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2017/05/18

遺伝交配で蘇ったクアハ 絶滅種を再び地上に

1883年8月12日、アムステルダム動物園でクアハ(quagga)のメスが死亡した。その3年後の1886年、南アフリカはクアハの狩猟を禁止する。しかし、誰も気がついていなかったのだけど、実は既に、世界のどこにもクアハは生存していなかった。つまり、1883年8月12日をもって、クアハは絶滅してしまったのである。

クアハ。体の前半分がシマウマ、後ろ半分と足がロバのような動物だ。

在りし日のクアハ(Cool Green Science

世界中に残っているクアハの皮は23体だけ。しかも、結構個体差がある。野生で生きるクアハを研究した者はいない。

2016/05/11

最高のキャンプサファリ ボツワナ

仕事で何度か、ボツワナでキャンプをする機会があった。

国立公園のど真ん中、ライオンやハイエナやゾウやバッファローなどがいるところに、特別な許可を取って、柵も何もなしにキャンプを張る。といっても、設営はプロのスタッフがやってくれる。通算で50泊くらいしただろうか。

1日24時間サファリ状態。夜、まわりに人の気配がないキャンプを取り囲むのは、漆黒の闇。頭上には、大きなカゴに山盛り入った星をワシづかみにして振り撒いたような、満天の星空。くっきりと白い天の川は「ミルキーウェイ」(ミルクの道)という英語がぴったり。聞こえるのは野生動物の声だけ。そして、信頼できる、腕の超確かなガイド、シェフ、スタッフがサポートしてくれる。焚火と鍋だけで、こんなに美味しい料理ができるなんて感動もの。

左上や下部の星が見えないところは木があるため

ボツワナという国がまた素晴らしい。1966年の独立時には、世界でも最貧困国のひとつだった。それが1970年代初頭、ダイヤモンドの発見により一躍裕福になる。しかし、権力者が富を独占し、私欲を肥やし、国民の生活を顧みない国が多かった当時のアフリカには珍しく、大統領をはじめとして立派な政治的指導者に恵まれた。


「ダイヤはいつか枯渇する」と、観光と教育に力を注ぐ。10年間の義務教育は無料。公共の医療機関も無料。

環境保護にも余念がない。チョベには、世界のどこよりも多くのゾウが集まる。一時はゼロだったサイの再導入も、大統領の全面バックアップを得て始まった。大型動物のハンティングどころか、狩猟は全面禁止。公園内に銃の持ち込みはできない。陸軍の密猟取締り班が目を光らせ、密猟者はその場で射殺される。また、外国人観光客の国立公園入場料や公園内宿泊料をかなり高く設定する一方で、ボツワナ国民・居住者は誰でも払えるような安値で公園を楽しめる。

国民性も好感が持てる。特に南アフリカから来ると、その違いに愕然とする。もちろん、どこの国にも色々な人がいるものの、ボツワナ国民は概ね、温厚で働き者。民度が高い。

南を南アフリカ共和国、西と北をナミビア、東をジンバブエ、北をザンビアに囲まれた内陸国(Wikipedea


すっかりボツワナファンになってしまった私。なんとか応援したい。

そういうわけで、昨年日本に一時帰国した際、ボツワナという国と国民、そしてキャンプサファリの素晴らしさを熱っぽく吹聴していたら、「行ってみたい!」という声が続出。そこで、参加者を募り、今年のゴールデンウィークにプライベートツアーを企画してみた。一橋大学イノベーション研究センターの米倉誠一郎教授(兼日本元気塾長兼プレトリア大学日本研究センター顧問兼NPO「アフリカ象の涙」顧問)と一緒に南アフリカに来たことがあるメンバーを中心とした、夫婦2組(1組は新婚旅行!)、シングル女性3名、シングル男性1名、それに私の計9名。

2014/02/18

アフリカのサイをオーストラリアへ 苦肉の絶滅防止対策

南アフリカでサイの密猟が本格化したのは2008年。ツノを効果のない「漢方薬」に使うため、約80頭が殺された。その後、密猟数は毎年飛躍的に増加し、2013年には1000頭以上のサイが無駄に命を落とした。3日に1頭の超ハイペースである。絶滅の危機に晒されて「希少価値」があるから、余計高く売れるのだろうか。そして、高く売れるから、益々密猟が盛んになる。。。

主な消費地である中国ベトナムにおける、生活水準の向上人口増も大きな原因だろう。昔だったら、サイの漢方薬など買えなかった人々の懐が豊かになった。環境保護に対する意識の低さや、「サイのツノは爪と全く同じ成分で、全く効能がない」という正しい知識・情報が浸透していないことは深刻な問題だ。

2013/10/25

ボツワナでライオンを追う(2) 「殺しのマシーン」たちの、人目欺くノンビリ姿

前回、紹介したライオン4姉妹。その後、撮影隊の目の前で「殺しのマシーン」ぶりを次々と披露したらしい。
ボツワナでライオンを追う(1) ライオンに脅かされる日々
 ボツワナの雨季は11月初頭頃から2月末頃まで。次の雨季が始まる直前の9月、10月は、一年で一番乾燥する時期だ。

カラカラの大地



雨季には、川のない森の中にも、あちらこちらに水たまりが出来る。ところが乾季には、水たまりは干上がる。動物たちは水を飲むために、川に向かう。

左下にバッファローの死体。襲われて殺されたのではなさそう。餓死?病死?

川幅は2月よりずっと狭い。チョベ川はボツワナとナミビアの国境となっているが、ナミビア側の岸がすぐ近くまで迫る。

2013/10/09

ボツワナでライオンを追う(1) ライオンに脅される日々

今年の2月、ボツワナで一か月バッファローを追ったが、今回はライオン。

究極の目標は、ライオンとバッファローの格闘を撮影すること。場所はボツワナのチョベ。前回、やっとみつけたバッファローを撮影したところだ。
ボツワナでバッファローを追う(1) 第一の難関
ボツワナでバッファローを追う(2) 第二の難関
ボツワナでバッファローを追う(3) ツノの生え方、群れの種類
ボツワナでバッファローを追う(4) 夕暮れ時の動物たち
2月は雨期。増水した川はまるで湖のようだった。森林は厚く生い茂り、うっそうとしていた。それが、今回は・・・。


乾季の真っ只中! 

川も随分小ぶりになった。雨季に水につかっていた部分が姿を現し、動物たちに食料となる草を提供している。一方、木の葉に頼る動物たちにとっては、とても辛い季節だ。

2013/07/12

ケープタウンは世界で4番目に素敵な町 『トラベル+レジャー』誌の恒例アンケート

アメリカンエクスプレス出版(American Express Publishing Corporation)発行の月刊旅行雑誌『トラベル+レジャー』(Travel + Leisure)が、第18回『ワールドベスト賞』(World's Best Awards)を発表した。

町、ホテル、レストラン、空港、航空会社などカテゴリー別に読者アンケートを行い、その年のベストを決めるもの。今年のアンケートは2012年12月1日から2013年4月1日の4か月間行なわれ、ケープタウンが町部門の第4位に輝いた。

2013/04/03

ボツワナでバッファローを追う(4)夕暮れ時の動物たち

草食動物が一日のうちで一番のんびりしているのが、夕暮れ時。日中、アフリカの強い日差しの中で、 草や葉を食べ、お昼寝し、ゴロゴロし、また草を食べ、お昼寝し、ゴロゴロし・・・を繰り返す。そして、心身の休まり度が絶頂に達するのが、暑さも弱まり、過ごしやすい夕暮れ時なのだろう。もう少し暗くなり、ライオンなどに襲われる危険が出てくるまでの、安らぎのヒトトキ。

サブティのライオン

2013/03/29

ボツワナでバッファローを追う(3)ツノの生え方、群れの種類

コンセッションを離れ、チョべ川に着いたところで、400頭の群れに出会った。(これまでの話は、「ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関」、「ボツワナでバッファローを追う(2)第二の難関」で。)

(こんなに沢山。。。あの苦労は一体何だったんだろう。。。)

バッファローはオスにもメスにも、ツノが生えている。でも、よく見ると生え方が微妙に違う。

オスのツノは左右が頭の真ん中でくっついているが、メスのツノは左右が離れているのだ。生後一か月位で、ツノが生える位置に小さい突起が現れ、2歳くらいまで上に向かって真っすぐ伸び、それから次第にカーブを描くようになる。ツノが伸びるのは6歳くらいまで。その後は太く、ゴツくなっていく。成人男子は頭の中央がふたつの山のように盛り上がり、太くてゴツゴツした立派なツノを持つ。成年女子の頭部は平たく見える。

(オスとメス。違いがわかりますか? 耳が可愛い。。。)

ツノの違いに気がつくと、群れに2種類あることがわかる。

2013/03/20

ボツワナでバッファローを追う(2)第二の難関

雨季のバッファローは深い森の中で多くの時間を過ごすため、探すのがなかなか難しい。(ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関)時々、森の中のちょっと開けたところや道路で出くわすことがあるものの、撮影は困難を極めた。

こちらの姿を認めるや否や、数百メートル遠く離れていても、一目散に逃げるからである。「そこまで、嫌わなくても・・・」と悲しくなるほど。それどころか、どうやら車の音を耳にすると、その場所は注意深く避けているようだ。足跡は結構沢山あった。それでも、姿が見えない。

逃げ出すのは、バッファローだけではない。南アフリカの国立公園ではそれほど車を気にせずノンビリしているインパラやシマウマやキリンまで、車を目にすると怯えて走り出す。ウガンダやケニアの国立公園でも、こんなことはなかった。同じボツワナの、モレミ国立公園やチョベ国立公園でも、こんなことはなかった。象たちも必要以上に喧嘩腰だ。

その理由は間もなくわかった。

協力してくれた研究者、エミリー・ベニットさんの研究地域の多くは、狩猟地だったのだ!

2013/03/12

ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関

ボツワナで一か月のキャンプ生活を送った。目的は雨季のバッファローの生態を撮影すること。某テレビ番組の取材である。

ボツワナ共和国(Republic of Botswana)は海を持たない内陸の国。南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ザンビアと国境を接する。国全体が平らで、国土の70%がカラハリ砂漠。国土面積58万1730平方キロメートル(世界48位)、人口200万人強(144位)。人口密度は1平方キロメートル当たり僅か3.4人(229位)。

1966年に独立した時、一人頭のGDPは70ドル。貧しいアフリカ大陸でも、かなり貧しい国だった。その後、ダイヤモンドの発見、堅実な財政政策、海外からの経済・技術支援、安定した民主政治などのお蔭で急速な経済成長を遂げ、2011年の一人頭のGDPは1万6000ドルを超えている。また、アフリカで一番汚職の少ない国とされる。
(外務省資料から)

私たちはバッファローの研究で博士号を取得したイギリス人、エミリー・ベニット(Emily Bennitt)さんをアドバイザーとして、エミリーさんの研究地域に向かった。場所はカラハリ砂漠の北に位置する「オカバンゴデルタ」(Okavanngo Delta)の東側。サンタワニ(Santawani)からクワイ(Khwai)にかけた地域だ。

ところが、初日から思わぬ難関にぶつかってしまった。バッファローが見つからないのである。

2013/01/13

2020年にクルーガー公園からサイがいなくなる可能性。最新報告書が予測する絶望的な未来。

ントンビ(Ntombi)ちゃんの目の前で、母親が惨殺された。犯人たちは母親を取り囲んで、なにか作業をしている。まだ乳飲み子のントンビちゃんに、難しいことはわからない。恐らく母親が殺されたことも。。。とても怖くて、ただ、お母さんの傍に行きたいだけ。。。

うるさがった男たちは、ントンビちゃんを追い払おうと、斧やナタで切りかかった! ントンビちゃんは顔などに18か所も深い傷を負ってしまう。だが、頭蓋骨を切り裂くほどの重傷にも関わらず、奇跡的に命を取りとめる。。。

この事件は今年早々、首都プレトリアから北に250キロ、リンポポ州のマコパネ(Makopane)近くで起こった。ントンビちゃんは生後2か月のシロサイの赤ちゃん。

2時間おきにミルクを飲むントンビちゃん。「Sunday Times」より。

2010/06/15

生きるか死ぬか


暇そうに日向ぼっこをしていたバッファローたちが急にソワソワ。走り出した群れを追うのは、若いライオンのオス2頭。一番後ろを走っていた若いバッファローがつかまった。このまま窒息死するまで、ライオンは喉を押さえつける。

目の前30メートルでいきなり始まった、生と死の葛藤。現実、というより、TVドキュメンタリーを見ているよう。必死に逃げるバッファローとなんとか追いつこうとするライオン。思わず、どちらにも声援を送ってしまった。