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2017/12/07

トランプ大統領誕生までを振り返る(2)柵になるかもしれないトランプの壁

2016年8月から2017年2月までに別ブログに書いたトランプ関連記事転載の第2弾は、『柵になるかもしれないトランプの壁』(2016年11月18日)。大統領就任に選出されてから初めてのテレビインタビューを見て、候補者トランプが選挙中に行った公約を、大統領に選出されたトランプがどう考えているかをまとめたもの。

この一年ではっきりしたのは、米国民の30-35%がトランプの熱烈なファンであり、トランプの言うこと(その多くが虚言)を鵜呑みにするということ。公約を守らなくても全然OK。それどころか、トランプのツィッターをフォローする支持者たちは、トランプが公約を実現していると思い込んでいる。「有言実行の素晴らしい大統領」と信じている。

「公約を破れば支持者が納得しないのでは?」というのは、まったくの懸念だった。
 
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11月13日、米CBS「60 Minutes」(シックスティ・ミニッツ)がドナルド・トランプ(Donald Trump)の独占インタビューを放映した。2000万人ものアメリカ人が見たという。第45代アメリカ合衆国大統領に選出されてから、初めてのテレビインタビューだ。インタビュアーは1991年から「60 Minutes」で働くベテランジャーナリスト、レスリー・スタール(Lesley Stahl)。

「60 Minutes」の撮影現場(CBS News

選挙運動期間中、トランプはかなり無責任で扇動的な公約を繰り返した。それを信じて投票した人も多いだろう。選挙公約をどの程度実現するつもりか、支持者にとっても、反対者にとっても気になるところ。

トランプの姿勢・考えと公約をまとめてみる。

1.移民問題
現状では、外国人はチェックもなく米国に入り放題。テロリストも野放し。犯罪者やレイピストを送って来ているメキシコとの国境に、高くて厚い壁を築き、費用はメキシコに出させる1000万人以上の不法移民を子供も含め国外退去させる。イスラム教徒の入国を一時的に全面禁止する。

2.ヒラリー・クリントンのEメール問題
大統領に就任したら直ちに、特別捜査班を任命し、ヒラリーを有罪にして投獄する

3.国民健康医療制度
2000万人の国民をカバーする通称「オバマケア」(Obamacare)は「完全な失敗」(total disaster)なので撤廃する。

4.外交
プーチン、フセイン、金正恩などの独裁者は素晴らしいクリミア自治共和国のロシア強制編入は問題ない。ロシアと協力して、イスラム国を倒す。テロリストは家族まで殺すべき拷問OK分担金を払っていないNATO加盟国が苦境に陥っても助けない日本、韓国が自衛できるよう、核兵器を持たせてもよい。(最後の点に関しては、選挙後「言っていない」と否定しているが、インタビューに答えて明言している映像がしっかりある。確言した映像や音声が証拠としてあるのに、平気な顔をして「言っていない」と否定するのは、トランプにはよくあること。)

5.経済・貿易
アメリカの産業・経済を復興させるため、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)から脱退し、輸入品への関税を大幅に引き上げる。所得税の課税方法をシンプルにし、富裕層の所得税率を大幅に下げ、遺産税を撤廃する。

6.国内政治の改革
腐りきっている政治を一新する。自分ほどアメリカの政治システムに精通している者はいないから、自分だけが改革できる

7.人権
妊娠中絶に反対。中絶した女性は罰せられるべき。最高裁の裁判官は、中絶反対派を選ぶ。

8. 環境
地球温暖化は科学者の支持を得ていない空論

・・・などなどなど。

2017/11/28

トランプ大統領誕生までを振り返る(1)ドナルド・トランプの壁

ドナルド・トランプが第45代アメリカ合衆国大統領に選出されてから、もう1年経ってしまった。これまでそれほどアメリカの政治に関心がなかった私も、2016年前半からユーチューブに釘付けになっている。(テレビがないのでニュース映像はユーチューブで見ている。)

 この機会に、2016年8月から2017年2月まで、別ブログに書いたトランプ関連記事を振り返ることにする。

まずは2016年8月7日の記事『ドナルド・トランプの壁』。共和党大統領候補トランプの公約のうち、一番有名なものだったが、大統領になってからいつの間にか立ち消えになってしまった。

この時点では、大金持ちの家に生まれ、詐欺同然の手口を用いて私腹を肥やすことにそれまでの人生を費やし、多くのビジネスで失敗し、世界政治経済にうとく、集中力が3分もなく、発言の大部分が嘘であり、人種差別やセクシャルハラスメントを平気で行う、ナルシストで傲慢なトランプを大統領候補に選んだ共和党員にあきれていた。もっとちゃんとした候補者が複数いたのに。。。

「トランプ=成功」「大富豪の凄腕ビジネスマン」というイメージがリアリティTVで浸透していた。テレビが作り出したイメージを本当の姿と信じる多くの米国民。「バカじゃないの」と思う一方で、デマゴーグに簡単に扇動される民衆が空恐ろしかった。

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不法移民の入国を阻止するために、アメリカ・メキシコの国境に防壁を築く」と息巻いていたドナルド・トランプ(Donald Trump)が、米共和党の大統領候補に指名されてしまった。共和党の党大会での指名受諾演説でも、「壁を築く」ときっぱり。

トランプは「建設費用はメキシコに負担させる」と断言するが、メキシコ政府は「絶対払わない」。

メキシコに無理やり払わせる妙案でもあるのか。メキシコが払わないとしたら、誰が負担するのか。そもそも、3200キロにわたる国境に壁を建設するのに、一体いくらかかるのか。

Economist.com

バーンスタイン・リサーチ(Bernstein Research)の最新レポートによると、リオ・グランデ川など天然の国境のおかげで、壁を建設する必要があるのは国境の約半分。そこに高さ12メートルの壁を築くには、7億1100万ドル相当のコンクリートと2億4000万ドル相当のセメントが必要。工賃を含めると、150億ドルから250億ドルの費用がかかるという。