2015/03/11

間抜け? 大胆不敵? 生中継中のレポーターを襲った強盗

3月10日の夜、南アフリカ国営放送(SABC)のレポーター、ヴヨ・ムヴォコ(Vuyo Mvoko)はジョハネスバーグの私立病院「ミルパーク病院」(Milpark Hospital)の前にいた。ザンビアのエドガー・ルング(Edgar Lungu)大統領が同病院に入院した模様を7時のニュースで生中継するためだ。ムヴォコを取り囲むのは、カメラマン2人とジャーナリスト3人からなる報道チーム。

7時直前に番組のプロデューサーと携帯電話で話し、さあ本番!というところで邪魔が入った。4人組の武装した男たちがいきなり目の前に現れ、携帯電話、パソコン、撮影機材を要求し始めたのだ。カメラは既に回っている。7時のニュースを見ようとテレビのスイッチを入れた全国のお茶の間の国民の前で、強盗の生中継が始まってしまった!

IOL News

携帯電話を渡すのを拒否したムヴォコに、犯人のひとりが「この犬を撃ち殺せ!」と叫んだ。幸いにも怪我人は出なかったが、なんと大胆なことか。

強盗に遭うのはそれだけでもトラウマ的な出来事である。しかも、相手が複数で、短時間にすべてが終わってしまったら、犯人の人相を覚えられない可能性が高い。でも、今回はその心配無用。犯人たちはカメラの前で、顔を隠すこともなく、堂々と強盗を働いたのだから。

SABCは証拠映像を警察に渡した。しっかり、ユーチューブでも流れている。犯人はすぐにつかまるはず・・・かな?



犯行現場をテレビカメラでしっかり撮影されてしまったとは、間抜けな強盗なのか。それとも、南ア警察があまりに無能なため、どうせつかまることがないとタカを括って、撮影を止めなかったのか。なんだか警察がすご~く馬鹿にされているような気がする。

ジョハネスバーグ・メトロ警察(JMPD)では一か月前、「ケモラオ作戦」(Operation Ke Molao)を開始したばかり。「ケモラオ」とは「これは法律だ」を意味し、路上にうろつく乞食、物品販売人、窓掃除人を一掃することを目的としている。

「赤信号で止まっている時や、高速道路に入ろうとする時や、渋滞で車が動いていない時などに、マイカーから貴重品を盗まれる事態をこれ以上続けることは出来ない」と市の公共安全委員会メンバー、セロ・レマオ(Sello Lemao)氏。

しかし、JMPDのスポークスマン、ウェイン・ミナール(Wayne Minaar)によると、ケモラオ作戦はハイジャックや窓を割っての貴重品盗難など、乗用車に関係した犯罪の削減が目的。今回のようなケースはカバーしていないという。(でも、犯罪の予防・取締りは警察の仕事じゃないの?)

警察の顔に泥を塗った形の、ムヴォコたちを襲った犯人たちは、未だ捕まっていない。

(参考資料:2015年3月11日付「The Star」など)

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