつも、元気のなかった母校が健闘しているのを目にするのは嬉しい。

ヴィッツ大学(BusinessTech

評価の基準は以下の8点。100%満点である。

教育の質(Quality of Education)25%
国際的な賞や勲章を得た卒業生の数(大学の大きさに応じて計算)

卒業生の雇用状況(Alumni Employment)25%
世界のトップ企業でCEOの職にある卒業生の数(大学の大きさに応じて計算)

教官の質(Quality of Faculty)25%
国際的な賞や勲章を得た教官の数

出版物(Publications)5%
評価の高い学術誌に掲載されたリサーチ論文の数

影響力(Influence)5%
非常に影響力の大きい学術誌に掲載されたリサーチ論文の数

引用数(Citations)5%
数多く引用されたリサーチ論文の数

幅広い貢献度(Broad Impact)5%
大学の「h指数」(h-Index)。h指数とは研究者の科学的貢献度を示す指数で、論文数と被引用数を使って計算される。

特許(Patents)5%
国際的な特許の申請数

100%の評価を受けたのは世界でだた一校。ハーバード大学である。

2014/06/06

学校数も児童数も把握していない! お粗末な州政府と基礎教育省

今週末、南アフリカをこの冬初めての寒波が襲った。ジョハネスバーグでも、3日前までは最高気温が25度くらいあったのに、今日はいきなり最高気温9度、最低気温2度の予報。今朝の『タイムズ』紙の一面トップ見出しは「Winter of discontent」。

新聞の見出しは、単刀直入に要点を挙げるのが普通。「不満の冬」って、曖昧過ぎない?

実は、この見出し、シェイクスピアの『リチャード3世』(Richard III)の有名な出だしなのだ。

Now is the winter of our discontent
Made glorious summer by this sun of York

日本人にとって、「祇園精舎の鐘の声・・・」とか、「つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて・・・」とか、「ゆく河の流れは絶えずして・・・」とか、古典の出だしを学生時代暗記したのが一般教養の元となっているように(皆さん、暗記しませんでした?)、英語圏の国々では、シェイクスピアや聖書の引用が新聞記事や小説や映画などに何の説明もなく現れる。「知っていて当然」なのだ。

南アフリカでは、アパルトヘイトが終わり、黒人政権が樹立してから20年経つが、初等中等教育の質が向上しないどころか、益々ひどくなっているし、文化のアフリカ化を目指す風潮(ベンツやローレックスは好きなくせに、クラシック音楽やバレーは駄目)と政府の政策のとばっちりで、イギリスの古典なんか勉強しないだろうなあ。大体、教科書が生徒の手元に届く届かないとか、先生が学校に来る来ないとかが取沙汰されているレベルだもの。

だが、南アフリカでは「世界レベルの・・・」(world-class)という表現が良く使われる。ジョハネスバーグ市のキャッチフレーズは「世界レベルのアフリカの都市」(a world-class African city)だ。そんなに世界を気にするなら、「英語を話す国際人」の教養として、有名な引用くらい学校で覚えさせればよいのに・・・。

・・・などとひとり感慨にふけっていたところ、南ア教育界の実態はそんなものではないことがわかった。古典なんて、問題外。ずっとずっと深刻なのだ。

2014/05/12

子供は養子に出すより捨てた方がいい 祖先崇拝に基づくアフリカ流論理

路上のゴミ箱の中に新生児が捨てられていた、というニュースを時々耳にする。子供を捨てる母親は「貧しくて子供を養うことが出来ない若い女性」とか、「望まない妊娠をしてしまった無責任でふしだらなティーンエイジャー」とか、「トラウマや鬱など精神的に問題がある女性」とか勝手に推測されているが、これまで子捨てに関するきちんとした調査はなかった。

ディー・ブラッキー(Dee Blackie)さんが、プスプスと燃えるゴミの山の中で小さな赤ちゃんの死体を見つけたのは2011年のこと。大きなショックを受け、「なんとかしなければ」と「全国養子縁組連合」(National Adoption Coalition)の結成に尽力した。「どうしても赤ちゃんを育てることができないお母さんのために、養子縁組を促進しよう」と考えたのだ。

全国養子縁組連合ウェブサイトから)

貧困、極度の性差別、暴力などが原因で子捨ては増加の一途を辿っているのに、どういうわけか養子縁組は減っている。捨てられる赤ちゃんの殆どは黒人である。

2014/04/10

犯罪は外国人が引き起こす「神話」

「犯罪者の多くは近隣諸国の国民」という見方は「神話」であることが、4月8日発表の報告書で明らかになった。報告書を作成したのは「the National Institute for Crime Prevention and the Reintegration of Offenders」という長い名前の機関。「犯罪防止と犯罪者の社会復帰のための国立研究所」とでも訳そうか。

2011年の国勢調査によると、南アフリカに居住する人のうち、外国人は3.1%。そして、受刑中の11万2467人のうち、外国人は4%。誤差を考えると、似たような数字である。「逮捕されない、または逮捕されても有罪にならない犯罪者は、南ア人より外国人の方がずっと多い」というありそうにない事態でもない限り、「犯罪は外国人が犯すもの」とは言えないわけだ。

2014/01/14

頭脳逆流! 出戻り南ア人、増加傾向

ここ数年、南アフリカの頭脳流出が止まっている。それどころか、「逆流」しているらしい。

アドコープ(Adcorp)社が1月13日に発表した最新調査によると、高スキルを持つ南アフリカ人が2008年以来、35万9000万人も戻ってきたという。その37%が弁護士、医師、エンジニア、会計士などの専門職。といっても、一斉にホームシックに罹ってしまったわけではなく、純粋な経済的理由。

2004年から2008年にかけての世界的な好況期、南アフリカ人、特に白人がどんどん海外に移った。白人バッシングが強烈だったターボ・ムベキ(Thabo Mbeki)大統領のころだ。「犯罪が深刻な南アフリカで子供を育てたくない」「子供が大きくなっても、白人は良い職につけない」などの不安が高まる中、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏先進国から多くの求職があった。南アよりずっと給料が良い。このチャンスを見逃せようか。スキルのある黒人も、南アを去った。教師や看護婦が不足しているイギリスなどに、大量に引き抜かれてしまったのである。

2013/12/29

変わった新年の迎え方ベストテン 第4位に南アフリカの家具投げ落とし

今年も余すこと、あと数日。多くの人々が新年を迎える準備に余念がないことだろう。世界各地で、どのような新年の祝い方をするのだろうか。

そこで、ソーシャルネットワーキングサイト、Badoo.comが世界18か国計7200人にアンケートをとってみた。質問はふたつ。「世界で一番変わった新年の迎え方」と「世界で一番楽しい新年の迎え方」は何だと思うか。

変わった新年の迎え方第1位の栄冠(?)に輝いたのは、タルカ市(チリ)に伝わる、墓地で先祖と一緒に新年を迎える風習。

祖先の霊をお迎えするお盆を考えると、それほど変わっているとは私には思えないけど、「変わっている・いない」はアンケートに答えた人の「常識」「普通」に基づいているので、誰に聞いたかによってこういう結果もありだろう。

2013/11/11

まだまだ捨てたもんじゃないヴィッツ大学。各種世界ランキングに食い込む


かつて南アフリカの最高学府だった「ヴィットヴァータースランド大学」(University of the Witwatersrand)、通称「ヴィッツ」(Wits)。

アパルトヘイト時代はリベラルな学生が集まり、アパルトヘイト政権に反対したデモが繰り広げられ、警察の手入れが日常的だった時期もある。反アパルトヘイト運動に身を投じた在学生、卒業生も多かった。(安保反対で揺れた東大の拡大版みたいなものか。)一方で、経済界のエリートも多数生み出した。

ところが、アパルトヘイト後、どうも冴えないのである。昔からヴィッツと何かと比較され、東大に対する京大の観があったケープタウン大学は、花形学長を次々にゲットし、美しい土地の利も大いに利用し、「反アパのリベラル大学ナンバーツー」から、自他とも認める「南ア一の大学」として見事に生まれ変わった。

一方のヴィッツは、昔のプライドが邪魔をして世の中の動きについて行けなかったのか、冴えない学長が続出したためか、イメージダウンの一途を辿った。ジョハネスバーグという町のイメージも悪すぎる。優秀な学生がケープタウンに行きたいと思っても仕方ない。ヴィッツの卒業生としては、目に余る凋落ぶりが寂しい限りだ。

2013/10/03

老後を過ごすならスウェーデン! 南アフリカは65位

10月1日、第1回「グローバル・エイジ・ウォッチ・インデックス」(Global Age Watch Index)が発表された。4つの分野で、91か国の65歳が置かれた状況を比較したものだ。「世界老齢指標」とでも言おうか。

4つの分野とは、

収入保障(Income Security)…老人の基本的なニーズを満たすため、自分の自由になる十分な収入があるかどうか。
健康状態(Health Status)…年を取ると体が弱くなり、病気や障害が出やすくなる。
雇用と教育(Employment and Education)
自立を可能にする環境(Enabling Environment)…老人は独立した生活を送る自由を求める。

そして、それぞれがまたいくつかのカテゴリーに分かれている。

2013/07/26

世界で一番お金がかかる都市はルアンダ。東京、首位から転落。

ルアンダ(Luanda)と言われて、どこかすぐわかる人はかなりのアフリカ通。「1990年代中頃に大虐殺があった国じゃないの?」という人は、残念賞。あれはルワンダ(Rwanda)でした。

ルアンダはアンゴラ(Angola)の首都。地図でみると、ナミビアの北、南アフリカの北西に位置する。国境を接しているのはナミビア(南)、コンゴ民主共和国(北)、それにザンビア(東)。ポルトガルの元植民地。人口2000万人弱。一人頭のGDPは6346ドル(2012年推定)、世界で107位。

「アンゴラって、アンゴラヤギとかアンゴラウサギから取れる、セーターなんかに入っている繊維? すると、アンゴラはアンゴラヤギやアンゴラウサギのふる里?」・・・ではありません。そっちは「Angora」。

(外務省HP)
頻繁に国際メディアに取り上げられる都市ではないが、そのルワンダがコンサルタント会社「メーサー」(Mercer)が毎年行っている「世界生活費調査」(Worldwide Cost of Living Survey)で、昨年の一位東京を押しのけて栄冠を手にした(って、必ずしも自慢できるわけじゃないけど)。世界214都市で行われた、外国人の生活費比較調査だ。

2013/07/16

南ア人の半数が公務員に賄賂 トランスペアレンシー・インターナショナルの最新調査

7月10日、「トランスペアレンシー・インターナショナル」(Transparency International;以下「TI」)が毎年恒例の「世界腐敗指標」(GCB=Global Corruption Barometer)を発表した。107か国に住む11万4000人以上の人々に、腐敗に対する意見を聞いたものだ。(TIでは「世界腐敗認識指数」(CPI=Corruption Perceptions Index)というのも毎年発表している。)

TIは、日本を含む世界約100ヶ国に拠点をもつ国際NGO。NPO法人「トランスペアレンシー・ジャパン」(Transparency International Japan 略称:TI-J)のHPによると、「国内・国外において、汚職・腐敗の防止を促す社会システムを構築、腐敗との闘いをリードする市民社会組織」。

世界中で調査に協力した人々の31%が、過去1年間に公務員に賄賂を支払ったという。では、南アフリカは?

なんと47%! ふたりに一人が公務員に賄賂を払ったのだ。世界平均を大幅に上回っている。(自慢にもならないが。。。) 今まで賄賂を払ったことがある、ではない。過去1年間限定の数字だ。

2013/07/12

ケープタウンは世界で4番目に素敵な町 『トラベル+レジャー』誌の恒例アンケート

アメリカンエクスプレス出版(American Express Publishing Corporation)発行の月刊旅行雑誌『トラベル+レジャー』(Travel + Leisure)が、第18回『ワールドベスト賞』(World's Best Awards)を発表した。

町、ホテル、レストラン、空港、航空会社などカテゴリー別に読者アンケートを行い、その年のベストを決めるもの。今年のアンケートは2012年12月1日から2013年4月1日の4か月間行なわれ、ケープタウンが町部門の第4位に輝いた。