2017年2月、ニュージーランドの出版社から長いメールが入った。
「男女不平等をテーマにしたプロジェクトを企画している。世界中の女性200人を取材し、400ページの本として出版する予定。また、写真とオーディオの展覧会を世界中で開催する。更に、収益の少なくとも10%を女性の保護や人権拡大に貢献している団体に寄付する。何百万人もの女性の生活を向上させ、世界中の男たちを啓蒙し、心を開かせる可能性があるプロジェクトだ。ついては、200人のひとりになってくれないか。OKなら、3月9日か10日にジョハネスバーグでインタビューしたい」という内容。
あまり表に出るのは好きではないので、テレビ出演(こんなところに日本人がいた、みたいな)などは全部断ってきたが、人権問題に長年関わってきた良心的な出版社であるし、世の中のためになりそうなプロジェクトなので、あまり深く考えず承諾する。普段まったく世の中に貢献していない身としては、せめてこのくらいのことでもしないとバチがあたろう。
メールに添付されていたPDFの説明書によると、「世界中の様々なバックグラウンドを持つ女性200人へのインタビューを基にした、画期的な本と国際的な展覧会」。
「様々なバックグラウンドを持つ女性」って・・・?
「有名な女性、無名な女性。華々しくもてはやされている女性、社会の周縁にいる女性。裕福な女性、貧乏な女性。黒、茶、赤、黄、白。逆境に打ち勝った女性、先頭に立つ女性。被害者と英雄。聖人と罪びと。あまりにも多くの女性たち、少女たちが基本的な自由や平等を求めていまだに戦っている今このときに、私たちを啓発し、鼓舞し、ポジティブな変化をもたらしてくれる女性たち。」
なぜ私なんぞに話が来たか不明だが、それなりの理由があるのだろう。「多様性」(diversity)に花を添えるくらいか。(「無名」の「黄色人種」代表?)
2017/12/12
2014/05/31
新刊『ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉』 マンデラの名言集
拙訳『ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉』が、いよいよ2014年6月1日、刊行される。
思えば、朝日新聞のK氏と「マンデラの名言集を出したいね~」と話していたのは、10年以上前のことだった。今から考えると、その時実現しなくて良かった。当時アクセス出来たマンデラの言葉は、演説など公の文書しかなかったからだ。手紙や日記など私的文書を含んだ引用集は、2010年のConversations with Myself (邦訳『ネルソン・マンデラ 私自身との対話』2012年)を待たなければならなかった。

『私自身との対話』を訳し終えてすぐ、短い引用を集めたBy Himself (2011年)の訳に取り掛かった。『私自身との対話』同様、ネルソン・マンデラ財団が編集したマンデラ公認の引用集である。
By Himsef は2000もの引用を300以上のカテゴリーに分けて編集したもの。高さ1ミリくらいの細かい文字がぎっしり詰まっていて、見るだけでうんざりしてしまう。しかも、同じような引用が多い。更に、日本人には全く意味をもたないものが沢山ある。マンデラ財団の職員とっては、どれもこれも大切な言葉で、何千、何万もの文を泣く泣く削りに削ったのだろうが、また、1次資料としては大変貴重だろうが、こんな本を訳しても、殆どの人は読む気にならないないだろう。
そこで、原著出版社の許可を取って、引用を削る作業に取り掛かった。内容が重複したものや、日本人の心に響かない言葉を割愛していったのだ。
そうこうしているうちに、アメリカでNotes to the Future が出るという話を聞いた。By Himself と同じ編集者だが、約300の引用を厳選したものだ。是非、翻訳を!と願ったものの、諸事情によりやっと今年に入って明石書店が邦訳の版権を獲得し、出版実現の運びとなった。
思えば、朝日新聞のK氏と「マンデラの名言集を出したいね~」と話していたのは、10年以上前のことだった。今から考えると、その時実現しなくて良かった。当時アクセス出来たマンデラの言葉は、演説など公の文書しかなかったからだ。手紙や日記など私的文書を含んだ引用集は、2010年のConversations with Myself (邦訳『ネルソン・マンデラ 私自身との対話』2012年)を待たなければならなかった。

『私自身との対話』を訳し終えてすぐ、短い引用を集めたBy Himself (2011年)の訳に取り掛かった。『私自身との対話』同様、ネルソン・マンデラ財団が編集したマンデラ公認の引用集である。
By Himsef は2000もの引用を300以上のカテゴリーに分けて編集したもの。高さ1ミリくらいの細かい文字がぎっしり詰まっていて、見るだけでうんざりしてしまう。しかも、同じような引用が多い。更に、日本人には全く意味をもたないものが沢山ある。マンデラ財団の職員とっては、どれもこれも大切な言葉で、何千、何万もの文を泣く泣く削りに削ったのだろうが、また、1次資料としては大変貴重だろうが、こんな本を訳しても、殆どの人は読む気にならないないだろう。
そこで、原著出版社の許可を取って、引用を削る作業に取り掛かった。内容が重複したものや、日本人の心に響かない言葉を割愛していったのだ。
そうこうしているうちに、アメリカでNotes to the Future が出るという話を聞いた。By Himself と同じ編集者だが、約300の引用を厳選したものだ。是非、翻訳を!と願ったものの、諸事情によりやっと今年に入って明石書店が邦訳の版権を獲得し、出版実現の運びとなった。
2012/01/25
『ネルソン・マンデラ 私自身との対話』 マンデラの本音が初めて聞ける本
拙訳『ネルソン・マンデラ 私自身との対話』が明石書店から出版されました。以下、「訳者あとがき」の抜粋です。明石書店のHPはこちらをご覧ください。
・・・ネルソン・マンデラに関しては、既に多くの本が書かれている。中でも最もよく知られているのは、自伝『自由への長い道』だろう。しかし、『自由への長い道』は「自伝」とはいいながら、実は多くの人の手がはいった共同作業だった。
出版された1994年は、南アフリカ史上初めて民主的な総選挙が行われた年。白人が何十年も「テロリストの集まり」と見做してきた解放運動組織ANC(アフリカ民族会議)が、NP(国民党)のアパルトヘイト政権に取って代わった。経済力を握る白人の間には、黒人多数支配に対する不安や懸念や不信がまだ根強い。国際社会は民主国家の誕生を喜びながらも、南アフリカの人種和解の行方と、黒人政権の舵取りに懐疑的だった。
そのような微妙な状況を反映した「自伝」には、マンデラとANC幹部による政治的配慮がちりばめられていた。つまり、マンデラの「本心」より「きれいごと」が優先されたわけである。1980年代後半に暴走を始め、殺人関与まで疑われた「国民の母」ウィニー・マディキゼラ=マンゼラや、全くウマが合わなかった「ノーベル平和賞共同受賞者」FWデクラークへの批判的な言及が一言もないのはその良い例であろう。
その意味で、マンデラの手紙、日記、メモ、ノート、出版されなかった原稿、公表する予定ではなかったインタビューなどを集めた本書には、マンデラが「自伝」に書けなかった「本心」が吐露されているといえる。「偉人」「聖人」に持ち上げられたマンデラではなく、おちゃめで、家族思いで、日常的な小さな幸せに憧れ、時には悩んだり、絶望的になったり、怒りに身を震わせたりする、「人間」マンデラの姿を垣間見ることができるのだ。
*****
・・・ネルソン・マンデラに関しては、既に多くの本が書かれている。中でも最もよく知られているのは、自伝『自由への長い道』だろう。しかし、『自由への長い道』は「自伝」とはいいながら、実は多くの人の手がはいった共同作業だった。
出版された1994年は、南アフリカ史上初めて民主的な総選挙が行われた年。白人が何十年も「テロリストの集まり」と見做してきた解放運動組織ANC(アフリカ民族会議)が、NP(国民党)のアパルトヘイト政権に取って代わった。経済力を握る白人の間には、黒人多数支配に対する不安や懸念や不信がまだ根強い。国際社会は民主国家の誕生を喜びながらも、南アフリカの人種和解の行方と、黒人政権の舵取りに懐疑的だった。
そのような微妙な状況を反映した「自伝」には、マンデラとANC幹部による政治的配慮がちりばめられていた。つまり、マンデラの「本心」より「きれいごと」が優先されたわけである。1980年代後半に暴走を始め、殺人関与まで疑われた「国民の母」ウィニー・マディキゼラ=マンゼラや、全くウマが合わなかった「ノーベル平和賞共同受賞者」FWデクラークへの批判的な言及が一言もないのはその良い例であろう。
その意味で、マンデラの手紙、日記、メモ、ノート、出版されなかった原稿、公表する予定ではなかったインタビューなどを集めた本書には、マンデラが「自伝」に書けなかった「本心」が吐露されているといえる。「偉人」「聖人」に持ち上げられたマンデラではなく、おちゃめで、家族思いで、日常的な小さな幸せに憧れ、時には悩んだり、絶望的になったり、怒りに身を震わせたりする、「人間」マンデラの姿を垣間見ることができるのだ。
2011/07/30
作品:Love and Hope for Japan from South Africa
世 界9か国の版画家50余人が、震災支援を目的にオリジナル作品を作成しました。作品はオンライン販売の他、世界各地の展覧会で売られます。南アフリカでは日本研究センターの主催により、9月13日から30日まで、ジョハネバーグのGIBSで展示。9月17日には、小沢俊郎大使による、オフィシャルオープニングが行われます。皆さまお誘い合わせの 上、多数ご来場くださいますようお願い申し上げます。売上金は日本大使館を通じて、日本赤十字社に寄付される予定です。
写真の作品は「Love and Hope for Japan from South Africa」という題。絵師、彫り師、刷り師の共作という浮世絵の伝統に則って、長田雅子(絵師)、カッレ・ピヒラヤサーリ(彫り師)、マーク・サンドハム(刷り師)の3人で制作しました。
2010/10/26
お知らせ:日本研究センター開設 プレトリア大学ビジネススクール
今年一年、南アフリカと日本の外交関係100周年を記念して、日本大使館主催で様々な行事が行われている。そのハイライトとも言えるのが、プレトリア大学のビジネススクールGIBS内に設立された日本研究センター(Centre for Japanese Studies)。10月26日午前10時から、開設記念シンポジウムが開かれた。
9人のパネリストが各10分ずつスピーチした後、休憩を挟んで質疑応答が行われた。スピーチの聴衆は、日本と南アの政府、企業などから約80人。
歓迎の挨拶は、プレトリア大学の学長シェリル・デラレイ教授(Prof. Cheryl de la Ray, Vice-Chancellor and Principal, University of Pretoria)。進行役はステレンボッシュ大学政治学部のスカーレット・コーネリセン準教授(Prof. Scarlett Cornelissen, Associate Professor, University of Stellenbosch)。
パネリストとスピーチの内容は次の通り。
エブラヒム・エブラヒム 国際関係協力省副大臣
H.E. Mr. Ebrahim Ebrahim, Deputy Minister of International Relations and Cooperation
「南アフリカと日本:100年経っての戦略的パートナーシップ」(South Africa and Japan:A strategic partnership after 100 years)
ニック・ビネデル GIBS所長
Prof. Nick Binedell, Director, Gordon Institute of Business Science (GIBS)
「日本研究センターの紹介」(Introduction of the Centre for Japanese Studies)
北岡伸一 東京大学教授
Prof. Shin-ichi Kitaoka, University of Tokyo
「変貌する国際秩序における日本と新興市場」(Japan and the emerging economies in a changing international order)
ピーター・ファブリシアス インディペンデント・ニュースペーパー社外報部デスク
Mr. Peter Fabricius, Foreign Editor, Independent Newspapers South Africa
「IBSA、G8、G20における南アフリカとその未来:日本の居場所」(South Africa in IBSA, G8, G20 and the future:Where is the Japan factor?)
平野克己 日本貿易振興機構・アジア経済研究所地域研究センター長
Mr. Katsumi Hirano, Director General, Institute of Developing Economies (IDE-JETRO)
「近年の日本・南アフリカ関係」(Recent development of the relation between Japan and South Africa)
マイケル・スパイサー ビジネスリーダーシップ南アフリカCEO兼ビジネスユニティ南アフリカ副会長
Mr. Michael Spicer, Chief Executive Officer, Business Leaship South Africa (BLSA) and Vice-President, Business Unity South Africa (BUSA)
「政府高官公式訪問と民間企業代表団:日本への取り組み方」(State visits and business delegations: How should we plan for Japan?)
小澤俊朗 在南アフリカ共和国日本大使
H.E. Mr. Toshiro Ozawa, Ambassador of Japan to South Africa
「過去100年の省察と次の100年に対する思い」(Some reflections on the 100 years and thoughts for the next 100 years)
ベン・ングバーネ 南ア国営放送会長(元在日本南アフリカ大使)
H.E. Dr. Ben Ngubane, Chairperson, SABC Board (former South African Ambassador to Japan)
「日本との戦略的パートナシップの有益性」(Possible benefits of strategic partnership with Japan)
9人のパネリストが各10分ずつスピーチした後、休憩を挟んで質疑応答が行われた。スピーチの聴衆は、日本と南アの政府、企業などから約80人。
歓迎の挨拶は、プレトリア大学の学長シェリル・デラレイ教授(Prof. Cheryl de la Ray, Vice-Chancellor and Principal, University of Pretoria)。進行役はステレンボッシュ大学政治学部のスカーレット・コーネリセン準教授(Prof. Scarlett Cornelissen, Associate Professor, University of Stellenbosch)。
パネリストとスピーチの内容は次の通り。
エブラヒム・エブラヒム 国際関係協力省副大臣
H.E. Mr. Ebrahim Ebrahim, Deputy Minister of International Relations and Cooperation
「南アフリカと日本:100年経っての戦略的パートナーシップ」(South Africa and Japan:A strategic partnership after 100 years)
ニック・ビネデル GIBS所長
Prof. Nick Binedell, Director, Gordon Institute of Business Science (GIBS)
「日本研究センターの紹介」(Introduction of the Centre for Japanese Studies)
北岡伸一 東京大学教授
Prof. Shin-ichi Kitaoka, University of Tokyo
「変貌する国際秩序における日本と新興市場」(Japan and the emerging economies in a changing international order)
ピーター・ファブリシアス インディペンデント・ニュースペーパー社外報部デスク
Mr. Peter Fabricius, Foreign Editor, Independent Newspapers South Africa
「IBSA、G8、G20における南アフリカとその未来:日本の居場所」(South Africa in IBSA, G8, G20 and the future:Where is the Japan factor?)
平野克己 日本貿易振興機構・アジア経済研究所地域研究センター長
Mr. Katsumi Hirano, Director General, Institute of Developing Economies (IDE-JETRO)
「近年の日本・南アフリカ関係」(Recent development of the relation between Japan and South Africa)
マイケル・スパイサー ビジネスリーダーシップ南アフリカCEO兼ビジネスユニティ南アフリカ副会長
Mr. Michael Spicer, Chief Executive Officer, Business Leaship South Africa (BLSA) and Vice-President, Business Unity South Africa (BUSA)
「政府高官公式訪問と民間企業代表団:日本への取り組み方」(State visits and business delegations: How should we plan for Japan?)
小澤俊朗 在南アフリカ共和国日本大使
H.E. Mr. Toshiro Ozawa, Ambassador of Japan to South Africa
「過去100年の省察と次の100年に対する思い」(Some reflections on the 100 years and thoughts for the next 100 years)
ベン・ングバーネ 南ア国営放送会長(元在日本南アフリカ大使)
H.E. Dr. Ben Ngubane, Chairperson, SABC Board (former South African Ambassador to Japan)
「日本との戦略的パートナシップの有益性」(Possible benefits of strategic partnership with Japan)
登録:
投稿 (Atom)




