2016/05/11

最高のキャンプサファリ ボツワナ

仕事で何度か、ボツワナでキャンプをする機会があった。

国立公園のど真ん中、ライオンやハイエナやゾウやバッファローなどがいるところに、特別な許可を取って、柵も何もなしにキャンプを張る。といっても、設営はプロのスタッフがやってくれる。通算で50泊くらいしただろうか。

1日24時間サファリ状態。夜、まわりに人の気配がないキャンプを取り囲むのは、漆黒の闇。頭上には、大きなカゴに山盛り入った星をワシづかみにして振り撒いたような、満天の星空。くっきりと白い天の川は「ミルキーウェイ」(ミルクの道)という英語がぴったり。聞こえるのは野生動物の声だけ。そして、信頼できる、腕の超確かなガイド、シェフ、スタッフがサポートしてくれる。焚火と鍋だけで、こんなに美味しい料理ができるなんて感動もの。

左上や下部の星が見えないところは木があるため

ボツワナという国がまた素晴らしい。1966年の独立時には、世界でも最貧困国のひとつだった。それが1970年代初頭、ダイヤモンドの発見により一躍裕福になる。しかし、権力者が富を独占し、私欲を肥やし、国民の生活を顧みない国が多かった当時のアフリカには珍しく、大統領をはじめとして立派な政治的指導者に恵まれた。


「ダイヤはいつか枯渇する」と、観光と教育に力を注ぐ。10年間の義務教育は無料。公共の医療機関も無料。

環境保護にも余念がない。チョベには、世界のどこよりも多くのゾウが集まる。一時はゼロだったサイの再導入も、大統領の全面バックアップを得て始まった。大型動物のハンティングどころか、狩猟は全面禁止。公園内に銃の持ち込みはできない。陸軍の密猟取締り班が目を光らせ、密猟者はその場で射殺される。また、外国人観光客の国立公園入場料や公園内宿泊料をかなり高く設定する一方で、ボツワナ国民・居住者は誰でも払えるような安値で公園を楽しめる。

国民性も好感が持てる。特に南アフリカから来ると、その違いに愕然とする。もちろん、どこの国にも色々な人がいるものの、ボツワナ国民は概ね、温厚で働き者。民度が高い。

南を南アフリカ共和国、西と北をナミビア、東をジンバブエ、北をザンビアに囲まれた内陸国(Wikipedea


すっかりボツワナファンになってしまった私。なんとか応援したい。

そういうわけで、昨年日本に一時帰国した際、ボツワナという国と国民、そしてキャンプサファリの素晴らしさを熱っぽく吹聴していたら、「行ってみたい!」という声が続出。そこで、参加者を募り、今年のゴールデンウィークにプライベートツアーを企画してみた。一橋大学イノベーション研究センターの米倉誠一郎教授(兼日本元気塾長兼プレトリア大学日本研究センター顧問兼NPO「アフリカ象の涙」顧問)と一緒に南アフリカに来たことがあるメンバーを中心とした、夫婦2組(1組は新婚旅行!)、シングル女性3名、シングル男性1名、それに私の計9名。

マウン空港に到着後、陸路3時間半、オカバンゴの北東に向かう。地元住民が管理するクワイ(Khwai)保護地区でまず1泊。

以前はこんな感じだったテントが・・・


・・・グレードアップ!



それぞれのテントに、トイレとシャワーが付いている。移動するたびにテントを張り、トイレの穴を掘り、シャワーを設置しなければならないのに、労力を惜しまずサービスしてくれるのが嬉しい。おかげで、夜の暗闇の中を、ライオンなどに注意しながら、共同のトイレまで歩いて行く必要がなくなった。テントの中には、ベッド、ライト、コーヒーテーブルなどが備え付けてある。

翌日は早朝からクワイでサファリ。

ゾウのいる風景

オスライオンの大あくび

午後、隣接するチョベ国立公園(Chobe National Park)に入り、70キロ離れた内陸の湿地帯、サブチ(Savuti)に移動。いや、前回行った時は湿地帯だったが、地殻変動により川の流れが変わり、昨年11月に川が干上がってしまったという。

シマウマの赤ちゃん

生後8か月くらいの若いヒョウ

水を飲むメスライオン

ローンアンテロープ

夕暮れ


サブチに2泊した後、チークとマホガニーの保護林を通り、110キロ離れたチョベ川へ。ここに3泊。

バオバブの木とキリンたち

チョベはゾウの楽園

朝食に向かう子ライオン。大人たちが一通り食べ終わった後、やっとバッファローにありつける!

 チョベ川での半日ボートサファリも入れてみた。

睡蓮

ボツワナ最後の日は早朝サファリ、そしてそのままジンバブエの国境へ。ジンバブエのホテルから迎えが来ている。ボツワナのガイドたちとはここでお別れ。苦楽・・・ではなく、多楽を共にした参加者とガイドの目に涙が浮かぶ。

チョベからビクトリアの滝まで、たった1時間強(出入国手続き時間を除く)。

まずは、ヘリコプター。滝の雄大さに驚嘆する。


次に、地上から楽しむ。最後にはずぶ濡れになった。


締めくくりは、サンセットクルーズ。


中身の濃いツアーに、参加者全員大満足。アレンジした甲斐があった。今回、日程の都合がつかず参加できなかった人たちのために、もう一度くらい企画してもよいかな。。。

ボツワナキャンプサファリでの写真は、こちらのサイトもご覧ください。

Light and Reflection
Small is Beautiful


【関連記事】
ボツワナでバッファローを追う(1)第一の難関 (2013年3月12日)
ボツワナでバッファローを追う(2)第二の難関 (2013年3月20日)
ボツワナでバッファローを追う(3)ツノの生え方、群れの種類 (2013年3月29日)
ボツワナでバッファローを追う(4)夕暮れ時の動物たち (2013年4月3日)
ボツワナでライオンを追う(1) ライオンに脅される日々 (2013年10月9日)
ボツワナでライオンを追う(2) 「殺しのマシーン」たちの、人目欺くノンビリ姿 (2013年10月25日)
ケープタウンは世界で4番目に素敵な町 『トラベル+レジャー』誌の恒例アンケート (2013年7月12日)
アフリカのサイをオーストラリアへ 苦肉の絶滅防止対策 (2014年2月18日)

0 件のコメント:

コメントを投稿