2014/01/31

投票用紙から新鮮な人間の目玉まで DHLのアフリカ宅配便

DHLといえば、世界最大の国際輸送物流会社。元々、アメリカ本土とハワイ間の宅配便から始まり、現在はドイツポスト(Deutsche Post)の傘下。本社ボン。(ドイツポストはドイツの郵便局が民営化したものらしい。)世界220以上の国・領土をカバー。従業員28万5千人。

毎日、全世界で200万個もの荷物を届けるというから、中には当然変わった配達品もある。2013年には9頭のゴリラの大陸間輸送とか、ラグビーワールドカップのトロフィーなどを手掛けたという。

では、アフリカでは2013年、どんな変わった荷物を配達したのだろう?

DHLでサハラ以南アフリカ地域のマーケティング部門を率いるスメシュ・ラハヴェンドラ(Smesh Rahavendra)氏によると、投票用紙や大統領文書などの配達があった。また、変わった食べ物の輸送依頼が年々増えている。

例えば、32キロの「ハギス」(haggis)をイギリスからタンザニアに輸送。ハギスとは、刻んだ羊・子牛の臓物を胃袋に詰めて煮込んだスコットランドの伝統料理。イベントに間に合うよう、迅速な通関手続きが求められた。

ハギス(Wikipediaより)

ケニアでは人間の目玉の輸送が日常的に行われる。角膜移植のためだ。体から取り出された角膜は腐りやすく、寿命がとても短い。しかも、レシピエントは目玉が輸送されている間に移植を受ける準備を施され、届いたらすぐに手術できるよう、医師と共に待ち受けている。優先通関手続き、目玉輸送専用車両、特別の資格を持った専門家チームを必要とし、どんな小さな失敗も許されないという。

イギリスから南部アフリカの某国へ、汚れた洗濯物を送った男性もいた。ドライクリーニングのためという。よっぽど凄腕の洗濯屋なのだろうか。(凄腕のドライクリーニング屋って、どんなんだろう・・・?)

カメルーン
ジョハネスバーグからカメルーンのドゥアラ(Douala)に結婚式用生花1.7トンを送る注文も受けた。注文主の息子2人が同じ日に結婚したとか。1.7トンもの花をジョハネスバーグから空輸して取り寄せるくらいだから、さぞかし豪華絢爛のダブル結婚式だったことだろう。

カメルーンといえば、1960年の独立時に初代大統領になったアマドゥ・アヒジョ(Amadou Ahidjo)が22年間も居座り、1982年にそれまで首相だったポール・ビヤ(Paul Biya)が2代目大統領に就任したものの、80歳になる今でもまだ現役。「共和国」とは名ばかりの独裁国だ。鳥取県よりちょっと小さい経済規模だが、汚職が横行しているらしい。注文主は政治家か、政府に近いビジネスマンか。

自然保護関連では、ケニアで蝶の幼虫を届けた。輸送が遅れたら、うまく成虫になれないことから、角膜輸送同様の緻密さが要求されたとか。

さて、今年は一体、どんな変わった荷物の配達注文があるのだろうか?

(参考資料:DHLのプレスリリース)

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