2011/07/19

マンデラ 93歳に

7月18日、ネルソン・マンデラは93回目の誕生日を、故郷のクヌ(Qunu)村で迎えた。

すっかり衰弱して、マスコミには一切出ない。訪問客も殆ど受けつけない。ミシェル・オバマ(Michelle Obama)にも会わないはずだったが、さすがに米大統領夫人は拒否できなかったのか、当日になって会見が実現した。

今年1月に突然入院した時、「危篤か」とマスコミが色めきたった。5月末、いきなり「クヌ村に戻りたい」と言い出した時は、「死期が近づいているのを知って、故郷で死にたいのだろうか」と心配になった。

今回、ムタタ空港に到着したマンデラを待ち構えていたカメラマンたちは、撮影しないよう注意された。

去年までクヌ村では、マンデラの誕生日を祝って羊を殺し、マンデラ本人からの言葉もあったが、今年は羊もマンデラも登場しない。マンデラは家族と静かに自宅で過ごした。
誕生日前日、家族と。(マンデラ財団)

2009年11月、国際連合がマンデラの誕生日を「国際ネルソン・マンデラデー」(Nelson Mandela International Day)に制定した。「ネルソン・マンデラは社会正義のために、67年間戦った」から、この日、世のため人のために、67分間費やすことを提唱している。

67年とは、いつからいつまでなのか。1918年生まれ、刑務所に入ったのが1962年、釈放されたのが1990年、大統領になったのが1994年。引退したのが1999年…と色々な数字を引き算しても、67にならない。マンデラ財団に問い合わせたところ、初めて政治集会に参加した1942年からマンデラデーが制定された2009年までの67年だそうだ。

67分の過ごし方だが、例えば、ナティ・ムテトワ(Nathi Mthethwa)警察相はクヌ村近くのムタタ(Mthatha)警察署で働いた上、学校で掃除とペンキ塗り。リンディウェ・シスル(Lindiwe Sisulu)国防相もやはりムタタで過ごし、学校でペンキ塗りをした。

ケープタウンはマンデラの誕生日を祝って、「イースタンブルバード」(Eastern Boulevard)を「ネルソン・マンデラブルバード」(Nelson Mandela Boulevard)に改名。

マンデラ財団によると、マンデラの名がついた通り、高速道路、公園、広場、建物は、世界に160以上あるという。マンデラは更に、1000を超える賞を受賞。うち、115が名誉学位とのこと。その殆どが釈放されてから、つまり71歳以降。

のほほんと人生を送り、ふと気がつくと中年、老年になっていた凡人でも、今から十分、世の中に貢献できるかも。まず、年1回の67分奉仕を、1日67分にするところから始めてみては?

(参考資料:2011年7月18日付「The Times」など)

1 件のコメント:

  1. 長田さん、多分25歳くらいでANCに入ってから引退するまでの67年間でしょう。計算はしてないけどそう思っていました。

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