2013/01/20

中流層の3人にひとりが麻薬使用 最新調査

南アフリカの中流層の34%が気軽に麻薬に手を伸ばしていることが、麻薬反対連合(Anti Drug Alliance。以下ADA)の調査で明らかになった。

調査に協力した5万7809人の大部分がハオテン州や西ケープ州(つまり都市部)に住む22歳から45歳で、フルタイムの職を持つ典型的な中流層。それどころか、アルコールは飲まない、または飲んでも週2、3回。刺青なし。タバコを吸わず、ポルノも見ず、ギャンブルもしない。かなり真面目な人たちである。

たしなむ麻薬で最も多いのが大麻(南アではダッハdaggaと呼ばれる)(32%)。続いて、コカイン(cocaine)、エクスタシー(ecstasy)、キャット(cat。メトカチノンmethcathinoneの通称)(以上3つはいずれも12.1%)。そして、LSD(9.3%)、マジックマッシュルーム(magic mushroom)(6.4%)、クラック(crack。コカイン系)(5.7%)、ティック(tik。メタンフェタミンの俗称。メタンフェタミンは日本人が合成した覚醒剤!)(4.2%)、ヘロイン(heroin)(3.6%)、ニャオペ(nyaope。大麻とヘロインを混ぜたもの)(2.1%)。

前年度の調査と比較すると、大麻を使用する人が11%増、ニャオペ9%増、キャット82%増。ティックに至っては88%増!コカインの値段が上がったことから、それまでコカインを愛用していた人々がティックに移ったためとみられる。マジックマッシュルームとLSDも、人気が出ているらしい。

麻薬使用増加に伴い、リハビリセンターに収容される人も急増。今回の調査では25%も増えていた。悪習はなかなか断ち切れないようで、リハビリセンターに出入りを繰り返す人も多い。中には、9回も戻って来た人がいる。

麻薬ディーラーの数は増える一方。ディーラーが逮捕されても、すぐに新しいディーラーが現れる。「政府がやっていることといったら、大量の麻薬を扱う少数の犯罪者を逮捕することに何10億ランドも費やすだけ」とADAのクインティン・ファンキャルケン(Quintin van Kerken)さんは嘆く。地道に、丁寧にディーラーを追い、ルートを潰していくより、メディアで大きく取り上げられる派手なネタに精力を使っているというのだ。

さて、調査に協力した男女が一か月に麻薬に使う金額は

200ランド(2000円)まで 33.3%
500ランド(5000円)まで 13.3%
1000ランド(1万円)まで 4.4%
3000ランド(3万円)まで 13.3%
5000ランド(5万円)まで 6.7%
1万ランド(10万円)まで 2.2%

「いくら使ったかわからない」人が24.4%いる。ここまでの合計は97.6%。残りの2.4%は一か月に10万円以上使っているのだろうか。

真面目な中流層でこの有様だから、不真面目な(!?!)中流層の現状が思いやられる。

この調査からは、金持ちや貧乏人や田舎の人がどの程度麻薬に手を染めているかは明らかでない。貧乏人にも、手軽に買えるものなのだろうか。

因みに、お値段の方は以下の通り。

コカイン・・・1グラム当たり250-300ランド
クラック・・・5ミリの大きさで120ランド、ゴルフボールサイズで1500-2000ランド
キャット・・・1グラム当たり150-200ランド
ティック・・・長さ5センチが30-50ランド、重さ1グラムで200ランド
エクスタシー・・・1錠当たり10-80ランド
大麻・・・マッチ箱一杯で10-50ランド
LSD・・・液体状5ミリリットルが300ランド
マジックマッシュルーム・・・100-300ランド
ヘロイン・・・1グラムあたり200ランド

使用頻度や使用量によるだろうけど、大麻だったら、貧乏人や学生でも手が出しやすそうな値段だ。

ADAでは、様々な中等学校の生徒2512人に直接話を聞いてみた。

すると、「麻薬は学校で手に入るよ」と答えた生徒が69%もいた。更に、34%(大人と同じ割合!)が過去6か月に麻薬を使ったと認めた。

南アの都市部の子供たちは、学校で麻薬が簡単に入手できる状況で育っている。それにしては、政府も父兄も危機感を持っていない。大人も適度に愛用しているからか、子供たちがお小遣いで買えるのは恐らく、害が少ないと一般に思われている大麻が殆どだからか、それとも、国にとって、また個人にとって、もっと大変な問題が他に山積みしており、麻薬は優先順位が低いからか。

約6万人もがこういった調査に正直に協力し、3人に1人が「違法な薬物を気晴らしに使っている」と認めている事実自体、驚くべきことかもしれない。元々真面目な人たちだからキマジメに回答したのか、実は正直に回答した人は少なく、実数はもっと多いのか、それとも、真面目な人たちですら麻薬は大したことと思っていないせいか。

ADAのファンキャルケンさんは、南アフリカは「麻薬との戦いに負けた」と断言している。

(参考資料:2013年1月10日付「The Star」など)

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