2011/11/21

スワジランド王妃、王宮から追い出される

スワジランドの王妃が王宮から追い出された。

王妃が南アの『サンデータイムズ』紙に語った話はこうだ。

一番小さい子供(2歳)が遊んでいる時に怪我をした。病院へ連れて行こうとしたら、警備員が「宮殿から出てはいけない」という。殴られそうになったので、催涙スプレーで反撃した。警備員が皇太后(王様の母親)に報告したところ、「非礼」という理由で宮殿から追い出されることになった。「すぐ荷物をまとめて出ていけ」と言われたので、所持品を全て持ち出すことも、子供たちを連れて行くこともできなかった・・・。

警備員が王妃を殴る? 王妃が日ごろから催涙スプレーを持ち歩いている? 王妃が警備員に対して非礼をはたらいた? だから、王宮から直ちに追い出される? 決めたのは王様の母親? 王様はどこに?

なんだか不思議。疑問が尽きない。

王妃の話はまだまだ続く。

夫には一年近く会っていない。7月に夫である王様に会おうとしたら、今回とは別の警備員に殴る蹴るの乱暴をされた・・・。

絶対王政の国で、王宮の警備員が王妃を殴る蹴る?!? なんともすさまじい話。罰せられるべきなのは、警備員の方では???

実は、この王妃、ムスワティ王の第12夫人(23歳)。昨年、国王の幼馴染の大臣との不倫がスキャンダル沙汰になった張本人(「王妃と大臣の不倫 スワジランド」)。二人の仲は単なる浮気だったらしく、王妃は全面的に大臣との関係を否定した。

表面上はそれで収まったが、ムスワティ王はそれ以来この王妃を追い出す機会を狙っていたようだ。現在、ムスワティ王は「インクワラ」(Incwala)という儀式の最中。期間中、王宮を離れ、公衆の面前に姿を見せないことになっている。出発前、母親に「儀式が終了し宮殿に戻った時、この王妃の姿を見たくない」と伝えていたという。

南アフリカに本部を置く、スワジランドの民主化を求めるNGOの統括組織「スワジランド連帯ネットワーク」(Swaziland Solidarity Network)のスポークスマン、ラッキー・ルケレ(Lucky Lukhele)氏は、王妃が受けた扱いは「極めて非人道的」と非難する。

それにしても、2004年以来、スワジランド王宮を去った王妃はこれで3人目。政治、経済、社会のすべてがガタガタのスワジランドだが、ムスワティ王は自分の家庭の平穏、安定も保てない。

(参考資料:2011年11月20日付『サンデータイムズ』紙)

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