たとえばこの映像。一か月前、南アフリカのショッピングモールの監視カメラが捉えたものだ。左奥に座った3人組に注目して欲しい。誰も気づかないうちに、堂々とハンドバッグを盗んでいる。
フムブラニ・オーブレー・ブヴンビ(Humbulani Aubrey Bvumbi)さんは葬儀会社のCEO。7月24日、ジョハネスバーグの高級住宅街ブライアンストンの自宅に愛車のレンジローバーで帰宅した。
「いつも通り門を入ったのですが、(自動的に閉まるはずの)門がなかなか閉まらないので不審に思って振り返ったら、見慣れない車が入って来るではありませんか。銃を持った男たちが車から降りてきたのを見て、命が危ない!と思いました。」
しかし、そのまま犯罪の犠牲者になるブヴンビさんではなかった。
「幸いなことに、銃を取り出してなんとか対応することができました。車のドアを開けようとした一人に向かって、即座に発砲したのです。犯人たちは危険を感じて走り逃げましたが、本当に頭にきましたよ。」
バックする黒のアルファロメオに向かって、ブヴンビさんは銃弾を撃ち続けた。
別の角度から撮影された映像がこれ。
「強盗は私を殺すつもりでした。殺される前に殺さなければ、と思いました。男らしく戦わなければならなかったのです。まるで映画のようでした。自分でも信じられませんでした。」「勇気を与えてくれた神さまに感謝します。自分でもこんなことがどうやって出来たのかわかりせん。」
あとから映像を見た家族は、犯罪者に立ち向かい追い払ったブヴンビさんを誇りに思っているという。
ブヴンビさんは武装していたおかげで強盗の被害に遭わずに済んだが、武装していたために悲劇を生み出した例もある。
16歳のルヤンダ・テンバ・シャバララ(Luyanda Themba Tshabalala)君は勉強熱心な高校生。今年6月5日の夜、勉強会に参加するため学校に行った。学校まで連れて来てくれたお父さんは、勉強会が終わるまで車の中で待ってくれるという。
勉強会が終わって、ルヤンダ君は車に戻る。お父さんが眠っていたので窓をノックした・・・。
父親のエマニュエル・シャバララ(Emanuel Tshabalala)は銃を手にして眠っていた。窓のノックを聞いて、眠い頭にとっさに浮かんだのは「ハイジャックだ!」。確かめもしないで、音の方向にいきなり発砲。息子だということに気がついたときは後の祭り。至近距離から撃たれた息子は、病院に向かう途中に亡くなった。
法廷で泣き崩れる父親(左)と誤って射殺されたヤンダ君(右)(I Have Gist) |
ブヴンビさんは強盗を追い払うことに成功したが、一般人による誤射事故が多いのも事実。多少練習した程度の素人が銃を持つのは危ない。
【参考資料】
"Dad released on warning to bury son he 'shot by mistake' at Joburg school", TimesLIVE (2018年6月7日)
"Undertaker scares the hell out of would-be robbers", TimesLIVE (2018年7月25日)
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