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2018/03/22

『ブラックパンサー』の大ヒットで、架空の王国「ワカンダ」のホテルサーチが急増

世界中で大ヒットとなったマーベルスタジオ(Marvel Studios)初の黒人スーパーヒーロー映画『ブラックパンサー』(Black Panther)。


主人公ティ・チャラ(T'Challa)はアフリカの小国ワカンダ(Wakanda)出身。高度な科学技術を誇る超文明国だが、表向きは発展途上国として、欧米列強の植民地化を逃れ、何百年も平和と繁栄を保って来た。

(ヨーロッパ諸国が19世紀末のベルリン会議で、現地の意向をまったく無視してアフリカを分割した歴史的経緯を映画製作者は知らないのか、それともストーリー上都合が悪いから忘れることにしたのか。ワカンダが目立たないように努力したからといって、避けられた運命ではないのに。「ファンタジーだから歴史は関係ない」と割り切ることもできるけど、世界に関心がない超大国アメリカの映画だから、ここまでアフリカの歴史を無視できるのだろう。)

ティ・チャラは父王の死後、新国王に即位しながらも、スーパーヒーロー「ブラックパンサー」としても活躍。(動物のパンサーが生息するのはアメリカ大陸。アフリカにいるのはレパードだけど、アメリカの漫画が原作だからパンサーなのだろう。)

2018/03/18

ヒロイン役は南ア人ソプラノ! METライブビューイング

ガエターノ・ドニゼッティ(Gaetano Donizetti)のコメディ・オペラ『愛の妙薬』(L'elisir d'amore)が最高に楽しかった。主な歌手全員、歌がうまいだけでなく、かなりの役者である上に、息がぴったり合っている。人を笑わせるのはむずかしいと思うのだが、抜群の演技とタイミングに喝采した。


主役の単純で間抜けな貧農、ネモリーノ(Nemorino)を演じるのは、アメリカ人テノールのマシュー・ポレンザーニ(Matthew Polenzani)。



いい人なんだけど、一生の伴侶にするにはお人好しすぎて多少の不安がある(と私は思う)ネモリーノは、美人で聡明で、根は優しいがちょっと高慢な富農の娘アディーナ(Adina)に一途な恋をしている。動画はネモリーノが歌う有名なアリア『人知れぬ涙』(Una furtiva lagrima)。


アディーナ役は南ア人ソプラノのプリティ・イェンデ(Pretty Yende)。1985年3月6日、南アフリカの田舎町に生まれた。生まれて初めてオペラに触れたのは16歳の時。ブリティッシュエアウェイズ(British Airways)のコマーシャルで、レオ・ドリーブ(Léo Delibes)のアリアを耳にし、オペラの虜になった。



南アの音楽学校を優等で卒業後、ミラノのスカラ座付属学校で学ぶ。ヨーロッパで数々の賞を勝ち取り、2012年スカラ座デビュー、2013年ニューヨークのメトロポリタンオペラデビュー。もちろん才能と努力の賜物だろうが、現代のシンデレラ物語である。

2018/02/15

ベッカム、ゾンビ、スタートレック・・・。楽しい大学の科目あれこれ

アメリカのテレビ番組『ゲーム・オブ・スローンズ』(Game of Thrones)が米バージニア大学(University of Virginia)で英文学の科目になった。エミー賞、ゴールデングローブ賞など受賞している超人気ファンタジードラマだ。

授業を行うのはリサ・ウールフォーク(Lisa Woolfork)準教授。実績のある学者とのこと。『ゲーム・オブ・スローンズ』は「文学的に見て、非常に多様で含蓄がある文章。何重もの層があり、登場人物が豊富で、とても知的」とベタ褒め。

ディスカッションが主の授業は4週間にわたり、学生たちは最後に『ゲーム・オブ・スローンズ』の新しい章をグループ別に書くことになっている。現在24名の学生が受講中。

4年生のマドリン・マッコーリフ(Madlyn McAuliffe)さん曰く、「昔は本が話題を提供したが、今その役割を果たすのはテレビと映画」「文学と同じ原則をテレビや映画に適用するのは大切だと思う」。

これ以外にどんな「オモシロすぎて、実在するとはとても思えない大学の科目」があるのだろう、と英『デイリー・テレグラフ』(The Daily Telegraph)紙が探し出してきたのが以下のコース。

* * * * * * * 

デイビッド・ベッカム研究(David Beckham studies) 英スタッフォードシャー大学(Staffordshire University)

この大学には「メディア・スポーツ・文化」という学位があるそうで、その授業の一環。ベッカムの写真をホレボレと観賞するわけではなく、人々がサッカー選手に夢中になる現象を社会学的に研究するもの。コースを創設したエリス・キャシュモア(Ellis Cashmore)教授曰く、「今日ベッカムが大きな注目を浴びているのは事実。ベッカムは数多くの夢想・幻想の対象となっている」。

2009年ケープタウンにて。記者会見で一語一語ゆっくり言葉を選んで話す、誠実な態度が印象的でした。

2018/01/25

トランプ大統領誕生までを振り返る(5)アメリカ1番 2番は我が国! トランプへの自国紹介ビデオが世界中に拡散。中東、アフリカ、火星からも

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の最終回は、『アメリカ1番 2番は我が国! トランプへの自国紹介ビデオが世界中に拡散。中東、アフリカ、火星からも』(2017年2月13日)。

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先週ご報告した「アメリカ1番 2番は我が国!」自国紹介ジョークビデオ。オランダ版が1月23日にユーチューブにアップされ大ヒットした後、2月5日の時点で、ドイツデンマークスイスベルギーリトアニアポルトガルオーストリア、オランダ北部のフリースラント州、更にはカザフスタンインドメキシコ版がユーチューブで公開されていた。(赤茶色部分をクリックすると、別ウィンドーでユーチューブビデオが開きます。)

それから一週間。勢いに乗ってもっと多くのバージョンが発表されただろうか、それともあっという間に下火になってしまっただろうか。

調べたところ・・・ものすごい数のバージョンができている! 複数のバージョンがある国もある。ドイツの呼びかけに応じたテレビ局制作のものだけでなく、それ以外の有志が作ったものも多いようだ。ほとんどがオランダのフォーマットを継承しているが、独自の構成のものもある。質も様々。

ヨーロッパ大陸からは新たに、アイスランドアイルランド(「51番目の州になりたい」)、アルバニアイギリス(「第3次世界大戦を一緒に戦うのを楽しみにしている」)、イタリアウクライナクロアチア(「アメリカ第1、ドイツ第2、クロアチア第3」)、コソボスウェーデンスペインスロバキアスロベニアセルビア(画質が悪すぎ。ナレーションではなく、セルビア民謡(?)っぽい歌が流れ、なんとなくシュール)、チェコ(「51番目の州になりたい」)、ノルウェー(「スウェーデンを最下位にしてくれ」)、フィンランドフランスブルガリア(「アメリカ第1、ロシア第2」「上位10位に入りたい」)、ベラルーシボスニア・ヘルツェゴヴィナポーランド(「アメリカ第1。ポーランドは超第1!」)、マケドニアモルドバラトビアルクセンブルクルーマニア(「少なくとも上位100位には入れてくれ」)など20か国以上。もう存在しない東ドイツというのもあった。地理的に中途半端な位置にあるトルコもここで紹介しておく。

「ここが我が国」とラトビア。トランプが核兵器発射ボタンを押すことを懸念(?)して、他国を地図上で示す国がいくつも。

2018/01/18

トランプ大統領誕生までを振り返る(4)アメリカ1番 2番は我が国! オランダのジョークビデオが大ヒット 各国で疑似ビデオ続々作成


2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の第4弾は、『アメリカ1番 2番は我が国! オランダのジョークビデオが大ヒット 各国で疑似ビデオ続々作成』(2017年2月6日)。

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TV番組の司会者が言う。「第45代アメリカ合衆国大統領の就任式を世界中が見守る中、トランプは世界に対し明快なメッセージを送りました。”お前たちを散々な目に遭わせてやる”。」(視聴者の笑い声)「いや、使った言葉は多少違いましたが。」

画面に映し出されたのは、就任式でのトランプ。



From this day forward, it's going to be only America First. America First.

つまり、「(自分が大統領になった)今日からは、アメリカ第一だ」。

番組司会者が言葉を続ける。「仲良くやった方が無難なので、この小さい我が国をトランプに紹介することにしました。ある意味で、それが一番トランプにアピールできると思ったからです。」

目が覚めたらまずテレビ、寝る前にもテレビ・・・という、テレビ大好き人間のトランプ大統領に訴えるには、ビデオという視覚メディアを使うのが最善というわけだ。

(余談。先週、米MSNBCの早朝報道番組『Morning Joe』に出演中の下院議員が、いきなりカメラに向かって話しかけた。「大統領、あなたがこの番組を今見ていることを私は知っています。話があるから、電話ください」。番組の後、連絡があったとのことだ。大統領府でアポを取ろうとするより、テレビで直接呼びかけた方が早いなんて・・・。)

そして、オランダの紹介ビデオが始まる。

2017/12/14

トランプ大統領誕生までを振り返る(3)トルドーの気配り組閣 トランプの「ワニで沼地を満たす」組閣

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の第3弾は、『トルドーの気配り組閣 トランプの「ワニで沼地を満たす」組閣』(2016年12月21日)。

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カナダの首相がかっこいい。ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)。フランス語読みではジュスタン・トリュドー。1971年クリスマス生まれの、もうすぐ45歳。去年第29代首相に就任したときは弱冠43歳だった。父親は第20・22代首相のピエール・トルドー。父親が首相だったときに生まれ、一旦は教鞭を取るものの、父の死後政界入りした。

見た目は「いいとこのお坊ちゃん」風キュート。これまで何度かインタビューを聞いた限りでは、頭脳明晰で進歩的、ユーモアがあり温かみに溢れる。「私はフェミニスト」と公言し、女性の地位向上に理解がある。堕胎に関しては「プロチョイス」(pro-choice)、つまり当事者である女性に選択の権利があるという立場。

大麻の合法化に賛成。大麻の普及を促進したいわけではなく、合法化することによって、子供たちを公に守り、違法麻薬販売で儲けている犯罪者を一掃することが目的という。また、これまでないがしろにされてきた、先住民の保護・援助にも力を入れている。更に、先進国の間で反難民感情が高まる中、人道的な立場から難民の受け入れに熱心である。

トルドー首相の理念は、組閣にはっきり表れている。適材適所、半数以上が女性(首相を除く閣僚29名のうち15名)、国の多様性を反映(シーク教徒4名、先住民2名など)、障害者2名、地域バランスへも配慮(全州から閣僚を選出)・・・。気配りの細かいこと!

トルドー首相(最前列中央)と閣僚たち

2017/12/07

トランプ大統領誕生までを振り返る(2)柵になるかもしれないトランプの壁

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の第2弾は、『柵になるかもしれないトランプの壁』(2016年11月18日)。大統領就任に選出されてから初めてのテレビインタビューを見て、候補者トランプが選挙中に行った公約を、大統領に選出されたトランプがどう考えているかをまとめたもの。

この一年ではっきりしたのは、米国民の30-35%がトランプの熱烈なファンであり、トランプの言うこと(その多くが虚言)を鵜呑みにするということ。公約を守らなくても全然OK。それどころか、トランプのツィッターをフォローする支持者たちは、トランプが公約を実現していると思い込んでいる。「有言実行の素晴らしい大統領」と信じている。

「公約を破れば支持者が納得しないのでは?」というのは、まったくの懸念だった。
 
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11月13日、米CBS「60 Minutes」(シックスティ・ミニッツ)がドナルド・トランプ(Donald Trump)の独占インタビューを放映した。2000万人ものアメリカ人が見たという。第45代アメリカ合衆国大統領に選出されてから、初めてのテレビインタビューだ。インタビュアーは1991年から「60 Minutes」で働くベテランジャーナリスト、レスリー・スタール(Lesley Stahl)。

「60 Minutes」の撮影現場(CBS News

選挙運動期間中、トランプはかなり無責任で扇動的な公約を繰り返した。それを信じて投票した人も多いだろう。選挙公約をどの程度実現するつもりか、支持者にとっても、反対者にとっても気になるところ。

トランプの姿勢・考えと公約をまとめてみる。

1.移民問題
現状では、外国人はチェックもなく米国に入り放題。テロリストも野放し。犯罪者やレイピストを送って来ているメキシコとの国境に、高くて厚い壁を築き、費用はメキシコに出させる1000万人以上の不法移民を子供も含め国外退去させる。イスラム教徒の入国を一時的に全面禁止する。

2.ヒラリー・クリントンのEメール問題
大統領に就任したら直ちに、特別捜査班を任命し、ヒラリーを有罪にして投獄する

3.国民健康医療制度
2000万人の国民をカバーする通称「オバマケア」(Obamacare)は「完全な失敗」(total disaster)なので撤廃する。

4.外交
プーチン、フセイン、金正恩などの独裁者は素晴らしいクリミア自治共和国のロシア強制編入は問題ない。ロシアと協力して、イスラム国を倒す。テロリストは家族まで殺すべき拷問OK分担金を払っていないNATO加盟国が苦境に陥っても助けない日本、韓国が自衛できるよう、核兵器を持たせてもよい。(最後の点に関しては、選挙後「言っていない」と否定しているが、インタビューに答えて明言している映像がしっかりある。確言した映像や音声が証拠としてあるのに、平気な顔をして「言っていない」と否定するのは、トランプにはよくあること。)

5.経済・貿易
アメリカの産業・経済を復興させるため、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)から脱退し、輸入品への関税を大幅に引き上げる。所得税の課税方法をシンプルにし、富裕層の所得税率を大幅に下げ、遺産税を撤廃する。

6.国内政治の改革
腐りきっている政治を一新する。自分ほどアメリカの政治システムに精通している者はいないから、自分だけが改革できる

7.人権
妊娠中絶に反対。中絶した女性は罰せられるべき。最高裁の裁判官は、中絶反対派を選ぶ。

8. 環境
地球温暖化は科学者の支持を得ていない空論

・・・などなどなど。

2017/11/28

トランプ大統領誕生までを振り返る(1)ドナルド・トランプの壁

ドナルド・トランプが第45代アメリカ合衆国大統領に選出されてから、もう1年経ってしまった。これまでそれほどアメリカの政治に関心がなかった私も、2016年前半からユーチューブに釘付けになっている。(テレビがないのでニュース映像はユーチューブで見ている。)

 この機会に、2016年8月から2017年2月まで、別ブログに書いたトランプ関連記事を振り返ることにする。

まずは2016年8月7日の記事『ドナルド・トランプの壁』。共和党大統領候補トランプの公約のうち、一番有名なものだったが、大統領になってからいつの間にか立ち消えになってしまった。

この時点では、大金持ちの家に生まれ、詐欺同然の手口を用いて私腹を肥やすことにそれまでの人生を費やし、多くのビジネスで失敗し、世界政治経済にうとく、集中力が3分もなく、発言の大部分が嘘であり、人種差別やセクシャルハラスメントを平気で行う、ナルシストで傲慢なトランプを大統領候補に選んだ共和党員にあきれていた。もっとちゃんとした候補者が複数いたのに。。。

「トランプ=成功」「大富豪の凄腕ビジネスマン」というイメージがリアリティTVで浸透していた。テレビが作り出したイメージを本当の姿と信じる多くの米国民。「バカじゃないの」と思う一方で、デマゴーグに簡単に扇動される民衆が空恐ろしかった。

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不法移民の入国を阻止するために、アメリカ・メキシコの国境に防壁を築く」と息巻いていたドナルド・トランプ(Donald Trump)が、米共和党の大統領候補に指名されてしまった。共和党の党大会での指名受諾演説でも、「壁を築く」ときっぱり。

トランプは「建設費用はメキシコに負担させる」と断言するが、メキシコ政府は「絶対払わない」。

メキシコに無理やり払わせる妙案でもあるのか。メキシコが払わないとしたら、誰が負担するのか。そもそも、3200キロにわたる国境に壁を建設するのに、一体いくらかかるのか。

Economist.com

バーンスタイン・リサーチ(Bernstein Research)の最新レポートによると、リオ・グランデ川など天然の国境のおかげで、壁を建設する必要があるのは国境の約半分。そこに高さ12メートルの壁を築くには、7億1100万ドル相当のコンクリートと2億4000万ドル相当のセメントが必要。工賃を含めると、150億ドルから250億ドルの費用がかかるという。

2017/11/20

トランプ、アフリカにも悪影響 野生動物保護の危機

アフリカにはあまり影響がないと思われていたトランプ政権だが、11月15日(水)大変迷惑な発表を行った。「アフリカでの狩猟を促進する」というのである。

その理由は、アメリカ人ハンターがアフリカに出向き、絶滅危惧種を含む大型動物を殺すために大金を払うことで、地元のコミュニティが経済的に潤い、動物保護資金が増える。つまり、これまで欧米のハンティング愛好者が主張してきた「野生動物を殺すことが野生動物の保護につながる」という変な理屈の受け売りである。

その一環として、ジンバブエとザンビアで「合法的」に狩猟したゾウの牙をアメリカに輸入することを許可した。(絶滅危惧種を「合法的」に殺せるアフリカ諸国の政策は絶対おかしいと思う。しかし、大統領が率先して狩猟全面禁止に踏み切ったボツワナ以外の国では、政治家や役人の多くが欧米ハンターやロビー団体がもたらす大金に目が眩んでしまっている。)

トランプの息子、ドナルド・ジュニアとエリックは狩猟が大好き。アフリカに来ては野生動物を殺している。

長男のドナルド・ジュニアはこんな写真をソーシャルメディアにアップしている。

ゾウは絶滅危惧種

殺したゾウの尻尾をナイフで切り取ったもの。

生まれてから何一つ不自由なく生きてきたお金持ちのボンボンが、完璧に安全な環境の中、何百万円も払って払ってゾウを射殺し、その尻尾をナイフで切り取り、自慢げにソーシャルメディアにアップしている。そんなこと、なんの自慢にもならないことに全然気がついていない。

2017/10/18

ロッシーニのシンデレラ METライブビューイング

METライブビューイング(Metropolitan Opera Live in HD)今シーズン最後の出し物は、ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini)の『チェネレントラ』(La Cenerentola)。童話『シンデレラ』をオペラ化したもの。

といっても、子供向けのオペラではない。妖精のお婆さんとか、カボチャの馬車とか、12時までの時間制限は出てこない(以上はディズニーのアニメ版のお話)。ロッシーニは魔法の要素をなくし、大人向けの素敵なロマンチックコメディーに仕上げている。3週間でこのオペラを書き上げた時、ロッシーニは弱冠25歳。前年に発表した『セビリアの理髪師』(Il Barbiere di Siviglia)が大ヒットし、ノリに乗っていた時期だ。

主人公はアンジェリーナ(Angelina)。いいところのお嬢さんだったが、寡婦になった母親がドン・マニフィコ(Don Magnifico)と再婚したことから、運命が狂ってしまう。落ちぶれた男爵ドン・マニフィコには先妻との娘、クロリンダ(Clorinda)とティスベ(Tisbe)がいる。いずれも高慢で我儘で贅沢好き。ドン・マニフィコはアンジェリーナの母親が亡くなった後、実の娘に贅沢をさせるため、アンジェリーナが受け継いだ遺産を勝手に使い果たした。ソファもボロボロの家に住む男爵はメイドも雇えないらしく、アンジェリーナを召使いとしてこき使い、ボロを着たアンジェリーナを「チェネレントラ」(灰かぶり)と呼んで馬鹿にしている。(暖炉の掃除などで、灰だらけになってしまうのだろうか。)おとなしくて心優しいアンジェリーナは、いつかこの環境から抜け出ることを夢見つつも、黙って耐えている。

METライブビューイング最新情報

一方のラミーノ(Ramiro)王子。後継ぎを心配する重病の父王から「すぐ結婚しなければ勘当する」と脅され、しぶしぶ嫁探しをしている。「愛していない相手でも、この際仕方がない」と嘆きながら、宮殿で舞踏会を開き、一番美しい娘と結婚することにした。勿論、「一番美しい」といっても、小作民の娘が玉の輿に乗るわけではなく、貴族や有力者しか対象にならないのだろう。王子の家庭教師を務める哲学者のアリドーロ(Alidoro)が乞食に身をやつし、家族構成を記録した台帳を頼りに、適齢期の娘がいる家庭をまわって下調べをしている。

2017/07/19

ディズニーの秘密コード 「A113」

ディズニー映画のファンでも、恐らく見逃している秘密のコードがある。

A113だ。

トイ・ストーリー」(Toy Story)でも・・・


2017/05/31

オペラも容姿の時代? METライブビューイング

ポスターを見てちょっと驚いた。これがオペラ歌手・・・?


カッコいいけど、この体格で声が出るの・・・?

・・・というのは、全くの懸念に終わった。

ヨナス・カウフマン(Jonas Kaufman)。今、人気絶頂のドイツ人テノールだ。演目はジュール・マスネ(Jules Massenet)の『ウェルテル』(Werther)。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』をオペラ化したもの。

2016/11/11

トランプ大統領はアフリカにどう影響するか

ドナルド・トランプがアメリカ合衆国の次期大統領に選ばれてしまった。

実はこの半年以上、毎日、米大統領選の動向を追っていた。そして、知れば知るほど、トランプという人間のひどさに唖然とした。

2004年に始まったリアリティ番組「アプレンティス」(The Apprentice)により、有能で容赦なく、素晴らしいリーダーシップを発揮する大物ビジネスマンのイメージを米国民に植え付け、「トランプ」は「成功」の代名詞となった。だが、現実は違う。詐欺まがいの、あくどい事業のやり方。数えきれない事業の失敗。過去30年間に抱えた訴訟は3500件以上! 

自分の利益のためなら何でもする超利己的人間。財力と知名度をフルに使って、好き勝手にやり放題。しかも、人間としては超未熟。「自伝」のゴーストライターによると、3分も注意を集中できない。自由時間の大半を、テレビを見ることとツイッターに費やす。自分をコントロールできず、些細な挑発に乗ってしまう。異常な虚言癖、超ナルシスト、人種差別、女性蔑視、セクハラ・・・。未成年女子のレイプ容疑まである。

しかし、どんなスキャンダルも、多くの国民の頭をスッと通過してしまう。ウォーターゲート事件を暴き出し、また計47ものピュリッツァー賞を受賞している、あの『ワシントンポスト』紙の記者がコツコツ調べ上げ、「ピュリッツァー賞受賞間違いなし!」と絶賛された報道をしても、すぐに忘れられてしまった。ジャーナリストとしてさぞかし悔しかったことだろう。

生まれた時から大金持ちで、他人を踏み台にして70年間生きてきて、ベルサイユ宮殿を模したキンキラキンのマンションに住み、自家用ジェット機で移動するドナルド・トランプ。そんな人間が自分の利益を代表してくれると、多くのアメリカ人がなぜ信じることができるのか摩訶不思議だ。

2015/03/21

絶滅まで秒読み段階 全世界に僅か5頭のキタシロサイ

全世界に僅か5頭。キタシロサイの生息数だ。ケニアの保護区で厳しい監視の元に生きているオス1頭とメス2頭、チェコ共和国の動物園にメス1頭、アメリカ合衆国の動物園にメス1頭。野生では既に絶滅してしまった。

世界に1頭しかいないオスの名前はスーダン(Sudan)。43歳。シロサイの寿命が40-50歳ということを考慮すると、かなりの高齢。元々キタシロサイは動物園など囚われの身状態で殆ど繁殖しない。人工授精という手も考えられるが、高齢のスーダンの精子は質が良くないらしい。5頭が一匹ずつ死んでいき、数年後にはキタシロサイがこの世界から姿を消してしまうことはほぼ確実だという。

サンディエゴのアンガリフ(Wikipedia
シロサイにはキタシロサイ(northrn white rhinoceros;学名Ceratotherium simum cottoni)の他にミナミシロサイ(southern white rhinoceros;学名Ceratotherium simum simum)がいる。ミナミシロサイは南部アフリカに約1万7500頭、うち93%が南アフリカに生息する。キタシロサイが絶滅しても、ミナミシロサイが生き残ればシロサイ自体は安泰…というわけでは必ずしもない。キタシロサイとミナミシロサイは100万年以上前に分かれたとされ、シロサイの亜種ではなく全く別の種という学説もある。また、ミナミシロサイの密猟も進んでおり、絶滅が危惧されている。

2014/05/06

ネルソン・マンデラ国際映画祭、実現なるか? 第1回は2015年12月

2014年4月4月23日、ニューヨークで「ネルソン・マンデラ国際映画祭」(Nelson Mandela International Film Festival)が旗揚げされた。

「ニューヨークでマンデラ映画祭が始まる!」というのは早とちり。マンデラ家の跡取り、マンドラ・マンデラ(Mandla Mandela)がマンハッタンの「トライベッカ映画祭」(Tribeca Film Festival)で発表した、という話だった。

マンドラ・マンデラ(SABC
トライベッカ映画祭は、2002年、ロバート・デニーロ(Robert De Niro)ら3人が創設した映画祭。世界中から300万人が訪れ、年間6億ドルの収益があるという。

「第1回ネルソン・マンデラ国際映画祭」は2015年12月3-12日に、南アフリカの港町ポートエリザベス(Port Elizabeth)で開催される予定。

何故、この町で…?

2014/01/11

ホームレスで麻薬中毒だった少年、スケートボードで開花 アメリカで修行中

人生、なにが起こるかわからない。なんの不自由もなく、家族の愛情につつまれ育ち、成人してから突然の不幸に襲われる人もある。

タレンテ・ビイェラ(Thalente Biyela)君の人生はその逆。どん底から始まった。

お母さんが亡くなって、誰も面倒を見てくれる人がいなくなったから、路上生活を始めたという。一緒に住んでいた義理のお父さんは麻薬の売人。家では暴力を振るった。

初めて家出をしたのは9歳。11歳から完全なホームレスになった。住んだのは、ダーバンの海水浴場にあるスケートボード場の近く。そのうちスケートボードをする人たちと仲良くなり、スケートボードを開始。スケートボード仲間が衣類や食料をくれた。勿論、学校には行かない。どこで麻薬を買うお金を得たのか、ヘロイン中毒だった。

2年前、17歳の時、元プロサーファーのタミーリー=スミス(Tammy-Lee Smith)が自分の家に引き取ってくれた。タレンテ君のチャーミングさとカリスマ性に惹かれたという。読み書きが出来ないタレンテ君のために、家庭教師まで雇ってくれた。

スミスさんの好意にタレンテ君は応えた。きっぱりと麻薬を止め、決意が固いことを示すために、毎週、麻薬検査を受けた。

最後に学校に行ったのは8歳の時。17歳なのに時計すら読めないタレンテ君にとって、読み書きを学ぶのはとても難しかった。だが、頑張って勉強したことが人生を変えたという。

「取り残された感がなくなった。自分は馬鹿だと思う気持ちがなくなった。読み書きが楽しくなった。」

スミスさんも、喜びを隠しきれない。「素晴らしい人間に成長してくれた。いろんなことに自信を持つようになったのを見るのは嬉しい。」

ロサンゼルス在住の南ア人フィルムメーカー、ナタリー・ジョーンズ(Natalie Johns)さんが友人のスミスさんを訪れたのは、2012年12月のこと。スケートボードをするタレンテ君をビデオで撮影したら、インターネットで大評判になった。

これはジョーンズさんがタレンテ君に出会うより前の2012年1月16日に、ユーチューブにアップされた映像。



2013年1月、タレンテ君はアメリカのスポーツビザを手に、ロサンゼルスへ。ジョーンズさんが引き取ってくれることになったのだ。そして、スケートボードチャンピオンのケニー・アンダーソン(Kenny Anderson)に弟子入り。タレンテ君は「スケートボードをするために生まれてきた」と、アンダーソンさんは目を細める。

ロサンゼルスのタレンテ君(「サンデータイムズ」紙より)

現在、ジョーンズさんはタレンテ君のドキュメンタリーを制作中。(ドキュメンタリーの中では、「タレント」と呼ばれている。)

 まだ19歳のタレンテ君。新天地アメリカでトレーニングを積み、競技会に挑戦するという。

人生、本当になにが起こるかわからない。

(参考資料:2014年1月5日「Sunday Times」など)

【関連HP】
I Am Thalente Speed&Spark

【関連記事】
ハリウッド映画のボディダブルは、乳ガンのサバイバー (2012年9月9日)
逆境に負けない! 14歳で大学入学 ジンバブエ (2012年6月8日)
ケープタウンのお婆ちゃん 空手8段に (2012年1月29日)
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南アでロマンス小説 著者は19歳の黒人青年 (2010年8月23日)

2013/01/11

貧乏国の作品は、アカデミー賞候補になれない? 南アの監督、落選に驚かず。


2006年、ギャヴィン・フッド(Gavin Hood)監督の『ツォツィ』(Tsotsi)が、南アフリカ映画として初めて、米アカデミー賞最優秀外国語映画に選ばれた。それ以来、南ア映画は候補にも挙がっていない。

トライしていないわけではない。今年は、ダリル・ルート(Darrel Roodt)監督の『リトルワン』(Little One)が南アを代表したが、最終候補作5作に選ばれなかった。

ルート監督は「意外ではない」という。「もっと資金があったら、選ばれる可能性はあった」というのだ。「アメリカで上映会を行うのには一回約8000ドルかかり、何度も上映する資金がなかった。しかし、第71位から13位くらいには上昇したから。。。」と自分を慰めている。

宣伝に25万ランドかけることができたら、最終候補になっていた。しかし、この映画を製作するのに、有り金全部ハタイタので、家賃を払うのにも苦労したほどだ。」

2013/01/03

ジョニー・スタインバーグ著『リトル・リベリア』 本国の内戦を逃れ、ニューヨークのスラムで生きるリベリア人たち

Jonny Steinberg
Little Liberia: An African Odyssey in New York City
Vintage Books 2011
ISBN 9780099524229
ノンフィクション

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ニューヨークのスタテン島(Staten Island)に、リベリア人のコミュニティがある。通称「リトル・リベリア」(Little Liberia)。

「パークヒル」(Park Hill)という「ハウジングプロジェクト」(housing project:低所得者用公営住宅団地)は、リベリア人で溢れている。そこに、同胞の生活向上に情熱を注ぐふたりの男がいた。

ひとりはジェイコブ・マサコイ(Jacob Massaquoi)。1971年生まれ。ギオ(Gio)族だったジェイコブの父親ドゥアズアは、支配階級「アメリコ・ライベリアン(Americo-Liberian)」(アメリカ系リベリア人)との間にコネを築き、10人を超える子供たちに出来る限りの教育を与えた。

しかし、1980年にクラン族(Krahn)のサミュエル・ドウ(Samuel Doe)曹長がクーデターを起こし、アメリコ・ライベリアンの支配が終わる。旧政権に近かった人々の多くが処刑・追放された。その後、内戦中に何度も命を落としそうになりながら、ジェイコブは運と機転に助けられ、遂にはアメリカまで逃げ延びる。

リベリアでは物理学者になりたかったというジェイコブだが、アメリカでは持ち前の行動力と組織力を生かして、リベリア人の老人、女性、子供たちの生活改善のために、身を粉にして働いている。

もうひとりの主人公は、ルーファス・アルコイ(Rufus Arkoi)。サッカーを通じての人材養成をライフワークとする。

リベリアではサッカーチームのオーナーだった。1986年に渡米。稼いだ賃金の殆どを故国の家族とサッカーチームに仕送りする一方で、エンジニアリングの学位取得を目指し、いつかは故郷に錦を飾ることを夢見た。

ところが、1989年に内戦が勃発。サッカーを大々的に推進したサミュエル・ドウ政権が倒れ、ルーファスの夢は打ち砕かれた。しかし、内戦を逃れアメリカにやって来た難民とその子供たちが付近に急増するのを目の当たりにして、一念発起。子供たちのサッカーチームを年齢別、性別に次々と設立。子供たちに教育の大切さを説き、勉強を教え、優秀な子供たちにはサッカー奨学金を確保し大学に送った。

やがて、それぞれの信念に従い、リベリア移民・難民のために真摯に努力する精力的なふたりが、小さなコミュニティを舞台に衝突することになる。。。

2012/03/18

「コニーを捕まえろ」 先進国の驕り? ウガンダ

KONY 2012。ユーチューブにアップロードされた、約30分のビデオだ。私はなんと!8185万3498回目のビューアー。日本語字幕版もある。

 

「KONY」とはLRA(Lord's Resistance Army)、「神の抵抗軍」の指導者ジョセフ・コニー(Joseph Kony)のこと。

ジョセフ・コニー
1961年、ウガンダ北部のオデク(Odek)村に生まれる。両親はアチョリ(Acholi)族の農民ルイジ・オボリ(Luizi Obol)とノラ(Nora)。父親はカトリック教会、母親は聖公会に属する。

1980年代の半ば、アチョリ族の居住区では、キリストの再臨を信じる前千年王国説(Premillennialism)に基づいたグループが乱立。コニーも同様のグループを開始する。

「神のスポークスマン」を名乗り、「聖霊」の意志を人間に伝えるとするが、教えの中身は神秘主義、アチョリ民族主義、キリスト教原理主義のゴッタマゼ。「十戒」の実現を目指し、銃弾を跳ね返す「聖油」を使用する。

2011/08/11

米ボランティア、アフリカの少女に対する性犯罪で逮捕

HP掲載写真
「私は31歳の元平和部隊ボランティア、(・・・)アフリカへの愛を自任しています。(・・・)最近、南アフリカの小さいNGOで1年働き、HIVエイズプログラム充実と組織作りにたずさわりました。その前はケニアで10か月、孤児たちや年長の子供たちと働きました。現在、開発の分野で次の冒険を探しているところです。」

ジェシー・オズマン(Jessee Osmun)はHPのプロフィールにこう書いている。

一番最近の投稿(8月4日付)でオズマンは、先進国の若者たちに対して、勇気を出してアフリカのために尽くすよう、激励の想いを綴っている。現地で活動を成功させるには、情熱だけでは不十分で、地に足のついた価値観を持っていないといけない、などのアドバイスも与えている。

オズマンは当分ブログを更新しないだろう。最後にブログを更新した8月4日の夜、コネチカット州で逮捕されてしまったからだ。

南アフリカ共和国クワズルナタール州で、6歳以下の幼女少なくとも5人に対し、性的いたずらをした容疑で。